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詩を描きます。たまに絵も描きます。中華圏や東南アジアの文化が好きです。 よろしくお願い…

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詩を描きます。たまに絵も描きます。中華圏や東南アジアの文化が好きです。 よろしくお願いします。

マガジン

  • エンターテイナー・ストリート

    • 5,166本

    甘野充プロデュースの共同運営マガジン「エンターテイナー・ストリート」です。  共同運営マガジンは、みんなで作るマガジンです。  小説、詩、エッセイ、絵、音楽、動画など、想像力と創造力あふれるアートやエンターテイメント作品をnoteで公開している人たちが集まって、作品を披露する場となります。  参加すると、自分の記事を共同運営マガジンに追加することができるようになります。  たくさんの人に自分の作品を読んでもらえるチャンスです。  参加費は無料です。  参加希望の方はトップ記事へコメントお願いします。 ルールは以下です。 ・投稿は自分の記事だけにしてください。 ・投稿は当日投稿の記事のみにしてください。  (過去記事は投稿しないでください) ・タイトル、タイトル画像、説明文は変更しないでください。 ※ 創作と関係のない記事は削除しますのでご了承のほどお願いします。 甘野充

  • 歌詞集

    ここでは詩のなかでも歌詞っぽいものをまとめています。

  • 京都 大阪に想いを馳せる

    京都、大阪に住んでいた頃を思い出したい時に見るマガジンです。京都、大阪にまつわる写真や文章でいいなと思った記事をまとめました。

最近の記事

  • 固定された記事

ジェリーフィッシュ

君はただ浮かぶ月 とても繊細な仕草が 僕は好きだよ ねぇ、もっとそばで 眺めていたいな どうして?そんな風に 誰が笑うというのだろう だから恥ずかしがらないで さぁ宙に舞うよ、僕らは 腕時計しか動かせないけど それでも一度だって 不幸だなんて思わなかった さぁ宙に舞うよ、僕らは 躊躇う時間が長くても 大丈夫、いつまでも 涙ばかりじゃないから 荒波にさらわれても ずっと泳いでいたいな そんなわがままも僕は好きだよ さぁ、僕らは浮かぶ月 本物にはなれないけど それでもい

    • シガレットキス

      春が来ると思い出す 翼の生えた三毛猫のタトゥー ブロンドの長い髪 古びた木の匂いがする書店 売れそうにない本を片手に 机に足を乗せていた 神を恐れない僕の 憧れのマリア シガレットキス 黒い人魚のパッケージ ルージュの跡に込められた 想いは人工的な甘苦さ シガレットキス 背伸びして無理にアンサー 洋書の話題なんて まるで頭にないのに さよならの後の静けさが 薄明かりの背中と重なる 少しだけ湿気ていた ヒスガールのTシャツ シガレットキス 陽の当たらない青春 合わせ鏡の

      • 青春の影

        二度とは戻れない青春 黄金色の扉から見える 夕陽に照らされた教室と 黒板に描かれた相合傘 グラウンドの隅で咲く花 誰にも気に留められずに きっと私もあの花と同じね あなたの物語の片隅で 名前も忘れられているの 孤独との対話の中で 失われていったもの 一番大事な宝物と あの頃、呼んでいたもの 沢山、恋はしたけれど どれも夢中にはなれなかった 後悔ばかりを経験したから? 傷つく心を恐れていた 孤独との対話の中で 失われていったもの お金では買えない思い出と 輝いていたあの

        • 小さなエトワール

          ねぇ、様子はどうだい? 担ぎ上げられた空よりも 自由でいられるのは とても幸せな時間だろう? ねぇ、燻ったこの胸の想いも 今なら嫌でも許されそうだよ 君と同じ泣き虫の空なら ヒヤシンスが枯れる頃に 君に会いに行くよ 正しさばかりが勝つ世界は とても息が詰まるから 黒い翼をはためかせて 深く潜っていくんだ ステレオタイプのユートピアに さよならを告げたら 不敵な笑みを浮かべて 悪い夢を見せてあげよう 嘴のついた爬虫類に 説教をするのもいいかな 永遠に燃え続ける太陽と

