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ア・ソング・フロム・アンダー・ザ・フロアボーズ/自分の中の輝き

Magazine - A Song From Under The Floorboards

★★★

おそらく私が3歳ぐらいの時、どこに行ったのかは覚えていないが母に連れられお出かけをした。小さい頃、洋裁が得意な母はよく私のために服を縫ってくれた。その日着ていた服も母の手作りだった。淡い色のシンプルなデザインのワンピース。

記憶違いでなければちょっと厚めで、ウールと化繊の混紡のような生地だった。少し毛羽だったその生地は幼い私の柔らかい皮膚をチクチクと刺激した。

大丈夫な時は何も感じないのだが、一度モードに入ってしまうとなかなか治まらず背中がムズムズ痒くてたまらない。「痒い、痒い、」電車の中で私は身体をもじりながら母に訴え続ける。

むずかる私に母は困ってしまったんだろう。

「静かにしなさい。他の人だってみんな痒いのを我慢しているのよ!」

ということを母は言ったと思う。今考えればそんなテキトーなこと言うなよ、って思うが(笑)

私は電車の中を見回した。車内の大人たちは皆静かだ。私は思った。あの背広を着たおじさんもあの女の人も本当は痒いのを我慢しているの?

記憶はここまで。

★★★

I am angry, I am ill and I'm as ugly as sin
僕は怒っている、僕は病気だ、そして罪深いほどに醜い
My irritability keeps me alive and kicking
苛立ちが僕を生かし続ける
I know the meaning of life, it doesn't help me a bit
生きる意味を知っていても、何の役にも立ちやしない
I know beauty and I know a good thing when I see it
美しいものを見極める目は持っているさ

This is a song from under the floorboards
これは床下からの歌
This is a song from where the wall is cracked
これは壁のひび割れからの歌
My force of habit, I am an insect
いつもの癖さ、僕は虫けら
I have to confess I'm proud as hell of that fact
実のところ、僕はそのことに誇りをもっている

I know the highest and the best
最高と最良のものは知っている
I accord them all due respect
それらに敬意を表するよ
But the brightest jewel inside of me
でも僕の中の一番輝く宝石は
Glows with pleasure at my own stupidity
自分の愚かさにこそ喜び光る

This is a song from under the floorboards
これは床下からの歌
This is a song from where the wall is cracked
これは壁のひび割れからの歌
My force of habit, I am an insect
いつもの癖さ、僕は虫けら
I have to confess I'm proud as hell of that fact
実のところ、僕はそのことに誇りをもっている

Used to make phantoms I could later chase
以前は後から追うことができる幻想を作り出し
Images of all that could be desired
望むものすべてをイメージした
Then I got tired of counting all of these blessings
そして、それらの恩恵を数えるのにうんざりしてしまった
And then I just got tired
そう、ただ疲れてしまったのさ

This is a song from under the floorboards
これは床下からの歌
This is a song from where the wall is cracked
これは壁のひび割れからの歌
My force of habit, I am an insect
いつもの癖さ、僕は虫けら
I have to confess I'm proud as hell of that fact
実のところ、僕はそのことに誇りをもっている

This is a song from under the floorboards
これは床下からの歌
This is a song from where the wall is cracked
これは壁のひび割れからの歌
My force of habit, I am an insect
いつもの癖さ、僕は虫けら
I have to confess I'm proud as hell of that fact
実のところ、僕はそのことに誇りをもっている

ソングライター: Barry Adamson / David Tomlinson / Howard Devoto / John E Doyle / John Mc Geogh
ア・ソング・フロム・アンダー・ザ・フロアーボーズ 歌詞 © BMG Rights Management, Universal Music Publishing Group

★★★

マガジンとの出会いは二十歳前後の頃バイトしていたレンタルレコード屋。

その時の店長が元ヒッピーのちょっと面白い人で、フールズメイトやロッキングオンなどの音楽雑誌のレヴューを参考にあまり借りられそうもないような、でも私好みのパンク&ニューウェイヴ系のマイナーなバンドのレコードを何枚も独断で仕入れていた。

店にはレコードプレーヤーもカセットデッキもありダビングし放題。私にとっては天国だった。ここぞとばかりに気になるレコードはバイト中にカセットテープに録音して持ち帰ったので私の部屋は大量のカセットが溢れた。

たくさんあるカセットの中でも聴くものはだいたい決まってくる。バンドのことはよく知らなかったが曲が素晴らしくカッコよく、ハマった。ダビングしたままほとんど聴かずのカセットも多い中、マガジンは繰り返し聴いた。

ここのところ何度も脳内で1980年の曲 ”A Song From Under The Floorboards” のメロディーが浮かぶ。ずっと長いこと聴いていなかったのに。

