奏者T

母が境界性パーソナリティ障害で長年洗脳を受け続けてきました。 今は母の元から離れて平穏…

奏者T

母が境界性パーソナリティ障害で長年洗脳を受け続けてきました。 今は母の元から離れて平穏な日常を過ごしております。 世の中の人に少しでも境界性パーソナリティ障害の症状を認知して頂けたらと思い これまでの母との生活の日々を自伝としてまとめました。

最近の記事

いびつな愛のカタチ #現在地

ーーーーーー そして、現在の僕は・・・ ーーーーーー 父達がいる実家を出て、県外で一人暮らしをしている。そして、いくつか転職などを重ね、 現在は一般企業の普通の仕事と、時折行っている音楽家としての演奏活動を両立させ ている。生活にかかる費用も、遊びに割く費用も、音楽にかかる費用も、全て自分で賄っている。 “やってほしくないと強く言われた音楽を続けて行く”という、父達への反発とも取れてしまうかもしれない。けれども音楽を自分の人生から切り離すことは、生きがいを奪われる事

    • いびつな愛のカタチ #13

      数日後。ある日、恩師から大学ではなくどこか別の、外のスタジオでレッスンを行うとの連絡を頂いたので、僕は取り組んでいた曲をいくつか持参し、楽器を背負い、そのスタジオへと向かった。 先生とは、事件の日以来の再会だった。開口一番に僕はすぐにリサイタルの件を謝ろうとしたが、 すぐに、 「じゃあとりあえず、あの曲のあそこの部分から続き吹いてみて?」 と、以前からレッスンをしてもらっていたエチュードを吹くようにと指示を受けた。謝罪を言うタイミングを一旦失ってし

      • いびつな愛のカタチ #12

        教育実習を終えてから数ヶ月経過し、季節は秋ごろ。 僕は4年間もの間、プロ奏者の講師の下、レッスンを受けてきた。 その先生が子供が出来たので、一旦演奏家としての活動をストップすることになった。それにあたり、先生のとても大規模なソロリサイタルが都内で行われることになった。 弟子である生徒の僕は、当然先生からお誘いを頂き、もちろん観に行くことにした。この時も、母の凸が頭によぎったが、 「大学と教育実習であれだけ大暴れしたんだ、もう懲りたことだろう・

        • いびつな愛のカタチ #11

          月日が経過し、大学4年の夏頃になった。僕は、大学入学時から母の指示で、音楽の授業の教職課程をこれまで履修し続けていた。正直、自発的に心から音楽の先生になりたいとは全く思って おらず、母の指示のみで単位を取ってきたに過ぎない。父のもとに移り住んでから何もかも自由になり、もう教職課程の授業を受ける必要は一切なかったが、ここまで周囲の同期と頑張って続けてきたので、せっかくなので卒業までそのまま完全に単位を全て取りきる事にした。 そうして過ごしていくうちに

        いびつな愛のカタチ #現在地

          いびつな愛のカタチ #10

          父のもとへ移り住んだ事を機に、僕は大学での専攻楽器をもとに戻すことにした。今まで、 母への怯えや恐怖が原動力になって、本意ではない専攻楽器を練習し、レッスンを受けていたが、あくまで母の気を丸く収めたいという気持ちが根本にあり、それに基づいた行動だった。 そのような生半可な気持ちで、通用するほど音楽の世界は甘くはない。それに楽器や先生にも失礼だと思った。なのでファゴットから、再び元の専攻楽器のユーフォニアムへと戻り、卒業試験とその後の卒業演奏会に向けて

          いびつな愛のカタチ #10

          いびつな愛のカタチ #9

          次の日、いつものように大学へ向かい、外国語の授業を受けていた。僕が通っていた音楽大学は高いビルの校舎で、僕がこの時授業を受けていた教室は13階にあった。 まだ昼より前の時間帯だった。 突然、事務職員が、授業中の僕の教室へとかけこんできて「ちょっといい・・・?」と、小声と手招きで、僕を教室の外へと呼んだ。 この職員の方は、当時よく僕の話を聞いてくれていた大学内のキャリア支援センターに勤めていた方だ。僕の事情を全て把握していて、完全な味方となってくれた内の

          いびつな愛のカタチ #9

          いびつな愛のカタチ #8

          こうして、周囲へ相談をしてから数日経った夜、学校の授業と、その後の個人練習を終え、当 時よく親交があった同学年の友人と先輩方と共に、僕の脱獄計画に関して、大学近くのファミレスで会議を開いた。 どのような時間に準備し、家を出るのはどの時間が適切で、進行ルートはどこを選ぶか、 等々・・・。 僕は、少しずつ麻痺してきていた母への恐怖が再び甦ってきていた。家を出 たら、何をされるか分からない。考えれば考えるほど、脳と身体が 硬直し始めた。 するとその時、友人

