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宝くじ売り場の《怪》 (街で★深読み)

昨日に続いて、ことわざ「捕らぬ狸の皮算用」がらみです。
以前、《創作型懸賞》に応募する際の「ひと粒で4度美味しい」愉しみを記事にしましたが(↓)、もうひとつの《懸賞》が《「クジ」的懸賞》です。
そして、この《「クジ」的懸賞》の最たるものが、《宝くじ》でしょう。

《創作型懸賞》の4度の美味しさ:

➀ 《目標》を定め、どういう創作物にするのか、《戦略を練る》愉しみ。
➁ 日程的な《計画》を立て、実際に《創作》を行う、充実した時間。
➂ 創作物を投稿後、結果発表までの、《期待》と《夢》に満ちた幸福感。
➃ 結果発表後の、酒を飲みながら審査者を《罵倒》する痛快。

https://note.com/pochipico/n/n237a1781d379

のうち、宝くじの場合は、

①の「戦略」は、ロト6がいいか、やはりドリームジャンボかな、などと、つまりはどの「くじ」にしようか、という程度で、ほとんど作戦の立てようがない
「連番買い」なんてのも、「期待値」は変わらないのだから、戦略とは言えない。

②は宝くじ売り場でお金を払うだけです。最近は自宅にいながらにしてネットで購入できます。「一瞬」です。

④も、そりゃ、外れ券を引き裂いて抽選会場の関係者を《罵倒》してもいいけれど、非常に空しい。

残るのは、③の「取らぬ狸の皮算用」だけじゃないですか!

もちろん、メリットはあります。
苦労して作品を仕上げたりする《創作型懸賞》応募とは異なり、スーパー前の売り場で百円玉を出すだけ、実に安易に「取らぬ狸の皮算用」に参加できます。

……いやいや。
普段は素通りする、スーパー前の宝くじ売り場ブースを見ていて、おっと、と思いました。

宝くじ売り場ブースの看板

「宝くじ」と書かれた看板の上に、さらに付け足しの看板があります:

またまた 当売り場より 億万長者続々誕生‼
第566回サマージャンボ 前後賞合わせて 3億円
第587回ドリームジャンボ 前後賞合わせて 3億円

うーむ、これは……。

これは、本来、①の「戦略」など存在しないはずの《「クジ」的懸賞》に、過去の実績を掲げることで、

ここで買うと1等3億円が当たりやすいよ!

と《戦略》に関する「印象操作」を行っているのです。

おそらくはこの看板を見て、

「過去にこんなに1等がでているのなら、もうここではしばらく出ないな……」

と考えるより、

「この売り場《ツイてる》かも!」

と思う人が多いに決まっている、とある意味、
《大衆をなめている》
わけです。

《確率》を論じるには、分子(どれだけのクジが当たったか)だけでなく、分母(どれだけのクジがこの売り場で買われたか)を明らかにしなければなりません。

この看板に書かれている《宝くじ》を調べてみました。

「第566回サマージャンボ」は2009年8月でした。
「第587回ドリームジャンボ」は存在せず、どうやら2010年8月の「第587回サマージャンボ」の誤りのようです。

2回とも(後者が単なる名称ミスだとして)、

10年以上も前のことじゃないの!

それを、
「億万長者続々誕生‼」
と表現するとは、

いい度胸じゃねえか!

2011年あたりなら、そう言ってもおかしくないけれど、看板は10年以上雨風にさらされていたとは思えないほど新しい。

私のように、《懸賞》についてきちんと《検証》しようというヒマなジジイは世の中にいない、とタカをくくっているのですな、これは。

Again、
《大衆をなめている》

看板の右端には猫がいます……。

こ、これは……

【猫に小判】だ!

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