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脂肪吸引の歴史 〜世界初症例の悲惨な死からシリンジ法まで〜

Xクリニック銀座院 吉田有希


脂肪吸引は今でこそ世界で最も行われているメジャーな手術ですが、この地位を得るまでに、とても紆余曲折のあった施術です。

今回はこの「脂肪吸引」の歴史について、少し紹介します。

※文献により、世界初の記載や年月日の記載にずれがあります。完全に正確ではない可能性がありますが、ご了承ください。

世界初の脂肪吸引は初の訴訟に

Charles Dujarier(1870-1931)

1926年 フランスの一般外科医でサンアントニン病院の外科チーフであった、シャルル・デュジャリエが、プロのダンサー・モデルの足を細くしたいという願いを叶えるため、脂肪と余分な皮膚を切除する手術を行ないました。

この手術が美容目的に行う、世界初の脂肪除去の手術でした。

手術中、大腿動脈を傷つけてしまい大出血をきたし、さらに皮膚を切りすぎて傷が閉じず、無理やり縫合したことにより創部が壊死し感染、皮下組織全体へ広がる感染(蜂窩織炎)へと悪化してしまいました。

最後には足を切断して救命を試みたようですが、不幸にも亡くなってしまいました

この手術は、形成外科の歴史で初めての訴訟となり、賠償金は20万フラン(現在の価値で約2億円)と高額で、この訴訟により、その後の美容整形手術が実質非合法化されてしまったのことです。

脂肪吸引暗黒期

その後50年にわたる、脂肪吸引暗黒時代を迎え、先陣を切ったフランスでは先の訴訟により脂肪吸引が行われなくなってしまいました。

暗黒期の明けと近代の脂肪除去術

近代の脂肪吸引(除去)の幕開けは1972年です。

この年、ドイツの外科医、Schruddeが子宮を掻爬する器具で脂肪の除去を行ない発表しました。1976年には、Kesselring と Mayerがハサミで皮下脂肪をあらかじめ切り、その後に先端に刃がついたキュレットを装着した吸引機を用いて吸引する方法を発表しました。

この時代の方法は、シャープテクニック(鋭的切除)と呼ばれ、血管と共に脂肪を「切り取る」ため、出血が問題でした。そのため、出血が増加する広範囲の手術や、出血量が多くなる部位への手術ができない問題があります。

組織の損傷を抑えることに成功した脂肪吸引

Dr.Giorgio Fischer
https://internationalboardofcosmeticsurgery.com.co/dr-giorgio-fischer-2/

1975年にアルパット&ジョルジオ・フィッシャー(イタリアの外科医の親子)が先端が丸いカニューレ(吸引管)を開発し、複数の傷穴から術野をクロスして吸引する方法(クリスクロス法)を組み合わせた近代的な脂肪吸引法を発表しました。

先端が丸くなっているカニューレは、血管や神経を傷つけるリスクを減らし、これにより組織損傷を抑えて脂肪吸引をすることが可能になります。

国境なき医師団創設者によるウエット法

1982年、国境なき医師団の共同創設者であるフランスの医師、イブ・ジェラール・イルーズが、生理食塩水とヒアルロニダーゼを混合した液体を大量に撒いて、あらかじめ周りの組織から脂肪を剥がし(ハイドロダイセクション)てから吸う「ウエット法」を考案しました。


さらに自身で開発した、先端が丸いカニューレを組み合わせて(図1)スイスチーズのように脂肪を吸う「スイスチーズテクニック」(図2)で組織の損傷を減らすことに成功しました。

fig.1  Yves-Gerard Illouz, liposuction- the evolution of tge classical technique :pmfa news april/may 2014 vol,1 no,4
fig.2  Yves-Gerard Illouz, liposuction- the evolution of tge classical technique :pmfa news april/may 2014 vol,1 no,4


チュメセント法の開発

Dr.Jeffrey Klein
https://kleinlipo.com/staff/dr-jeffrey-klein/

1987年、ジェフリー・クライン(アメリカの皮膚科医)が、ウエット法を発展させ、出血量を抑えて局所麻酔の日帰りを実現したチュメセント法を考案しました。

チュメセント(Tumescent)とは膨張させるという意味の英語です。
麻酔液と血管収縮液、pH調整剤で構成されたこの液体を、組織内に大量に注入して膨張させ、組織内の血管を膨張圧で圧迫することで、出血が減り、一緒に混ぜた局所麻酔の吸収を抑えて中毒のリスクを減らすことができます。

この方法は、脂肪吸引を局所麻酔下・日帰りで行うことを可能とする、とても画期的な方法でした。

現在のボディの脂肪吸引は、このクラインのチュメセント液を利用して行われています。

シリンジ法は古い?

最初に考案された脂肪吸引は、吸引機に繋いで掃除機のように行う脂肪吸引でしたが、1988年にルイズ・トレド(ブラジルの外科医)が、使い捨てシリンジを用いて脂肪を吸引する方法を考案しました。シリンジを引いたことによる陰圧を利用するこの方法は、コストが低く、吸引圧がマイルドで体に優しく、吸引機の太いチューブに繋がらないので腕の動きが自由になり、脂肪吸引手術がよりシンプルに行えるようになりました。

シリンジは正確な麻酔注入量と脂肪の吸引量を知ることができ、左右対称に整えるのに役に立つため、現在でもあえてシリンジ法を選択する医師が現在でもいます。より良い方法が有れば、古い方法は淘汰されていきます。それでも残っている方法は、なんらかのメリットがあるからですね。

脂肪吸引のデバイスの開発

脂肪吸引の方法が固まってくると、より効率的に、よりダウンタイムが少なくするためのデバイスが考案されていきます。

いま現在、超音波、レーザー、高周波などを利用した脂肪吸引デバイスが使用されていますが、これはまたの機会にお話ししたいと思います。


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