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【引っ越したら良かった】 #915


人として欠落しているなって思うのね
それが分かり出したのが40歳を過ぎた辺り
大嫌いな母ととても性格が似ているのだなと自覚もし始めた
母には友達は私が知る限り1人も居ない
兄妹仲も悪く付き合いが無い
祖母のお葬式で会ったのが最後でもう20年近く前だ
何処に住んでいるのかも知らない

私は仕事上の付き合いや職場の同僚
プライベートでも友人知人は程よく居た
でも40歳を過ぎた辺りで自分の人間性がおかしい事にやっと気が付いた
長い付き合いの友人か居ないのだ
常に友人と呼ばれる存在は何人か居てるけれど長続きしない
入れ替わり立ち替わりだ

多分私に問題があるのだろう
今は分かっている

だから出来るだけ友人は作らないようにしているし
出来るだけ喋らないようにしている
知人だけで充分

それでもたまにグイグイ来る人なんかが居たりする
断るのも悪いなと思いながら何度か会っていると情というのも湧いてくる
仕方なしな友人がこうして発生するけど
自分からは連絡しないし誘わない
最終的に迷惑がかかるのは相手なのたから
それを分かっていて接触するのもとうかなと思う

そんな付き合いだのなんだのが嫌になってきたので
私はリセットする事にした

住む場所も仕事も変えた
出来るだけ今の場所から遠く
過干渉をされない場所

そして考えた結果
島根か鳥取か高知のどれかにしようと思った
この3県は日本で人口の少ないワースト3だからだ
人口が少ないからあまり人に会わないで済む
そしてこの3県のもう一つの特徴は高齢者が多い事
だからグイグイ来る人も居ないし
友人になりたがる近い世代があまり居ない

貯金がそこそこあったので気分的には楽だ
3県とも四季を通じて訪れてみた
そして私が選んだのは高知県たった
他の2県の寒さが私は苦手だった

先ずはどういう所に住むのが良いのか分からなかったので高知市内の賃貸マンションに住み
安い軽自動車を購入しクルマで色々と回ってみた
同時進行でとりあえずのアルバイトも探した

1年暮らして色んな移住イベントにも参加したり
空家バンクの家を見せてもらったりしたがなかなかにこれはと思った所が見つからず
アルバイトをしながら焦らすに探す事にした

アルバイト先の人のおばさんの家が空き家で誰かに売りたいという話があるけど見に行くか?

そう言われて見に行ってみる事にした

いわゆる古民家というヤツだった
元々は土間でおくどさんだったであろう場所を無理矢理キッチンに作り替え
風呂場とトイレは離れにあり
薪のお風呂を灯油で沸かす風呂に変えてあった
でもまだ薪でも入れるみたいだ
家自体は平屋で独り者の私にはちょうど良い広さだ
隣の家とも程よく離れており少々うるさくしても迷惑にはならない

値段も直接交渉だったのでとても安かった

しかも住むならこの辺が良いなぁって思ってた場所だったので買う事にした

ここだったら高知市内のアルバイト先にも車で行けなくもないし
便はとても良いそれでいて静かな場所

人に出来るだけ会わなくて済む

最初は設計士さんを探した
構造と図面さえ引ける人であれば良い
偉い先生クラスの人だと融通が効かないので素人に毛が生えたくらいの人を探した

近くの不動産屋に住宅程度なら構造と図面くらいなら出来るという人を見つけたので頼んだ

現地に行き自分の理想を話した
その上で安く上がる方法も相談した
水回りは完全に変更する
耐震構造にしてほしい
新たに断熱材を入れるのと不必要な壁や天井は取り除きたい
暖炉が欲しいペアガラスにしたいけれどサッシの部分は木製で化粧してあるものにしたい
見た目は古く中身はハイブリッドにしたい
難しい工事は業者に任せて簡単な作業は自分でする
国や県や地元の自治体で出してもらえる助成金には全て頼る

こうして購入時の値段の1.5倍の値段で
私の私だけが楽しい家が完成した
これで人に会わす楽しく過ごせる空間ができた
嬉しい

だと思ったら住み出して分かったのだが
年寄りは暇なのかなんだか知らないけれど
人の家の敷地内まで当たり前のように入ってくるし
頼んでもいないのに
何々が取れたからとか
ようさんできたからとか言って
何かを持ってくる
これはあくまでも此処へ来るための口実
どんな人が住んでるどんな家なのか暇なのと好奇心でやってくる
毎日取っ替え引っ替え湧いてくる

私の家は集会所では無い
ハッキリ言って来ないでほしい
1人で静かに暮らしたいから高知県に来たしこの場所を選んだのに
どうしてウジャウジャ現れるのか

でも数ヶ月もすると飽きたのか来なくなった
来るのは隣のおじさんくらいだ
このおじさんは人畜無害で女である私を時々心配してくれる
頼んでいないのに家の周りの草刈りもしてくれたりした
何もお礼ができないのに

新しい家に住んで1年してやっと落ち着いた
都会から逃げ出してもう5年近く経ったのではないだろうか

もう友人は要らない
知人だけで良い

家の庭を見ていて自然は凄いなと思う
春には色んな芽や花が咲き
沢山の昆虫が現れる
鳥のさえずり
雨の音ですら違う
アスファルトを弾く雨音は冷たくて硬い
でも此処の雨は落ちる先がほとんど地面だから柔らかな音で水路の水が増え流れる音が大きくなる

家から見える山も緑でおおわれ気持ち良さそうにしている

ストレスが無くなりつつある
人に迷惑をかける心配もない

以前のアルバイトはやっぱり近いと言っても車でそこそこの時間がかかったので近くの食品加工工場で今はアルバイトをしている
誰とも口を聞かなくて済むのでとても合っている

週に4日働いて3日は好きな事をして過ごす

只今
友人ゼロ
彼氏無し
知人数人

これで充分幸せに生きていける




ほな!

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