★★★

最近アトピーが再発した。

小さい頃はアトピーではなかったが、夏の暑い時期などに汗疹など湿疹が出やすい体質ではあった。昔はアトピーなんて病名なかったし。

アトピーを発症したのは40代になってから。それまでの食生活や生活習慣に加え、その頃していた仕事のストレスなのだろう、で、コップの水が溢れ出した。

何年か痒みに苦しんだ後、あるブログから得た情報でセラミドのサプリメントを1年ほど飲んだ。アトピーの人は体内のセラミドが少ないらしい。好転反応は辛かったがその時はそれで完治。…したと思っていた。

今年4月頃、マグネシウム補給のため去年から首の後ろにスプレーしていた塩化マグネシウムを腕にも塗るようにした。血行が悪いせいでいつも冷たい私の腕が少しは良くなるかと思って。しかしそれが刺激となってアトピーがぶり返してしまった。

好転反応だろうが痒みがひどい。腕が湿疹だらけになった。背中もチクチクとむず痒い。見た目があまりに汚いので南国の暑さの中、外出時はしばらく長袖を着なければならなかった。

痒いのは辛かったが、痒み止めの薬やにがりを塗りながらなんとか耐えた。前回の経験から湿疹は毒が出切ってしまえば治るとわかっていたから。

6月の終わり頃から8月中旬まではほぼ毎日クンダリーニヨガのデトックスワークをしていた。アトピーで苦しい時にデトックスワークのワークショップがあったのは良いタイミングだった。早くこの痒みから抜け出したいと思った。

ヨガワークを始めてすぐに思い出したのは冒頭の幼い時の記憶。まだ幼児の時のあの出来事を私はなぜか忘れることなく鮮明に覚えていた。

あの時の母の言葉。

母に言われた言葉が、幼い私の中に入り込んでいた。私は我慢しなければいけないと思った。今感じている不快な感情は出してはいけないのだと。

自分は感情の起伏が少なく自己主張をしない子だった。少しの不満であれば我慢した。言いにくい言葉は飲み込んだ。嫌な出来事は自分の中に押し込め蓋をした。その癖は大人になるまでに強固なものになった。

ずっと自分が嫌いだった。内向的な自分の性格への強い劣等感。人と比べ、自分の足りないところを数えながら生きていたので自分には何の価値もないと感じていた。

押し込め溜め込まれたエネルギーは行き場を無くし、長い間私の中に留まっていたが、いつしか毛穴から漏れ出すようになった。アトピーの猛烈な痒みとなって。

その痒みは「もうこれ以上自分に嘘をつくことはできない。そろそろ自分をその呪縛から解放しろ」というカラダからのメッセージなのだろう。

今回再発したアトピーの痒みは前回のものよりもずっと奥深くヘドロのようになってへばりついていた、幼い私が押し込めていた感情と言葉が変化したもののようだ。

この痒みを出し切ってしまえば私は自分を縛っていた鎖から自由になれるような氣がした。

デトックスのワークを始めてからは痒みが酷くなり辛かった。排毒が加速した。腕の湿疹は、胸、背中、腹、臀部へと移動を続け、肌が赤黒く変色した。それでも8月に入るとだんだん痒みを感じることが少なくなり、それと同時に自分の中でも変化を感じた。

私は物を作るのが好きだ。海外に住んでいることもあり、日本に居たら多分自作はしないであろう納豆や味噌、最近では麹なども手作りするようになった。そして時々その作ったものをインスタグラムのアカウントにアップしていた。

ある日の投稿のひとつに在住フォロワーさんからコメントがついた。
「何でもやるんですね、すご~い」

これまでの私だったら「褒められれば嬉しいけどこんなのたいしたことじゃない」って思っていただろう。でもなんかその時は「あれ?私ってもしかしてすごいのかも?」って思った。

当たり前にやってきたことだった。でもそれは他人から見れば特別なことだったのだろうか。私ってすごい。そう考えるとなんだかワクワクした。そして自分を一番認めてこなかったのは私自身だったのだと改めて思った。

40日間のデトックスのワークが終盤に差し掛かったある朝、私の中で言葉が聞こえた。

「そのままでいい」

私は私でしかない。何かを変える必要なんてなく我慢する必要もない。良いところも悪いところも私自身なのだからこのままで素晴らしい存在なのだと認めてあげよう。そう思ったら私の中で何かが溶け、ふわっとカラダの力が抜け涙が溢れる。

クンダリーニヨガを始めてあと数か月で3年になる。今まで頑張って続けてきたのは変化した新しい自分を感じられるのが嬉しかったからだし、もっと変化していく自分を見てみたかった。

