マガジンのカバー画像

「8K画質の未来映像」作家ジョーの画像がヘッダーの小説たち

10
ジョーこと鈴木 穣氏の未来映像を使用した小説たち ジョーさんの高度技術にはかなわないが 、日々ヘッダー画像に合う小説を開発思案中
運営しているクリエイター

記事一覧

「FUZIKO.Y」

「FUZIKO.Y」

ごく、極々微量の毒も

細心の注意を払い、濾過をかければ妙薬となる

ワクチンに女の名前をつけるなら

私は「FUZIKO」

もしかすると銀座で歌っています

プアゾンはCOOLなバイオレットのイメージ

致死に価するのではなく
永遠に魅了して痺れさせる毒

ホリゾンをタブレットを噛むように飲んで迷走する
いい子は夜の8時にはおやすみしてる
不眠症の大人は
大人になっても夜更かし悪い子
もちろん

もっとみる
「ショートパンツとブーツ」

「ショートパンツとブーツ」

まだショートパンツを履いていた頃の話だ

最後に外で履いていたのは40才の夏が最後だった
履くときは常にトレンカやストッキングをつけていた

いまだに宮城にいた頃、好きな衣料品店だったフジ屋で買ったショートパンツがある
フジ屋はお安い
それでいて生地がしっかりしている
素材が毛玉になりにくい
高級そうに見えるデザイン
雑貨もニーハイもバッグも好みのがあった
今でも名取や三ノ輪、三郷の好きな店には、

もっとみる
「Bar  駝駱龍〈ダラクロン〉」

「Bar 駝駱龍〈ダラクロン〉」

『RIICHとTATUOと二人のNAOKOと時々YOSIKI」呑めないくせに我々三人は酒を浴びるように飲み、ダレて行った
YOSIKIに至ってはアルコール・・痛み止めの鎮痛剤まで一緒にあおり始めた

「は、鼻の裏側に熱いもの!いや冷たい!のぼったりおりたり、スーッと通って行く!!」

(体感異常というやつかしら?まだ末期ではなく、中期症状の望みはあるだろうか)

YOSIKIは🥃を握りしめて、ゆ

もっとみる
「百年の向こう側」

「百年の向こう側」

人は死んだらどうなるのか

死んだらどこに行くのか

わたしは知らない

例えば生きている時に

人を殺したり

大金を盗んだり

人を苦しめて自分勝手に生きた人とか

罪を犯したら地獄に堕ちるっていうけど

その自覚がない人も
あっても生きることに執着というか
どんなことをしても生きてやるんだ
こんなとこで終われるか
自分はそんなものじゃない

みたいなちょっとギラギラしてる人を見ると
ああ、確

もっとみる
第四画  「セイレーンの村」

第四画 「セイレーンの村」

八芒星の大理石の東屋で、少年の姿の僕はクッキーを食べている
ダブダブの車掌の制服を行儀よく座る骸骨に着せかけて、ついでにクッキーも歯形に差し込んで
遠くを走る列車の白煙を見つけて、駆け出す
走って走って、白く見えた煙はところどころ黒くて灰色で、僕はがっかりした
長い茎の枯れた葉っぱを振り回して、濃い緑の森で赤いカーテンのシャワールームを見つけた
蓮のカップをしたシャワーヘッド
ひねるとバラバラ、ジ

もっとみる
「竜頭蛇尾出淵淵」リュウトウダビデブブ

「竜頭蛇尾出淵淵」リュウトウダビデブブ

純男(以下スミオ)
「なあ~マサルよぉ~。乳デカホルスタインと肉ギュウおっぱい、どっちかにシメられるとしたらお前どっち?」

マサル(以下マサルのまま)
「メェ~(前の)コ~(娘っ子」

スミオ
「おめぇ、牛じゃん!ヤギかよ!語尾が間延びしてるぜ!」

「ウメェ~(テメェ~)」

「マサル、お前は今日から神社の子だ。神社の苑庭で神牛だ。出世したな」

マサル
「メェ?(ええ?)」

「昔ならいざ知

もっとみる
「ともにがんばろう、友よ」

「ともにがんばろう、友よ」

幸運の白い象さん
「あそ~れ♪あよいしょ!わあ~い♪たかーい♪」

アトラスらしき人「こわいこわいこわいぃぃー!おいぃぃぃぃ!おまえダイエットしろよなー!!踏みつぶされるイメージしかないんだよ!!こころの準備!こころの準備も出来てないんだぜ!なんでそんなに軽やかに跳んでだよ!!」

幸運の白い象さん「ふふんふーん♪ないしょだよーっと!企業ひみつだよ~♪きれいな空だなあ~!どんなブロックがあったって

もっとみる
「體内愛音」

「體内愛音」

佐久はメールを見てため息をついた

メールは開かなくても
返信しなくても
『絶対』必ず気持ちを返さなくてはならないマナー
そんな義務は、ルールは要らないような気がした
しかし、真面目な性格であるゆえに律儀にそうしてしまうのかもしれない
たとえそれが理不尽で悪の存在であったとしても
それに面倒さを感じたそれ等が、そうそうに立ち去ってくれれば問題はなかったのに

どこかで時計の針の動く音がする

実際

もっとみる
「天女襲来」

「天女襲来」

夏祭りの露店で買うカラフルな、絵の具がチューブからうねり出したような模様の水風船
シャボン玉風船って言うのかな
右手の中指にゴム引っ掛けて、ぼしょしょん、ぼしょしょん、手のひらに引戻しては跳ね返す
君はなんでそんなもの買ったの?
僕は心の中で聞いてみる
ラムネの瓶を買おうと思って、少し君を見失う
氷水の浴槽から取り出された水色の瓶
手がひやりとする
夜の闇の中露店のライトに反射して、濡れた部分の露

もっとみる
「家中雑音」

「家中雑音」

『まいったな』

安積は部屋に入ると、その場で固まってしまった

荷物も背負ったまま

一人掛けソファーの角に

腰をおろした

なんと言うか・・

やる気を殺がれる

なにかに監視されているようで

しんに落ち着けない家だ

それは隣近所の目なのか

自分の疑心暗鬼の心がもたらす不安

なのかはわからない

ホホー
ホホー

正午の鐘を知らせる鳩時計

ホホー
ホホー

12回鳴いた後

バサバ

もっとみる