        • 固定された記事

        ジェリーフィッシュ

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          5本

        記事

          火炎舞踏会

          永遠に焼かれる業火の中で 高らかに笑う誰かがいる 燃える身体など気に留めず 素顔を覆い隠している 炎に焦げる痛みすら 楽しんでいるかのよう 優雅に飛び廻る 赤銅のマスカレイド 記憶を失い、這い上がる 術を忘れても 煤けた心を躍らせる 狂おしいほどのカリスマ マスカレイド… 両手を広げ、物憂げに俯き 口ずさむ天使のメロディー 彼を知る者はいない 嗚呼、マスカレイド… 埃積もった開かずの部屋 灰になっては蘇る、 フレスコ画の幻影よ

          火炎舞踏会

          水の声が聞こえない(朗読詩)

          あの頃、君はずっと 流れる川を見つめていたね 白い水飛沫が跳ねるたび 怯えながら覗き込んでいた 気まぐれに沈む木の葉に きっと君は嫉妬してた せせらぎの音に 耳を澄ましては 泡沫に憧れていたんだね いつだったか、君は 川の水面を指差して 口癖のように、呟いていたね 本当に怖かったんだ 本当に、本当に 石を探すふりをしていた僕も 本当は透明な水になりたかった 月を映す鏡のような 形のないものになりたかった だけど僕には水の声が聞こえない 水道の蛇口を捻っても 金属の軋む

          水の声が聞こえない(朗読詩)

          少女にも満たない椿

          視界の悪い雨の夜は 頭痛が止まりません 虫の知らせを無視できません 現場検証ゾーンは立入禁止区域 黄色いテープは縄張りの証です 何人たりとも通さない その鉄壁の精神 ご立派ですが、 誰が中にいるか、 もう知っているのです 嗚呼、 あの日、さよならを告げた あなたの横顔を思い出せないで 、いま、もがいているのです 握りしめていた綻びの種 ランタンの火に焚べたら すぐに消えてしまいそうです 冷たくなった白い指先が 光にあたれば 現実のブツになるそうです 気まぐれ、夕立

          少女にも満たない椿

          冬の校舎

          昨日の雪が溶けかけて 霜柱にならずに凍りついた地面 今なら簡単だねと キミは息を弾ませた モラトリアム最中の 僕らの花は短い パステルカラーの思い出に 塗りつぶされないように 鼻を膨らませる あっけなく、忍び込んだ 冬の校舎は白い息が 邪魔になるけど 響いている僕らの音 その一瞬だけでも 切り取りたいよ 非常口の緑の下 安心するねとキミは言う 若者は大志を抱けだの 恋をせよと言うけれど 今はこれでいい、その方がいい あっけなく、忍び込んだ 冬の校舎はもうなくなるけど

          冬の校舎

          シャボン玉

          真夜中の駅の改札の前 ポツンとベンチに座る 静まり返った改札口から やってくるはずのない まぼろしを待ち続けている ずっと変わらない心で 何気ない会話で満たされたいの 震える唇を噛み締めて 悴んだ手を温めている あなたはシャボン玉 知らない間に弾けて消えた あなたはシャボン玉 束の間の空に浮かぶ あどけなさがどこか似てる コンビニの前で集まる 若者たちの笑い声 がらんとした空洞の中では 自分が自分でいられなくなる 気づかないフリをして微笑んだ 優しい嘘だと知っていても

          シャボン玉

          前略、旅行手記

          前略、旅行手記 前略、父さん、母さん 僕は旅に出る事に決めました 行き先は未定、終わりも未定の あてのない旅行となりそうです 自動車は維持費が大変ですから 移動は自転車です バイクはバッテリーが上がってました 嗚呼、幸先が悪いなんて言わないで これでも僕は真面目に生きてきたのです 湯の花があちこちに咲いています 硫黄の匂いにつられて買った卵は とても香ばしい香りです 地元ではこれくらいしか売るものが ないと言っていたけど そんなの母親と一緒じゃないか! 鼻先を膨らまし

