永月しおん

趣味で朗読をしています。 備忘録としてゆるゆると綴っていきたいと思います。

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最近の記事

4月のまとめ。

桜は散ってしまいましたが、ツツジやネモフィラなど、可愛いお花が沢山咲いて外を歩くのが楽しい季節ですね。 さて、少し遅くなってしまいましたが、4月のまとめです。 紫式部 作  与謝野晶子 訳 『源氏物語 空蝉』 空蝉は紫式部が最も自信を投影していると言われている登場人物だそうです。 横光利一 作『笑われた子』 思いがけない体験が職業選択のきっかけになったという人も多そうですよね。 宮沢賢治 作『マグノリアの木』 不思議で心地よい世界観を味わえる短編です。 太宰治

    • 宮本百合子 作『妙な子』を朗読しました。

      https://youtu.be/rkFwn_HFlwA 皆さんは、小さい頃、どんな子でしたか? わたしは理屈っぽく、幼稚園の頃にはお遊戯を「子供っぽくて嫌だ」「くだらない」と思っているような可愛げのない子でした。 ちびまる子ちゃんには非常に親近感を覚えたものです。 そんなわたしは、間違いなく「妙な子」「育てにくいお子さん」だったと思います。 人が考えなくてもできるようなことでも、一々立ち止まって考えて、納得しないと進むことができないので、「どうして一々難しく考えるの」

      • 竹久夢二 作『風』を朗読しました。

        https://youtu.be/Zbf0jXhM5C8 桜もすっかり散って、初夏を感じる日の方が増えてきました。 暖かくて爽やかな春の風が、イタズラをしながら通って行く。 『風』は、そんな微笑ましい作品です。 「春一番」というように、春は風の印象が強い気がします。 歩いているときに急に強風が吹いてきたら、つい嫌だなと思ってしまうけど、こんなふうに風が遊びながらやって来たのかな、なーんて思ってみると、少し優しい気持ちになれる気がしませんか? 最近は温暖化のせいなのか、

        • 菊池寛 作『勝負事』を朗読しました。

          https://youtu.be/jOoqP9foaUM 皆さんはギャンブルをした事、ありますか? わたしは賭け事をした事はないのですが、スマホで遊ぶパズルゲームが好きで、つい長時間遊んでしまいます。 定期的に無限ライフがプレゼントされて、止め時が見つからないんですよね。勿体ない!と思ってついつい遊んじゃう。 パズルゲームに課金はしないと決めているので、なんとか踏みとどまれている状態です。ギリギリ…! あー、沢山遊んじゃったな。この時間があれば本読み進められたのに…とか

        4月のまとめ。

          豊島与志雄 作『キンショキショキ』を朗読しました。

          https://youtu.be/NkPrQsDkwO0 キンショキショキ…キンショキショキ…。 一体何だと思いますか? 固有名詞でしょうか。それとも擬音でしょうか。 ある日村にやって来た一匹の大きな猿。器用に芸を披露して、観客から食料を貰ってどこかへ帰っていきます。 一体何者だろうと村人たちは不思議に思いますが、やがて、お爺さんと二人で各地を回っている猿であることが分かります。 この猿は、体調を崩したお爺さんをのために食料を調達し、看病していたのでした。 村の外れに

          豊島与志雄 作『キンショキショキ』を朗読しました。

          宮沢賢治 作『セロ弾きのゴーシュ』を朗読しました。

          初めて読んだ宮沢賢治作品ってなんだろう。 『注文の多い料理店』『銀河鉄道の夜』、そして『セロ弾きのゴーシュ』。 このあたりが宮沢賢治入門作品というか、まず初めに触れる作品たちじゃないかな。 わたしもこの3作品は全て小学生の低・中学年の頃に読んだ記憶があるのですが、ちょっぴり怖い『注文の多い料理店』、キラキラファンタジー作品かと思いきやシリアスな死生観が描かれている『銀河鉄道の夜』と比べると、『セロ弾きのゴーシュ』は純粋に楽しく読める児童文学なのかなと思います。 家でセロ

          宮沢賢治 作『セロ弾きのゴーシュ』を朗読しました。

          芥川龍之介 作『文章と言葉と』を朗読しました。

          https://youtu.be/KnllVk7Y-eA 作中、「神」という言葉について触れられています。 かつて人が想像する「神」は日本神話に出て来る神様たちでしたが、50年の月日は「神」のイメージをキリストに変えてしまいました。 言葉は、日々変わっていきます。 たった数年で新しい言葉が生まれ、10年もすればその当時の流行り言葉は死語と言われ…。 では、文章はどうでしょう。 わたしは、文章とはタイムカプセルのようなものだと思います。 芥川龍之介が書いた文章を、今の私た

          芥川龍之介 作『文章と言葉と』を朗読しました。

          太宰治 作『春昼』を朗読しました。

          https://youtu.be/Pzpv8ATE3Uo もうすっかり春!というか、春通り過ぎてる?という感じすらある日々ですが、皆さまお花見は行かれましたか? うららかな春の午後、満開の桜を見に散歩に出かける。 家族三人で、何気ない会話を楽しんで。 「桜に匂いはあるのか?」疑問に思って立ち止まると、匂いより先に虫の羽音が聞こえてくる。 とっても短い作品ですが、この短い中に、春の心地よさ、お花見のウキウキ感、家族と過ごす穏やかな時間…全てが感じられます。 特別なことはし

