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映画『アクアマン 失われた王国』感想

予告編
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ありがとう、アクアマン


 上映が始まってから一週間以上経っているので手遅れかもしれませんが、未見の方のために一つだけ警告をしておこうかと笑。

 本作は、海底人の血を引くアーサー/アクアマン(ジェイソン・モモア)を主人公にしたヒーロー映画シリーズの第二作目。予告編映像だけでもわかるとおり、海底での迫力満点のアクションシーンが見どころの一つ。

なので、例えば魚類や甲殻類等、海の生き物の見た目が苦手という方にとっては、CG映像とはいえ気味の悪いクリーチャーも登場する本作の映像に衝撃を受けてしまうかもしれません。


 しかし、警告したいのはそんなことじゃない。海洋生物の存在についてはあらすじを読めば簡単に想像がつくもの。ネタバレではありませんが前もって警戒すべきは、“昆虫” の存在。このあらすじやキービジュアルで、誰が昆虫の登場を警戒しようものかと笑。

「虫の見た目が苦手」という方は、覚悟して観た方が良いと思います。前述の海洋生物(或いは海洋生物もどき)同様、CGによる表現ではありますが、リアルで巨大な昆虫がわんさか映り込んでくるし、何より〈G〉が一番目立っている笑。本作の映像を堪能するためにIMAX上映なんか選ぼうものなら、虫嫌いの人は発狂するんじゃないかと心配になるほど。


 もっと言ってしまえば、ラストシーンのその後、ミドル・クレジット・シーンでのおまけの一幕が面白い。文字通りというか何というか、ある意味「最悪の後味(笑)」を生み出してくれるんです。おどろおどろしいクリーチャーの存在なんて吹いて飛ばされてしまうほどの衝撃でした。これらのシーンを笑って見ていられるタイプの人間で本当に良かった笑。




 そんな本作、見ているだけで楽しいアクションシーンや、キャラクターの個性が溢れるコメディシーンなど、前作の『アクアマン』(感想文リンク)から変わらずの魅力がたっぷり詰まっていました。

「なんかもう、ほぼ『マイティ・ソー』みたいだなぁ笑」と思わせる展開も良かったし、終いにはハッキリと「ロキ」と口にする始末。およそ5年ぶりの続編ということで、あまり明確には覚えていないのですが、前作以上にお客さんの笑い声が聞こえてきたような気がします。


 また、前作の時は通常の2D上映でしか観に行けていなかったので、今回こそはとIMAX3D上映で鑑賞。本作のジェットコースターのような海中アクションシーンを楽しめるというだけで、通常料金+¥1000なんて安いもの。縦に大きく伸びる舞台や、高低差の大きなカメラワークなど、IMAXを存分に味わえる箇所がたくさんあったのも良かったです。

特に、ケイン(ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世)らの潜水艦をアクアマンの “仲間たち” が取り囲むシーンは圧巻。潜水艦の操縦席がある部屋が、あの変な位置というか不思議な形で出っ張っていたのは、このシーンの見応えのためだったのかと納得です。




 さて、そんな本作ですが、これまで続いてきたユニバース(DCEU)の大トリを飾る作品なんだとか。たしかに色々ありましたけど、これはこれで大好きな作品群だったからなぁ……再始動するらしいとはいえ、寂しくて仕方がありません。

 前作や、同じくDCEUの『ジャスティス・リーグ』(感想文リンク)の頃から感じていたことでもありますが、もうアクアマンは見た目が好き過ぎる。とても個人的な意見ですが、ヘンリー・カヴィルのスーパーマンといい、ジェイソン・モモアといい、その見てくれだけで映画館に行きたくなってしまう。気付けばそれぐらい好きなキャラになっていた。


 また、「色々あった」ということで言えば、他のキャストだって忘れられない。鑑賞前は「ウィレム・デフォー(バルコ役)も続投しないらしいし、アンバー・ハード(メラ役)も大変なことになってるし、どうなることやら……」という不安もあったのですが、本作はそんなもの簡単に蹴散らしてくれる。

物語の前半、メラがブラックマンタに致命傷を負わされるという展開は、白状すると、物語上から彼女の存在をフェードアウトさせるためのものだと邪推してしまっていたんです。しかしそんな彼女が窮地に再び現れてくれるもんだから、それまで抱いていたような不安を一気に取り払ってくれる。


 そう、『アクアマン』とはそういうもののはず。“王族らしさ” とか “海底人として” とか、周囲の凝り固まった意見なんてなんのその。まるで劇中でも流れていた『Born To Be Wild』が象徴するかのように、アクアマンことアーサーは、何ものにも縛られない自由を手にしているからこそ魅力的に感じられるのかもしれません。

 そして、今まで不自由だった男も自由を手に入れ、謳歌していることがわかるラストを描いて終幕するわけですが……。先述した “ある意味「最悪の後味」” を生み出し得るそのラストは、本作のテイストも相俟って、何かしらへのジョークにすら見えてくる

例えば、こんな素敵な『アクアマン』を終わらせた奴らに向けての「これでも食ってろ」だとか、或いは作り手たちの「こんな思いを味わわされたようなもんだ」だとか笑。はたまた「死んだことにする」というのも、ある種DCEUの締め括りを揶揄しているとも見て取れる笑。

もちろん、冗談半分の感想ですけど、そんな皮肉やジョークすら想像してみたくなる、とても楽しい気分・後味にしてくれる一本でした。

 今までありがとう、アクアマン。


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