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創作へのアプローチ:神,幽霊,宝くじの信じ方

じつはタイから帰国した4日後に短編演劇と短編戯曲のコンペティションとその講評会を拝見して、自分の書きかた(テーマを定めることなく、むしろ複数のテーマをつなげられるだけつなげるようにして、思いつくことを思いつくままに書く)の方法を見直す必要があるかな、と反省していた。

テーマをひとつに定め、わかりやすくそれを作品中で提示したほうが入賞の確率は高い、ということがわかったからだ。

もちろん、入賞することだけが価値ではない。僕はつねに書く喜び、それ自体を追求している。個人創作家であればそんなマインドのままでいい。けれど、集団創作を継続するには、ときに合理的な判断(経営的な視点で)を下さなければいけない。すなわち、狙って賞を獲りにいく必要がある、ということだ。審査員からの講評を聞いたあと、僕は、傾向と対策を練らないといけないな、と考えていた。路地の入り組んだところにある台湾料理屋でビールを飲みながら、あつあつの餃子を待ちながら、アヒルの舌を食べていた僕は自分の舌を巻いていた。賞を獲りにいくということはテスト勉強をすることとほとんど同じことで。傾向と対策を練り、その通りの作品を提出することができれば、受賞の確率は格段に上がるだろう。

「まずはそうやって求められるものをつくって、人に認められてから、自分の好きなものを好きなようにつくっていくのがいいと思います」

僕は頷いた。ほんとうにその通りだと思った。

そのときは。でも、今は違う。これはつまらない反抗心であるとか、そういうわけじゃなくて、僕はChatGPTをつかい続けて、それに関する情報ニュースを仕入れ続けて、自分なりの予測を立ててみた。僕は神も幽霊も信じない。それから宝くじのことも、信じていない。信じられるのは情報だけ。僕の心を揺さぶろうとする情報だけ。

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