          太宰治 作『春昼』を朗読しました。

          宮沢賢治 作『マグノリアの木』を朗読しました。

          https://youtu.be/zWCFFTZ8T9U マグノリアの和名は、木蓮。 街路樹としてもよく目にする花ではないでしょうか。 派手ではないけど華やかで、木蓮が咲くと「春が来たなあ」と実感する、私も大好きなお花です。 春先にしとしと降る雨の中、木蓮の微かな香りが漂ってくる…。 そんな幻想的な風景が目に浮かぶようなこの作品。 宮沢賢治の事なので、恐らく、宗教の価値観が織り込まれているのでしょう。 仏教のようでいて、キリスト教のようでもある。 様々な教えの入り混じった

          宮沢賢治 作『マグノリアの木』を朗読しました。

          横光利一 作『笑われた子』を朗読しました。

          両親と兄姉が、毎晩自分をどの職業に就かせるか話し合っている…。 そんな窮屈な日々を送っている主人公の吉。 ある日、夢の中で不気味な顔に追いかけられたことがきっかけで、吉は憑りつかれたように、夢に出て来た顔を彫って仮面を作るようになります。 完成した仮面の出来の良さに驚いた父の一言で、吉は下駄屋になったのですが…。 こういったお話の場合、なんとなく「天啓を得た主人公が成功を掴んで幸せに暮らす」、そんなラストなのかなあと思ってしまうのですが、この物語はそう綺麗に終わりません。

          横光利一 作『笑われた子』を朗読しました。

          3月まとめ!

          あまりの速さに「いかないで…!」と縋りたくなる、そんな三月末ですが。 皆さまいかがお過ごしでしょうか。 気温の上がり下がりが激しかったり、雨が多くなったりと、「あぁ、春の準備が着々とすすんでいるんだなぁ」としみじみしてしまいますが、体調やメンタルにきている人も多いのではないでしょうか。 私もとにかく気持ちが塞ぎがちで、三月は「乗り切った」という印象が強いかもしれません。 さてさて、今月のまとめです。 太宰治 作『食通』 軽快な語り口が印象的な作品です。 食事は美味しく楽

          3月まとめ!

          夏目漱石 作『余と万年筆』を朗読しました。

          皆さんの仕事道具はなんですか? 最近はパソコンやスマホが仕事道具!っていう方も多いのかな。 立ち仕事だと、足の疲れを軽減できるよう靴に拘ったりしますよね。 美容師の方は鋏を大切にお手入れされているでしょうし、現場仕事をされていたら、電動ドリルが相棒だという方もいるでしょう。 『余と万年筆』では、題名の通り、夏目漱石が自分と万年筆について語っています。 万年筆に思い入れがない…と言いながら、軽やかにお茶目に語られる万年筆事情は、とても興味深くて面白いです。 今も根強い人気の

          夏目漱石 作『余と万年筆』を朗読しました。

          坂口安吾 作『桜の森の満開の下』を朗読しました。

          満開の桜の木の下に座って上を見上げると、自分がどこにいるのか分からないような、とても不思議な気持ちになります。 あんまり綺麗で、あんまり幻想的で、このままどこか違う世界に紛れ込んでしまいそうな。 『桜の森の満開の下』は、そんな不思議でちょっと怖い気持ちにぴったりな物語でした。 日本人は全員といってもいいくらい、必ず桜が好きなんじゃないかと思います。 普段お花の事なんて気にしなくても、桜が咲くと足を止める…そんな人も多いですよね。 我々日本人は、桜を愛することが遺伝子に組み込

          坂口安吾 作『桜の森の満開の下』を朗読しました。

          片山廣子 作『小さい芸術』を朗読しました。

          最近、手紙を書いてないなあ。そう思いました。 女性は特に、学生時代はたくさん手紙を書いていた方が多いと思います。 わたしも、ほぼ毎日、取り留めもない手紙のやり取りをしていました。ルーズリーフに、ペンやシールでデコレーションして、ちょっと可愛い折り方なんか覚えたりして。 でも大人になると、手紙を書くことってグッと減りますよね。 特に最近はSNSも発達しているので、スマホで手軽に済ませてしまう事の方が増えたなあと思います。 文章中、片山廣子は執筆当時の手紙事情を嘆いていますが

          片山廣子 作『小さい芸術』を朗読しました。

          高村光太郎 作『山の春』を朗読しました。

          少しずつ、春がやって来ました。 気温は上がったり下がったりで安定しませんが、随分お花も咲いてきて、外を歩くのが楽しくなってきましたね。 高村光太郎は東北の山の四季について描いておりますが、今回は春の山について綴られています。 私が一番驚いたのは、つららの話。 滅多に雪が積もらない地域で生まれ育った私は、つららなんてよっぽど寒い時にできるものだと思っていましたが、高村光太郎によると「ツララは極寒の頃にはあまり出来ず、春さきになって大きなのが下る」そう。 その他、調理して冬

          高村光太郎 作『山の春』を朗読しました。

          梶井基次郎 作『路上』を朗読しました。

          いつもと同じ帰り道、偶然知らない道を見つけて歩く。 普段見ない家並みを眺めたり、いつもと違う駅を使ってみたり。 行きつく先はいつもと一緒だけど、道中が違うだけで、まるで違う街を歩いているようなワクワク感がありますよね。 小さい頃、母と一緒に出掛けると、いつも「この道はどこに繋がっているの?」と思うような小道を歩いていたのを思い出しました。 母は車通りの多い道が嫌いで自然と大通りを避けていたというだけなのですが、その影響もあってか、私は知らない道を歩くのが好きになりました。

          梶井基次郎 作『路上』を朗読しました。