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「独りでいる事」と「孤独」の違い

僕は基本的に一人でいるのが好きだ。好きな事が出来るし、誰にも気を遣わず、自分のタイミングで自分のしたい事が出来る。

それに他人に干渉されずに済むし、僕にとってはこんなに最高な時間はない。

僕と同じ考え方の人もたくさんいるはずだ。特に「内向性」が高い人は人との交流や社会的刺激を求めないため、一人でいる事を好む傾向にある。

しかし、それを「孤独」だと思う人もいるだろう。

ここで大切なのは、いつも1人でいる人が本当に孤独なのか、本当に寂しいのか、という事である。

哲学者アルトゥル・ショーペンハウアーによると、一人でいる事と孤独は全くの別物であり、「一人でいる=孤独」ではないと述べている。

その違いを簡単に述べると、普段から一人でいる人は独りでいる事を好む傾向に多い。本を読んだり散歩をしたい、瞑想をしたり、する事は様々だが、何しか一人でいる事を好み楽しんでいる人が多い。

その一方で孤独は強い寂しさを伴う。

決して好んで一人でいるわけではなく、望むことならだれかといたい、出来る事なら一人ではいたくないと思っているのが孤独である。

ショーペンハウアーをはじめ、多くの哲学者が「自分の事を知るためには独りの時間が必要だ」と述べている。

ショーペンハウアーは「独りを愛さない者は自由を愛さないのと同じである」とまで述べている。

現代では、いつでも誰とでも気軽に連絡が取れ、会うことが出来るようになった。

そのせいで一人での時間を過ごす人は圧倒的に減っている。

しかし、他人と関わっている時間というのは決して本来の自分ではない。

「こう見せたい」「こう見られたい」という気持ちから偽りの自分を作り、社会に向けた自分を作り上げる。カール・ユングはこの偽りの自分をペルソナと名付けた。

そして、人がペルソナという仮面を外し、本来の自分になるのは独りでいる時だけである。

1人の時間を作り、本来の自分を見つめない事には本当の自分を知る事は出来ない。

自分の事を知らない状態では、どれだけ他人の事を見ても他人の事は分からない。

相手の事が分からなければ、相手の顔色を伺い、相手に合わせ、幸せなように見えて実は偽りの自分で窮屈な思いをする事になる。決して、自由とは言えない。

だから、一人の時間を愛せない者は自由を愛せないのである。

仕事、人間関係、恋愛など全てにおいてまず大切なのは、自分を見つめ自分を知る事に始まる。

人は自分が思っている以上に自分の事を知らない。

その根拠に、「あなたにとっての幸せはなにか?」と聞かれて、即座に答えれる人はまぁ少ない。

なのに、「幸せになりたい」という。これではどうなりたいのか誰にも分からない。

もし、あなたが孤独を恐れ、一人でいる事を避けているのだとしたら、一度一人の時間を取ってみるといいだろう。

おそらく自分が、自分の事について何も知らない事に気づくだろう。

「独りでいる事」と「孤独」の違い。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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