でも実のところ私はヨガを始めたあの頃から、それどころか生まれてから私は何ひとつ変ないわっていないのだと思う。今まで外に向けていた目を内側に向けられるようになっただけ。ただ私が自分の中に輝きを見いだせるようになっただけだ。

私が心の底から望んでいるのは、どんな自分でも赦し、愛せるようになること。たとえ何の役にも立たない虫けらのような存在だったとしても。

周囲の目を気にしすぎる私だったけれど、「嫌われても構わない」そう考えられるようになったら今までより自分らしさを出せるようになった。誰も私の事なんて大して氣にしちゃいない。無理に社交的になんかならなくていいし自分の性格を恥じる必要もなく、むしろそれが自分の魅力なんだと。

苦しかったのは「今より優れている自分」になりたかったから。それは私のようであって私ではない別の存在だ。目指すべきなのは今の自分をありのままに認めてあげられる人になること。そんなことに氣がつくまで何十年もかかった。

私だけの歌を、奏でて生きたい。これから。

やっと見つけた小さな宝石を磨きながら。


★★★

マガジンのこの曲 ”A Song From Under The Floorboards" を大好きなモリッシーがカヴァーして歌っているのが嬉しい。オリジナルのハワード・ディヴォートに比べスマートな歌いっぷり。モリ版はオリジナルの歌詞をほんの少し変えて歌っている。

この曲における「床下」とは第1~第3チャクラのこと。下半身のチャクラはトラウマやネガティブな感情を溜めがちで弱くなると自己の確立が困難になり生きづらさを感じる。「壁のひび割れ」は肌の毛穴のことだろう(当社調べ)。我慢は皮下に溜まるらしい。

ちなみに私はThe Smiths の超名曲 ”There Is a Light That Never Goes Out (決して消えることのない光)” とは、私たちの中にある光、輝き、自分の本質のこと、 マガジンのこの曲で歌われている ”the brightest jewel inside of me(自分中の一番輝く宝石)” と同じものだと思う。

本質である光は消えることはない。そして光はいつか溢れ出す。

↓ 床下からの歌モリッシーヴァージョン
Morrissey - A Song From Under The Floorboards

↓ 消えない光。和訳動画あった。
The Smiths - There Is a Light That Never Goes Out

↓ そして光が溢れ出す 
Magazine - The light pours out of me

★★★

アトピーが出てから、というか元々の性格なんだけどさらに人とのコミュニケーションが億劫になっていた。noteの記事も書けず、この記事は6月に書き始めたものの放置。最近になってやっと書きたい氣もちが出てきたので続きを書き出した。

9月になった今痒みはほぼ治まり、肌の色も戻りすっかり良くなった。もうこれで最後であってほしい。痒いのは本当に辛かった。

もしどなたかの参考になればと思って今回アトピー改善のためにしたことを書き留めておきます。

クンダリーニヨガのデトックスワーク(内分泌の働きを高めるヨガ)朝40分~1時間を(時々休みを挟みながら)40日間。クンダリーニヨガでは
40日間同じクリヤを続けると潜在意識が書き換わると言われている。

キルタンクリヤ(破壊と再生のマントラメディテーション)

塩療法(天然塩を飲む&肌に塗る)twitter @Daisuke_F369 ダイスケさんのツイートがめちゃ参考になった。湿疹のある肌に塩を塗るのはめちゃ痛くて泣いた。でもこれが効いた。

痒い時は痒み止めの薬かにがりを塗る。
治まらなければ血が出るまで搔きむしる(肌は再生するので大丈夫)

砂糖、小麦粉はなるべく摂らない(食べるとソッコー痒くなる)

朝食を摂らない(食後怠くなり痒みも出たので。続けていたら低血糖が悪化したので最近はまた軽く食べている)

↓ あとは普段からしていること、心がけていること。

マグネシウム補給。塩化マグネシウムを舌下、首の後ろに。

エプソムソルト(硫酸マグネシウム)を入れて入浴。

重曹&クエン酸水を飲む。

毎日味噌汁を飲む。

よく噛んで食べる。

足氷水。

など。アトピーは溜まっていた毒を出せば治ります。好転反応は地獄の苦しみ(笑)だけれども。

感情のデトックスがアトピーを改善したのか、身体のデトックスが感情の解放を促したのか。どっちだろうね。

Does the body rule the mind
Or does the mind rule the body?
I don't know


Spotify : 今までnoteに書いた曲をプレイリストにしています。


見出し画像:https://unsplash.com/photos/q4kNNohr9cM


3か月ぶりの投稿となりました。
最後までお読みいただきありがとうございます。





いつもありがとうございます。 世界に愛を広げていけるよう日々精進してまいります。 応援していただけると嬉しいです💛 https://note.com/purestblue/n/nabf1b9cefc7c