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ジャンルを越えて共通する、スランプの乗り越え方。

読書をしていると異なる分野、異なる著者同士で同じ答えに辿り着いているケースを垣間見る瞬間があります。

今回読んだのはジャズミュージシャン・上原ひろみさんについての本。
そしてその内容が、以前読んだ起業家の山口絵理子さんの本の中でも通じる箇所があることを思い出しました。

内容は"スランプからの脱出"。
これについてnote書いてみました。

結論:いつも以上に練習すること。

早速、結論だけを述べてしまうと
「スランプの時ほどいつも以上に練習すること」になります。

これだけを聞くと何とも泥臭いアプローチだと思うかもしれません。
しかし、本を読んだ後にこうも考えました。

複雑な問い、正解のない問題に直面する時ほど、誰も答えを教えてくれない。
そんな時に頼りになるのは、何者でもない自分なのだと。

ジャズミュージシャン、起業家。
異なるジャンルで活躍する2人の知見をお借りします。

サマーレインの彼方

今回読んだ本はこの「上原ひろみ サマーレインの彼方」。

上原ひろみさんとは、
世界各地を転々としながらツアーを続けるジャズミュージシャンです。
演奏する楽器はピアノ。
その超絶技巧と謳われる指先の動きや圧巻の音楽に私も一瞬で心奪われた人間の1人です。

この本は、そんな上原ひろみさんの2005年当時、アルバムにして3枚目〜4枚目をリリースする時期の頃の活動や彼女のバックグラウンドに焦点を当てたドキュメンタリー。

・・・

彼女はプロとして、「今日は昨日以上の演奏をしていく」を日常から意識されている方。
たとえスランプになったとしても昨日と同じだけの演奏はできる、それは毎日の鍛錬の積み重ねによるもの。
その前提の上で、彼女は昨日の自分を越えられない時を”サナギの期間”と呼んでいました。

彼女の言葉によると

「サナギ期間は長ければ長いほど、
抜けた時に大きなステップアップが待っている。
だから絶対途中で投げ出さない。逃げてはいけない。」

昨日の自分を越えられない時は通常の倍練習する、とのこと。

プロとしての前提のハードルの高さもさることながら比較対象は常に過去の自分。
何か手応えを掴むまで、その先に必ず光があることを信じて練習を重ねます。

他にも、
彼女は曲ができると友人の前で必ず演奏を行うそうです。
それは友人たちの客観的な意見を知る為ではなく、自分がいかに気持ちよくその曲を演奏できるかを知るため、自分で自分を確認する為とのこと。
人の評価ではなく、自分自身の評価を知るためにストイックに弾き続ける。

プロ意識の高さ、そして練習の重要性を何よりも理解していると改めて痛感しました。

輝ける場所を探して

もう1人は起業家の山口恵理子さん。
株式会社マザーハウスを設立し、バングラデシュやインド、スリランカなど世界各地の素材を活かした商品を作っています。

最近は特に街中・出勤風景の中でもマザーハウスのカバンを背負っている人を見かける事が増えた気がします。

山口さんはいくつも本を書かれていて、個人的に好きなのがこの「輝ける場所を探して」。

この本は山口さんの本、「裸でも生きる」シリーズの3作目で新たにジュエリー部門を立ち上げる際のビジネスを模索していく姿が記されています。

・・・

モノづくりの中で、現地のジュエリー職人と自分の認識が食い違う。
国が違うだけでなく育ってきたバックグラウンドの全てが違う。
そんな状況の中で山口さんはこんな言葉を残しています。

お互い、いいものを目指して作りたい。
けれど、その”いいモノ”の目線が、
最初から一致しているなんてことは絶対にない。
かけ離れたところにいる人間たちが同じ目線に立つには、
答えは1つしかない。
作り続けることだ。

山口さんは創業社長でありながら、商品のデザインも自分で考えています。

そのデザインに行き詰まった時、彼女もまた何度も何度も描き直し、作り続ける。
その手を止めることはない。

この作り続ける精神があるからこそ、新たなデザインが生まれ新たなビジネスが生まれ続けてるのではないかと感じます。

共通する思考

上原さんに山口さん、2人の理論がこんなにも合致している。

2人に共通するのは何かを生み出す仕事であるということ。
そして導き出される答えは数多のトライ&エラーの中から生まれる。

2人ともその努力を苦とは感じず、好きだからやる、だから妥協しない、そんな意思を感じます。

一方でそんな立派な人の姿を見ても、
「世界で活躍できる人は才能がある」
「元々が違う」
そんな風に考えてしまうのが人間の常かもしれない。

それでも2人から学んだこととしては、数多のトライがなければその後の結果も生まれないということ。

学びは日常で生かしてこそ、本当の学びになる。
日々の仕事でも、頭の片隅に置いておく、いつでも引き出せる状態にする。
行き詰まった時こそ、言い訳の前にもう一歩踏み込む、さらにやり続ける。

そんな思考と行動を改めて教わった気がします。


ライ

他にもいくつか読書による学び、気付きを書いています。ぜひ、読んでみてください。↓

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