走れ、穿て、守れ -3-
青空の下に場違いな橙の爆炎が生じた。俺の拳銃迎撃によって着弾前にロケット弾がさく裂したのだ。第二射を放とうとする黒ベンツ天井から身を乗り出したスキンヘッドならず者へとアンチマテリアルライフルをぶっ放す。
「ングァーッ!」
俺の照準を前にし、スキンヘッドならず者が咄嗟に前に突き出した四連装ロケットランチャーへと対物大口径弾が着弾。再度爆炎が生じ黒ベンツは激しくスピンしながら高速道路の壁へと突っ込んでいった。
「おかしい、意趣返しにしちゃいくら何でも捨て身にすぎる」
「もっと別の理由って事?」
いぶかしむ俺とS・Rを他所に二台の黒防弾ベンツがこちらの両サイドへと強行接近、あろうことかそのままサンドイッチにしようと車体を寄せてきた。
「正気か!?」
すぐさま再装填したアンチマテリアルライフルを左側黒ベンツ運転席へと向ける。着弾、穿たれた穴から血と肉片がまき散らされる。右側もまたS・Rの精密迎撃射撃によって乗り手が即死。だが黒ベンツのサンド攻撃は終わらない!運転手が死亡しても自動制御でこちらの車を抑え込んできている!
「不味いぞ!このままだとカーブにぶち当たる!」
「この程度でどうにかなるアタシとフロッギーじゃないさ!」
S・Rの呼びかけにすぐさま車内に身を滑り込ませると撃ち切ったアンチマテリアルライフルのマガジンを交換する。コンソールには「変形ヨロシ」の文字。
「ガン・フロッガー!アクティブフェーズ、シフト!」
S・Rの呼びかけと共に、ガクンと車体が揺れ、視界が上がっていくと共にフロントガラスが黒色のカバー装甲で覆われ内側にモニタが表示される。コンソールには自動車が分割、四肢を展開しながら人型兵器として立ち上がるシークエンスが表示されていた。
変形してなお黒ベンツに挟まれていたガン・フロッガーはアスファルトをタイヤで疾駆しながら跳躍、腕部からスライドさせたハンドガンを両手に構えると挟む相手を失った黒ベンツに無数の穴をあけていく。
「イイイヤッハアアアーーーッ!!!」
熟練の体操選手よりもなお俊敏にバク宙回転からの着地を決めたガン・フロッガーは即座に後方に迫る追撃車群をガン・カタによって至近距離乱射、並み居る後続車を片っ端からハチの巣スクラップへと変えていった。
走行不能に陥った後続車の群れはガン・フロッガーに跳び越されては間近に迫っていたカーブへとまとめて衝突、壁をストッパーに玉突き事故を起こして炎上、爆発四散した。
「アレで全部だな」
「りょーかい、飛ばすよ!」
全滅を確認すればガン・フロッガーはスピンしながら元の自動車形態へと移行。追手どころか一般車両すら一般道路へと退避し誰も居なくなった高速道路をぶっ飛ばす。
「で、本命は?恐らくそいつらも追手の奴らと無関係じゃないはずだ」
「そういや言ってなかったね、イベント会場が襲われてアタシのダチがさらわれちまったのさ」
「そいつは大ごとだな」
示し合わせた上での待ち伏せに関係者の誘拐。そして意趣返しにしては過激で捨て鉢な襲撃。どうにもこいつはきな臭いぜ。
【走れ、穿て、守れ -3-:終わり:-4-へ続く】
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