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人類の発展は火から始まった『エネルギーをめぐる旅-文明の歴史と私たちの未来』

 こんにちは、リードプロジェクトの藤原です。
 SDGsやEVの推進など環境保全がうたわれる近頃ですが、今回はエネルギーの歴史や今後の環境問題について書かれた『エネルギーをめぐる旅-文明の歴史と私たちの未来』について紹介したいと思います。


注意点

 本に書かれていることはすべてが正しいわけではなく、受け入れがたいものや理解が難しいものもあります。
 それでも1冊の本から役に立つ教訓を1つでも見つけられたなら、読者様の人生にとってプラスになるのではないでしょうか。

脳の発達を支えた火のエネルギー

 動物としての人間において、一番特徴的なのは発達した脳です。脳を維持するために火のエネルギーが必要だったのです。
 どういうことでしょうか?人間と同程度の体重を持つ哺乳類の多くは、脳の大きさが人間の20%程度なのに対し、胃腸の長さは2倍もあります。人類は脳にエネルギーをより多く供給していく過程で、胃腸を小さくすることでバランスを取ってきたということです。胃腸を小さくするということは消化機能が弱くなり、生存能力も落ちてしまいます。そこで火の登場です。火を使えば肉食が簡単にでき、多くの栄養補給ができるようになりました。

 食べ物を叩き、刻み、すりつぶすなどして加工したうえで、それを加熱処理する。それが「料理」です。そう料理を定義すると、料理をすることによる身体への効果が浮かび上がってきます。もうお分かりでしょう。食べ物を料理すると、その吸収に要する胃腸の負担は劇的に軽減されるのです。

-『エネルギーをめぐる旅-文明の歴史と私たちの未来』

 これこそ最初のエネルギー革命でした。人間の脳が発達することで、文明社会の形成に近づいていきます。

太陽光の恵みを受けた農耕と人口爆発

 植物は太陽光を光合成によって取り込むことができます。そして食物連鎖で草食動物、肉食動物へとエネルギーを供給していきました。太陽エネルギーは自然界で取り合いになっているのです。
 農耕は一万年前頃から始まったとされています。農耕で使われた土地は自生している植物のすべてを追い出して、土地に注がれていた太陽エネルギーを占有しました。保存のきく農作物は余剰エネルギーを生み出し、農耕生活は狩猟採集生活の倍ちかいカロリーを獲得します。本に記載されている研究の推定によると、農耕生活が始まる以前の12000年前時点では500万~600万人の世界人口でしたが、2000年前には6億人にまで到達したとのことです。まさに人口爆発ですね。
 人口が増えたことで農耕以外の活動にも人的エネルギーが活用されることになります。手工業などが発展することで都市が生まれ、文明が発達します。しかし光には闇あり、土地を使う農耕は戦争を引き起こし、奴隷制をも生み出してしまいました。

 農耕がもたらした余剰の食料という超過利潤は、社会において利潤の配分を優先的に受ける貴族ら支配者層と、分け前にあずかれない奴隷と小作人といった隷属層を生むことになりました。―省略― 当時の支配者層である土地所有者たちにとっては、農作業を担う労働力を確実に確保することが何よりも重要なことでしたから、社会的に優位な立場を利用して、徐々に小作人への束縛を強めていきました。結果として、当初は自由人としての権利を有していた小作人は、やがて土地の移動を禁じられ、徐々に土地に縛り付けられるようになっていきます。こうして領主と農奴という、中世封建社会の骨格が立ち上がってくるのです。

―『エネルギーをめぐる旅-文明の歴史と私たちの未来』

 この中世封建社会では度重なる悪天候や戦乱、疫病に見舞われたこともあり、人類を低迷させました。エネルギーのさらなる革命は産業時代まで待たねばなりません。

最後に

 『エネルギーをめぐる旅-文明の歴史と私たちの未来』では他にも「エネルギーの形を変えた蒸気機関」など、社会を支えてきたエネルギーを深く知れる内容となっています。気になった方は読んでみてはいかかでしょうか。

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#読書

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