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アウシュビッツを訪れて 〜後編〜(ポーランド・クラクフ)

遥々訪れてわかったこと

結論から言うと、シンプルにアウシュビッツ自体は過去の凄惨さを伝えるもの、というよりも未来永劫二度と同じ失敗を繰り返さないことを世界に発信するための遺産だと僕は感じた。勿論、凄惨さを伝える役割は担っているが、今の時代どこにいてもアウシュビッツ博物館について知ることが出来る。ただ、後者については現地に足を伸ばさなければ感じられない気がしている。

批判を受けるかも知れないが、アウシュビッツもビルケナウも緑が美しく、加えて収容所でありながら僕は建築美すら感じてしまった。


約75年前に大量虐殺が起きたなんて想像が全くつかない。特に1枚目のビルケナウでは死体を焼却炉で焼ききれず、現在の芝生の至る所で焼かれていたそう。想像すれば胸が締め付けられる気持ちになるが、そのような事実を知らなければ綺麗な場所とも思えてしまう。

つまり過去の凄惨さを乗り越えて、未来に二度目の失敗をさせまいというメッセージを感じ取った。

記事にすべきか否かという迷い

大量虐殺という大変酷いことを無知に等しい僕なんかが語っていいものかと迷った。ただ、part1でも申し上げた通り、傍観者こそが最も恐るべき存在なのである。必ずしも色んな事情で誰しもがこの地へ行けるわけではない。
そのため、訪れた者の使命として、「同じ民主主義国の国民として同じ失敗を繰り返さないよう、大衆に迎合せず、時に少数派になって声をあげよう」と伝えようと思う。あくまで僕が感じたことなので、本当は自身で実際に行って感じてくるのが最善だとは言える。



鳴り響く鐘

今まで歴史が好きなだけでその先はなかった。知的好奇心を満たすだけのものだった。よく言われているように、歴史は失敗の繰り返しを語っていて、それを踏まえた″今″が最善であるのが理想だろう。ヨーロッパに関連させれば、EUも国の壁をなくす壮大な実験であり、移民問題や英の離脱など失敗だとされているが、それを乗り越えて最善の状態になるのか…。ちょっと話がズレてしまった。

今後は歴史を前提知識としてそれを踏まえて何を感じ、何をしていくのかを中心に考えていこうと思う。そんなことを考えながら帰りのバスを待っていると、鐘が鳴り響いている。
一つ人生の目標を達した節目としての鐘、亡くなったユダヤ人への追悼としての鐘、二度とここに帰ってこないのかなという寂しさの象徴としての鐘。色々と鐘の音の意味を考えながら、その場を後にした。


〜番外編〜

帰りのバスのチケットは行きの購入時には買えず、直接バスの中で決済する。これからはユーロの生活になるのでポーランド通貨のズロチは中谷さんのガイド料80ズロチのみ用意していた。そのためカードで決済しようとした。

「ふむふむ、前の人たちもカード決済してるし安心や」って思ったのも束の間。直前かで不具合を起こしたのか分からないが、カード決済の機械が壊れたらしい😇 そのため現金しかダメと言われ、10ズロチ(270円)足りず泣く泣く下車。帰りのバスは1時間に一本。時刻は17時で両替屋も閉まってる。係員に聞くも、「ここから3kmの市民センターで両替出来るかも知れないけど多分閉まってるわね😉」

絶望。
その一言。
今帰れなければ、一日ズレることになるので取ってあるウィーンのホテルとクラクフ観光の全てが吹っ飛ぶ…。や・ば・い!!!
雨に打たれながら乞食するしかないと腹をくくった。

するとさっきの係員が駆け寄ってきて、なんと10ズロチ渡してくれた…。「私のお金よ」と一言残して去っていった。気がつけば人生で初めて嬉し泣きというものをした。泣いたのも失恋した時以来か笑

いやぁ、あのお金を頂けて嬉しい気持ちは一生忘れないだろうな。これも一人旅ならではの悪い点でもあり、良い点なんだろうな。

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