見出し画像

白っぽくしたいかわかる人である

 現代川柳と400字雑文 その20

 長いあいだ修正液を使っていない。記憶をたどると、あの独特な匂いのことが思い出される。べつに派手な匂いではない。絵の具のような匂いだったのではないか。誤字、誤記を消したはいいが、若干匂いがするようになってしまう、というのがおもしろい。どことなく「頭隠して尻隠さず」的だ。最近は誤記どころか手書きの機会すらほぼ無いので、修正液を使うチャンスも無い。漢字はどんどん書けなくなっているというのに。ごくたまに現住所を手書きで書く必要があると、1年半ほど前に越してきたいまの住所をまだ覚えていないことに気づき愕然とするが、それは修正液どうこうとはまたべつの、ただの恥ずかしい話だ。しいて言えば頭からバケツ一杯の修正液をかぶって存在を消したいとは思うが、それではたんに真っ白人間が誕生するだけだろう。真っ白人間ってなんですかね。ハロウィンと関係ありますかね。

▼これまでの現代川柳&400字一覧


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?