          いびつな愛のカタチ #8

          いびつな愛のカタチ #7

          大学3年生の半ば、この時期は、今後の自分の進路の話で連日持ちきりだった。大学院を受ける人、別の音大の別科などに入る人、普通に一般企業に就職する人、海外留学する人、皆さまざまな道を歩もうとしていた。 僕もその時期に、大学入学時から専攻楽器のレッスンをそれまでずっと教わってきた、大学内の 僕の専任の講師であるプロ奏者の先生に、進学や進路について悩みや感じ続けてきたことを相 談していた。 「TG大学やその院は、僕が今までやってきた、この専攻楽器の実力では、

          いびつな愛のカタチ #7

          いびつな愛のカタチ #6

          月日は流れ、大学3年になったばかりぐらいの頃。これまで史上、最大級に家計が厳しくなってい た。父からの援助は特に変わっていなかったが、母がよく遊びに出掛けるようになり、また、吸うタバコの本数もかなり増え、その費用の影響で、月々の固定費の支払いが間に合わなくて、ガス、水道、電気、通信キャリアとインターネット、これら毎月何かしらのライフラインがよくストップしがちになっていた。 僕は3年生のとき、大学内で、2つのインスペクターを担当していた。インス

          いびつな愛のカタチ #6

          いびつな愛のカタチ #5

          そして、大学受験を終え、合格発表当日。 僕は母の指示で、有名音大の一つである、TG大学の音楽科1本のみで受験した。なぜなら、他の音大への興味に関する僕の意見は、何一つ母には通らなかったからだ。 結果は不合格だった。僕自身、そうなることはとっくに分かっていたし、それほど興味のない大学だったので、自発的なやる気も起きなかった。 だが、“母の機嫌を損ねたくない”という、それまで の人生全てで形成された僕の後天的な強い本能、いや、“洗脳”が無理やり僕をここま

          いびつな愛のカタチ #5

          いびつな愛のカタチ #4

          自宅に3人でいた時の事。僕はトイレに入っていた。すると母が来て「おい早 くしろよ」とうるさく急かしてきた。 無理なものは無理なので、「もう少しまってよ」と軽く答え、用をたし終えた僕は手を洗い、トイレを出た。 自分の部屋へ戻 ろうとしたら目の前には、スクールバッグの中に、尻を丸出しして突っ込み、脱糞し ようとしていた母の姿があった。 「お前が遅いからもうここでしちゃうもんね~!!」 母はニタニタ笑いながら、優越感に浸っていた。 ケツ丸出しで自分の子供のスクール

          いびつな愛のカタチ #4

          いびつな愛のカタチ #3

          小学校5年生のある日。 「明日は土曜だけど、父ちゃんは早朝に仕事の用事を済ませて、早めに帰ってきて家に居るみたいだから、母ちゃんにバレないよう、早めにおばあ ちゃん家に行こう!」 金曜日の夜にウキウキ半分安心半分の状態で寝た。 翌日の朝、自分の部屋のロフト型のハシゴ付きベッドでいつものように目が覚めると、何か重苦しい違和感があった。 僕の隣で母が寝ていた。驚きと怖さで目が一気に覚め、急いで抜け出そうと試みたが布団の中から手が出てきて、僕の腕

          いびつな愛のカタチ #3

          いびつな愛のカタチ #2

          「またおばあちゃ んちに戻ればいいじゃん」という意見があるかと思うが、母への恐怖心により一刻も早く丸く収 めたい、さらに恨みを買うような行動を起こしたくない。 しかし何をすれば怒られて、何をすれば丸 く収められるのかよく分からない。その場で留まり続けるという立 ち回りしか、その時の僕には出来なかった。もし祖父母の家に再び戻って、そのことが母に知れて、実家に戻った際に、どんな仕打ちが待っているか分からないからだ。 激痛に耐えきれなくなって自宅前の廊下

          いびつな愛のカタチ #2

          いびつな愛のカタチ #1

          記憶の中で、一番最古のものを物心が付いたときと言うのであれば、僕の中でそれは幼稚園生の時だ。 自宅で母か洗面所に向かって苦しそうに嘔吐していた。 僕はいつものように幼稚園に行く支度をしていた。 子供ながら母の容態が気がかりだったので、ずっと母を見ていた。 そんな僕に対して母は 「何見てんだよ、見てんじゃねーよ、さっさと早く行 けよコラァ!!」 いくら小さかったとはいえ、母の口から出る罵声は明らかに普通ではないと思った。 幼稚園から帰ってくると、母はゲームをしているか、

          いびつな愛のカタチ #1