抽出で表現を変える
こんにちは、
2023年2月のイベントで、同じ豆で抽出を変えることで味わいの表現を変える試みをしました。
レシピの整理も兼ねて書き出していきたいと思います。
+COLORSはコンセプトとして、スペシャルティコーヒーを単色で表現しています。
お豆のパッケージデザインも水彩絵の具のチューブをイメージして作りました。
コーヒー豆が絵の具で、抽出が絵を描くようなイメージでいつもコーヒーを淹れています。
ふと思いついたのが、絵の具の溶かし具合で色の濃淡が変わるように、コーヒーも濃度の変化で異なる表現ができるんじゃないか、というものでした。
ぼやけたコーヒーにはしたくなかったので、収率(色でいうところの彩度)はしっかりと適正を出した上で、濃度(TDS)と抽出温度で味わいに変化を出せるか検証しました。
検証に使った豆は、Indonesia Bintang Lima Wet Hull
スマトラ式特有のフレーバーに加え、鮮やかな酸としっかりしたボディが特徴的な、+COLORSでも人気のあるお豆です。
結果1
抽出量202g TDS1.23 収率19.10%
明るさはでたが、過抽出になってしまった。
挽き目を粗くして、再度抽出してみる。
Wilfaで2クリック分粗くする。
抽出量202g TDS1.19 収率18.47%
明るい酸のテイストを維持しつつ、甘さも感じられるようになった。
トロピカルフルーツや紅茶のような印象
結果2
抽出量191g TDS1.48 収率17.15%
未抽出で酸がかなりシャープになってしまった。
挽き目を細かくして、再度抽出してみる。
Wilfaで2クリック分細かくする。
抽出量193g TDS1.60 収率18.74%
重厚な質感と甘さの印象が強くなった
チョコレートや杏などのストーンフルーツを感じさせる。
Brew Ratioと挽き目を変えることで同じ豆でもテイストの表現を変えることができました。
味の情報量が多い豆ほど、違った表情をみせてくれる傾向にありました。
スペシャルティコーヒーの魅力は、1杯のコーヒーから色々な味わいを感じられることにあると思います。
そのうえで、どのフレーバーを強調するのか?どういったバランスにするのかを考えて選択肢を増やすことが、私たちバリスタやロースターができることなんだと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?