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オリンピアの歴史を変えたドーピング 〜成長ホルモン〜(3000字図解あり)

1. はじめに


成長ホルモンは191個のアミノ酸からなるペプチドホルモンです。
「早く寝ないと大きくなれないよ」
皆さん小さい頃に一度は言われた事があると思います。実際に成長期の睡眠時間が短いと発育が遅れる傾向にあると言う事は報告されています。成長ホルモンはその名の通り体のありとあらゆる器官の「成長」に関与します。その作用は身長、体重だけでなく、筋肉にも例外なく作用し、ボディビルダーが行うドーピングとしても古くから利用され続けています。1980年代から成長ホルモンがドーピングとして乱用される様になりその頃からオリンピアトップビルダーの仕上がり重量は10kg以上増加したと言われています。そしてこの頃のオリンピアからいわゆる「バブルガット」という膨れたお腹が見られるようになりました。
 成長ホルモンは直接的に筋肥大を引き起こしません。以前のnoteで書いた様に「IGF-1」という物質の分泌を促進する事によって筋肥大を引き起こします。
 このnoteではなぜ成長ホルモンが長くドーピングとして利用されてきたのか専門的な知見も踏まえて解説していきます。このnoteは成長ホルモンによるドーピングを促進するのではなく正しい知識をつけて頂くために執筆しています。


2. 成長ホルモンが筋肥大を起こす仕組み


1章でも説明した様に成長ホルモンはIGF−1の分泌を促すことによって筋肥大を引き起こします。「成長ホルモンは筋肥大に全く関係ない」という様な記事が増えてきましたがそれは全くの嘘です。成長ホルモンは肝臓にIGF−1の分泌を促進し筋肥大を促進します。成長ホルモンを摂取してからIGF―1を介して筋肥大を起こす仕組みを以下に示します。

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