          前略、旅行手記

          突然ですが、告知です。

          【文学フリマ京都8に出店します!】 🗓1/14(日) 11:00〜16:00開催! 📍京都市勧業館「みやこめっせ」1F 第二展示場ABCD面 ✅入場無料 📘文学フリマとは?→bunfree.net/attend/ 📕イベント詳細→ bunfree.net/event/kyoto08/ #文学フリマ京都 一応こんなイベントが京都であるよってことで、興味のある方は来てみてはいかがでしょうか? いろんなジャンルの作家さんや個性的なクリエイターさんがいて、行ったら楽しいのではない

          突然ですが、告知です。

          overdose

          「真っ暗な闇よ どうかアタシの話を 聞いておくれ」 嗚呼、あの人だ、今日もまた 同じ言葉を繰り返してる 「張り裂けそうな心を 繋ぎ止めていた小さな命 その命さえ奪う権利は 神様にあるのかい?」 亡骸を背負い歩き 石段をゆっくりと上がる 重くなりすぎた足取りは 静かに立ち止まる あの人は社の前で 強張る体にムチを打ち 頭から冷たい水を あたり一面に広がる 悲しみを身にまとう 「誰かこの手に救いを 抱きしめて温もりを この子に与えてあげて 人としての優しさを」 嗚咽混じ

          overdose

          ご近所の七不思議(エッセイ)

          これは自分の父親から聞かされた話。 自分の祖父は昔から色々な商売に首を突っ込む癖があり、その頃は金持ち相手に錦鯉を仕入れて販売するんだと息巻いて、商売をしていたそう。 そんなある日、神奈川県全域で大雨が降り、近所にあった鶴見川が氾濫し、辺り一体が水で埋まったそうな。 最近だと鬼怒川の氾濫をイメージしたら分かりやすいかもしれない。 今でこそ大人しい川の代表格みたいな顔をしている鶴見川だが、その頃は堤防も低く、しょっちゅう氾濫していた。 もちろん、氾濫の被害は我が家も例

          ご近所の七不思議(エッセイ)

          常夏の楽園(エッセイ)

          上司がタイのプーケット島へ旅行へ行ったときに、ツアーガイドのプラヤさん(仮名)という方に案内してもらった。 プラヤさんは昼はツアーガイドとして8時から20時まで働き、その後はタクシー運転手として21時から5時まで働いていると言う。 睡眠時間は実質2時間ぐらい。 上司はそんな生活で大丈夫なのか?と心配するが、プラヤさんは今のこの生活が楽しいから平気だと笑う。 家族のために頑張って稼ぐと熱く語る彼の目はとても真っ直ぐで誠実さを感じたが、その一方で、何だかギラギラしていて、その

          常夏の楽園(エッセイ)

          ナインプラザ

          常夏の太陽が支配するこの街は ギラつく視線で客を取る 新宿二丁目のネオン街よりも 渦巻く欲望はタチが悪い ありのまま生きていれば 根こそぎ奪われ、捨てられる 淡い感情の成れの果てを この目で見てきた、 まるで鳥獣戯画 ショッキングピンクなルージュに 導かれていく僕はしがない夏の虫 パッション溢れた楽園に 現実逃避かまして嗚呼… アバンチュール 株が暴落しても 虹色の雨が降ろうと ここだけは同じ時を刻むよ ナインプラザ ほったて小屋では毎晩、 秘密の会議が行われる 誰

          ナインプラザ

          精神の窓

           雲の隙間から覗き込む光  氷が溶けきったぬるいコーヒー  テーブルには君が描いた  作りかけの似顔絵    雨上がりの匂い  落ち葉の風に運ばれて  あの日のまま  止まった午後二時の時計  割れたガラスはもう直したけど    変わらない世界が  いつでもここにあったらなんて妄想  願うだけ無駄なのでしょうか?  虫籠越しに眺めていたいけど  あまりにも時の流れが速すぎて    ハンガーにもかけられず  脱ぎ捨てられた服、  紙クズ、糸クズが  渦を巻きはじめる    夜な

          精神の窓