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らら
2020年10月7日 11:04
私は始めから知っていた、彼が3億目当てだと。彼が千葉の老人ホームで建設の仕事をしていたと聞いた時から、何か違和感を感じていた。私の借りていたトランクルームの近くで働いていたなんて偶然?と思ったけど偶然の訳がない、私がお風呂に入っていると、部屋で何かを探していたこと、私の家で一緒に住みたいと言ったこと、それで気が付いた。トランクルームの鍵を探しているのだと。だから私は鍵を
2020年10月6日 12:02
3億円は石川あみさんに返した。そして彼女は数日後、警察に行った。テレビのニュースで少し石川あみさんのことを話していたけど、そんなに大きなニュースにはならなかった。私たちは週末にトランクルームを解約しに、千葉の田舎にあるトランクルームに向かった。中を確認してから解約しようと思い、トランクルームを開けると中には、小さなかばんがポツンと置いてあった。「このかばん何?」彼が聞
2020年10月5日 11:12
「トランクルームは解約されているし、かおりさんが誰かわからないし、探すのは大変だった。無駄に時間だけが過ぎて、不安になって色々と考えたの、このまま他人の名前で一生他人のまま暮らすなんて出来ない。私は石川あみで生まれて、石川あみで生きたい、逃げるのはもう嫌だって思うようになったの。だから警察に行って話すことにしたの、警察に行ったら3億はどうした?って話しになるから、かおりさんに
2020年10月2日 10:30
「5年前私の母が死んで私は遺産を相続したの。それがあの3億円、でもそれが原因で親族の中が悪くなって、叔父さんはお金に困っていたみたいで、しつこく私にお金の要求をして来た。誰も母の死を悲しまないで、お金のことばかりで、人が信用出来なくなって、働くのも嫌になって、もう生きることに疲れて。あの山に行ったの。」彼女の話しを聞いて、誰も口を開かなかった。なんて言えばいいのか、
2020年10月1日 10:44
お互いの車で近くにある、カフェに行った。広いお店で奥には半個室のような部屋があったので、そこで4人で話すことにした。俺はかおりの隣に座り、俺の前には尾行男が座った。「あの彼は誰ですか?」俺は石川さんに聞いた。「あっ、彼は探偵さんです。かおりさんを探してもらっていたの、彼も同席でいいかしら?」「・・・はい、いいですよ。」「それじゃ、私の話しからしますね。」そ
2020年9月30日 11:02
「どうしてあの尾行男は3億円のことがわかったんだ?その亡くなった石川さんの知り合いかな?」「ぜんぜんわからない。でもこのまま逃げてもしょうがないから、あの男の人と話てみる!」「えっ!そうだな・・・話て見よう。憶測だけじゃわからないから。」そして俺たちは家に帰ることにした。尾行男と話すなんて・・・大丈夫かな?ドキドキしながら家に向かうと、家の近くにあの車は止まっていた。
2020年9月29日 11:23
「それでそのお金どうしたの?」「私がトランクルームの鍵を閉めて帰ろうとした時に、トランクルームの管理人の人が来て、「石川さん?」って聞かれて私一瞬迷ったけど、「はい」って答えたの!」「なんで?「はい」なんて言ったんだよ!」「だって石川さんじゃないのになんでって聞かれたら、困るから・・・」「それで?管理人さんは何だって?」「トランクルームの家賃を3ヵ月滞納してるって言われ
2020年9月28日 11:24
彼女は虹の絵をとっても喜んでくれた。そして「お礼にあげる」と言って、私に小さなポーチをくれたの。ウサギの刺繍ある小さなポーチで、彼女は私にそれを渡すとすぐにどこかに行ってしまったの。ポーチの中を見たら、鍵とトランクルームの住所が書いてある紙が入っていたの。でもトランクルームに何が入っているかわからないし、怖いから家に帰ってすぐに、タンスの奥にポーチを隠したの。そして私はす
2020年9月24日 09:11
私はついに秘密を淳に話すことにした。遊歩道にあるベンチに座り、夕暮れで赤く染まった川を見ながら話し始めた。「5年前のことなんだけど、私は週末に1人で山に絵を描きに行くことがよくあって、その日は栃木県の那須のお気に入りの場所で絵を描いていたの。絵に集中していたら急に声を掛けられて、それが石川あみさんって言う人で、あっ!その時は名前はわからなかったけど、あとでわかって・・・」
2020年9月23日 10:29
車の中では無言だった。お互い何から話していいのか悩んでいたのだ。重たい沈黙を破ったのは、スマホの着信音だった。スマホを見ると会社のからの電話だった、俺は車を止めて外に出て電話を掛けた。明日の会議の確認の電話だった。俺は電話を切って車に戻ろうとすると、かおりが車から降りて来た。「少し散歩しない?」「いいよ。」「なんでここに来たの?」そこは川沿いの遊歩道で、
2020年9月22日 09:37
俺はかおりが心配だった。朝になると車は消えていた、かおりは尾行されているのか?本人は気付いているのか?まさか危害を加えることは無いだろう・・・でも3億円が手に入るなら人殺しをする人もいるよな・・・俺は気になって仕事がどころではなかった、後輩に仕事を任せて3時過ぎに早退した。そしてかおりのアパートの離れたところから、尾行男が来ないか見張っていた。5時過ぎ頃から尾行男が
2020年9月18日 12:03
私は誰かに尾行されている。そう感じるようになったのは、1週間前からだ。会社の帰りにいつものスーパーに寄った時に、お豆腐に手を伸ばすと、棚の奥が鏡になっていて、後の人が私を見ている姿が写っていた。気のせいかな?と思ったが、その男性はそれから、会社の近く、駅の近くで何度も見かけた。私を尾行してる?まさか?でも身に覚えはある。あの3億円が原因かもしれない。私がお金
2020年9月17日 10:32
お風呂から出ると、テーブルにサラダと生姜焼きとみそ汁が並んでいた。「お腹空いてるでしょ?」「うん、ペコペコだよ。」やっぱり人と暮らすっていいことだな。俺はこの年で人の優しさに触れて人の温かさを知った。そして、かおりを守りたいという気持ちが日に日に大きくなっていた。その日の夜。夜中に目を覚ますとかおりはベッドにはいなかった。リビングに行くと、かおりはカーテンを少
2020年9月16日 11:21
「あそこに車が止まってるなんて珍しいな」と思いながら車に横を通り過ぎると、運転席に人が乗っていて、かおりのアパートを見ていたのがわかった。まさか!かおりを尾行しているのか?そんなはずは無い、同じアパートには8世帯の人が入居している、かおりを見ていたとは限らない。俺はザワザワした気持ちのまま帰宅した。「お帰り!今日は暑かったよね、お風呂入ったら?」「うん、そうする。」