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人は自分のことほどわかっていない

看護師という仕事をしていると
患者さんとのやりとりの中で

「自分の体は自分がよくわかっとる!」

という旨の発言をする
患者さんをよく見かけます。


この感情
皆さんはどう思いますか?

確かに私も
自分のことは
自分がよく理解しているものだと
思っていたのですが

たぶんそんなことはない。

どちらかと言うと
自分のことほど
自分ではよくわかってない

と思います。


◯自分のことを過大(過小)評価している


先日大学の講義をした時に
学生さんからある質問をされました。

担当の患者さんが
退院したら家に帰りたいと
思っているが
同居していた家族は

「とても家で一緒に暮らせるほどではない」
「施設を探してほしい」

と思っている場合
どうしたら良いですか?


という質問でした。


実際にどういう選択肢があるのか
というよりも
患者さんや家族が
どういう意図があるのか
そしてそこで
人は自分のことを
正しく理解できている人は
ほとんどいない

という回答を主にさせていただきました。

どうしても人は

「自分はこうあるべき」
「自分はもっとできるはずだ」

と理想の自分を
今の自分に重ね合わせようとします。

簡単に言うと
自分はどうあるのか
より
自分はどうありたいか
の方に関心が向きやすい

ということです


故に患者さんは

まだ1人でできる!
自分は健康だ!
薬は飲まなくても大丈夫だ!
車椅子などなくても歩ける!
もう職場復帰できる!

そういう風に思うのが
当たり前なんですよね。

第三者から見ると

「あの患者さんが歩こうとするのは転びそうで怖い」
「一人暮らしはもう難しいんじゃないか」
「仕事復帰はもう少し体調が
 落ち着いてからじゃないと…」

と思うのですが
患者さんは
自己評価が高い人も多いので

他者評価と自己評価が
合わないから
それぞれの目標が
相容れないことが多々あるんです。

また逆に
幼少期からトラウマや
親から非難される教育を受けてきた人は

自分を過小評価する傾向にあり
能力はあるのに
自分にはできっこないと
判断しているケースもありますが


◯解決に向かうには理解し合うこと


そこで周りの人が
正論を振りかざして
患者さんのできないことや
苦手な部分を突きつけて
現実を知らせようとするのは

解決に向かわないと思いますし
そもそもあまり優しくない。

先程の事例の場合も
患者さんと家族が
お互いが何を困難と考え
何を大事にしているのかを

知ることが大事だと思います。

そしてどこかで
妥協点を見出すことにはなるのですが

自分の立場や感情を
理解してくれている感
があると
話し合いはまとまりやすくなります。


患者さんも医療者も
退院できると思っていても
同居する家族が
一緒に暮らすのは無理だと
思っている場合もあります。

その時も
家族に無理やり
退院をすすめるのではなく

家族が何を困難と感じていて
何を嫌だと思っているのかを
聞いて理解しようとすること。

それがさまざまな問題を
解決させてくれます。


余談ですが
医療事故で訴えられる
ほとんどのケースが
対応のマズさにある
と言われています。

医療者の対応がいい加減だったり
中途半端な対応をされたことで
感情的に納得できず
訴訟にまで至ると言われています。

対応ひとつで
問題は円満に解決することもあるんですね。

相手を支配しようとか
コントロールしようとする前に
問題を解決するためには
一度相手の立場や感情を
理解する方が早いのかもしれません😌

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