見出し画像

個展をひらいてみた。

今日、3日間の個展を終え、帰宅してからパソコンに向かった。
今の感触と記憶をしっかり残しておきたかった。

準備から当日の3日間を振り返ってみたいと思う。

4月 「きっかけ」


インスタのストーリーを見ていた時、エイプリルフールを謳った広告が私の目に飛び込んできた。なんとギャラリーが98%OFFで貸してもらえるのだという。少し興味をもち、特設サイトに飛んでみた。

応募フォームに詳しい内容 / 備考という項目があった。

【personal portfolio 〜学生による学生のための個展〜】という名前で個展を開きたいと思っています。
さらに活動範囲を広げていきたいと思ったため、今回は応募させていただきました。
 このプロジェクトの背景は2つあります。一つ目は、「自己表現する場を創ること」です。コロナ禍でより一層、自分の考えや行動を対面で発信する機会が少なくなったと感じています。その課題に対し、様々な人が個展に参加することをきっかけに自己表現に挑戦する機会を提供したいと思っています。2つ目に「新しい人と交流する場」を生み出したいと思っています。テーマについて議論し、アーティストでない若者が周囲に刺激を与え、その影響が波紋のように広がっていってほしいと思っています。

以前からずっとやりたかったことを言葉にしていたので、その想いを送った。

4月末 「チャンス到来」

たくさんの応募があったにも関わらず、日程を確保していただき、素敵なギャラリーを貸していただけることとなった。
この瞬間、貴重な機会を得たことに胸が踊った。

5月〜7月 「怒涛の準備期間」

一度、小さな個展をひらいたことがあった。その時の経験を生かし、当日までに必要なタスクを整理した。

・作品を出品するメンバーの募集
・会場の下見、打ち合わせ
・S N S運用
・フライヤーや告知のデザイン
・出品メンバーのマネジメント
・作品制作

ざっとこんな感じだが、細かい作業がかなりある。

この期間に、大学生らしく教育実習だの研究室だの期末テストだのが被りまくり、かなりバタバタした準備期間となった。

そんな中、フライヤーのデザインをしてくれた出品メンバーのすみれ。ありがとう。

8月 「直前」


とうとう本格的に、事前準備が始まった。
今回、貸していただいたギャラリーが立地も空間も非常にいいところで、正直かなりプレッシャーのようなものを感じていた。

良いものを作らなければ・・・という思いが駆け巡り、焦りとなった。
しかし、私には個展を開く経験は乏しく、素敵な空間を作り出せる自信もなかった。個人的にSNSの運用が難しく、宣伝もなかなかうまくいかないまま当日を迎えることとなる。

8月12日 「個展1日目」


設営がかなり難しかった。当日集まった作品から、会場の動線を考え空間を作っていく。この時初めて、空間づくりの難しさを知った。

作品数を鑑みながら、配置を考えていく必要がある。今回は事前にメンバーの作品を全て把握することが困難だったため、手探り状態で設営を始めた。
空間が余ってしまったり、逆に詰まってしまうスペースができたり、なかなか上手くいかない。(本来であれば、事前に作品を把握し、会場のサイズ感を計算して、イメージ図を作成しておくべき)

途中で友人にイケヤに買い出ししてもらった。友人の飛び抜けたセンスのおかげで、だんだん空間が出来上がってきた。

また、事前に「見に行くね!」と連絡をくれていた友人や、サプライズで来てくれる人もいた。はたまた近くに住んでいる方がフラッと見にきてくれたりもした。

身近な知り合いが来てくれるのもすごく嬉しいし、思いも寄らない出会いがあるのもすごくワクワクする。

8月13日 「個展2日目」


台風だった。強い雨が降ったり止んだり。
人通りも少なく、静かな1日だった。そんな中、午前中に雨でびしょびしょになりながら来てくれた友人もいた。

また新たに作品を持ってきてくれるメンバーもいて、会場が少し賑やかになった。2日目にしてやっと、空間が完成してきた感じ。

出品メンバーの友達がきてくれたり、この日も新しい出会いがたくさんあった。「私も絵描いてるんですっ!」って声をかけてくれて、今後機会があれば一緒に作品出したいですって話につながったり、、、

8月14日 「個展3日目」

午前中は、家族がきてくれた。自分がやっていることを見てもらえてすごく嬉しかった。実は、かなり手伝ってくれた部分がある。絵の取り付け方を教えてくれたりとか、工具を貸してくれたりとか、何も知らず個展を開催しようとしている私を陰で支えてくれていた。だからこそ、完成形を見せられたことが本当によかった。

18時の撤収の時間が迫るにつれて、人がどんどん集まり賑やかになった。
全員が互いを知っているわけではない、あの人の知り合い、あの人の友達。本来混ざることのない人同士が同じ空間にいることに価値を感じていた。

8月14日 「夜」

無事に3日間の個展を終えられたことにまず開放感を感じた。好きでやってたことだけど、それなりの責任があり、それなりに大変だと改めて思った。

そして、ここには記せないほど多くの思い出と出会いと感情が生まれた。自分の作品や運営をやっていることを褒めてくれたのもすごく嬉しかった。
その中でも、やりがいを感じたのは、「俺も作品作ってみたくなった」「私も運営やってみたい!」「あの人と出会えてよかった!」などの声を聞いた時だった。

やはり私は、
同志が集まり自己表現する環境を創生することで、より多くの人がチャレンジするきっかけを作る
これが本当にやりたいことだと確信した。

またこの経験を通して、
自分が得意なこと・不得意なことを再認識することができた。
私は、他の出品メンバーより絵やアートの才能はない。それがはっきりと分かった。でもその分、イベントをマネジメントしたり、外に発信していく力はあると思う、むしろそれをやりたい。(でも自分が絵を描けるに越したことはないから、そっちも努力はしたい)

いわゆるアーティストとプロデューサーの関係なのかなと思ったりもした。

表参道という大都会で、こんな学生が個展を開催できる機会はもう二度とないかもしれない。そのくらい貴重な経験をさせてもらった。
もっとできた部分はあったと思うし、後悔も少しある。でも、経験から得られたことも大きい。だから、総じてやってよかった。

忙しい中、作品を作って会場を素敵な空間にしてくれた出品メンバー、そしてわざわざ足を運んで見にきてくれた方々、陰で支えてくれた全ての人にありがとうって伝えたい。

そして、ちょっと休んだらまたやりたいな!

個展会場(正面)







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?