多久治

Twitter:@tkjWonderwall

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最近の記事

昨今のquiet luxuaryに寄せて-normcore ノームコアとはなんだったのか- ひいてはファッションの軽薄さ

元の文章は2014年にnormcore ノームコアについて書いたもので、当時軽くバズって(その時にはバズるなんてことばも今ほど市民権を得ていなかった)、yahoo!のトピックスにも取り上げられました。 最近quiet luxuaryという「ああ、またか」と思うような言葉をちらほら見かけるようになり、その構造は結局10年前のnormcoreのときと微塵も変わっていないなと思い、この記事をサルベージしようと思い立ったわけです。 リズムや使用している楽器が変わっても流れているメロ

    • ユニクロコラボと購買層

      ユニクロ×white mountaineering(以下WM)のコラボ製品を見て思ったことを書く。 先日少し時間が取れたのでようやくユニクロ×WMの製品をじっくり見てくることができた。デザインもWMらしく、海外のファストのような縫製の破綻もないきれいな仕上がりの、スケールメリットが存分に生かされた値付けがされたよい製品群だと思った(WMで同じ製品を出したら3-4倍くらいの価格になるのでは)。 だけど陳列された一群を店舗の遠くから全体像の一部分として眺めた時に生じる違和感が

      • 今まで(ほとんど)誰も書かなかった革(靴)の細かなこと

        2014年に書いた記事だけど、時々復活希望のDMが来るので再掲。RT/Fav狙い。 [緒言] レザーシューズケアの特集を組んだ雑誌や本は世の中に何冊も上梓されていて、自分でもいくつも読んでるし実際にケアもしているから、なんとなく分かった気になっていた革靴のメンテナンス。 HJLのポストマンシューズのケアをどうしようか考えたときにはたと「根本的なところが分かってないのでは?」という思いが頭をもたげた。 このポストマン、HJLオリジナルのオイルドレザーで素材はワークブー

        • 恵まれざる僕たちのためのポートレート

          服を好きになった時から今まで一貫して、コレクションのランウェイに強く惹かれたことがない。 「どこどこのブランドの2003AWは最高だった」といった発言を目にしても記憶に残っているものがほとんどない。 とても一生懸命に服を追いかけていた若いころ、ファッション通信やhigh fashion、gapなども熱心に見てたけど、今思えば単に知識とスタイリングのサンプル数を蓄えることを目的として見ていたのだった。 強く惹かれない理由はただ一つ。 あれらの服がリアルではないからだ。 あな

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          センスを養うたったひとつの方法

          俺らの生きるこの世界では「センス良く生きる」ことが至上命題みたいに扱われることがある。 SNSの発達によって、それまでありえなかった、人々にまつわる様々なもの/こと(衣食住、読んでいる本、見ている映画、交友関係etc)の可視化が起きた。 必然、その世界では選んだものの趣味が良い/悪い≒センスが良い/悪いという評価軸が以前よりも明確になった。 それはファッションやアートに限らず、生活そのもの(ライフスタイル)にも敷衍し、あらゆるものに内在する。 一見センスなどとは無縁に見

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