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【うた#4】「Stage」

チャイムは睡魔との戦いを終わらせるゴング
教科書と先生相手に よく頑張れたもんだ

箒をギターにして口ずさむ オリジナルソング
ちっぽけな誇りを抱えて でっかい夢 育てる

放課後 僕らは足早に校舎から逃げる
目指すは 誰にも邪魔されない 秘密の場所さ

今夜 君と一緒に朝まで歌おうよ
青いステージで声が枯れるまで
時間も鎖も取っ払って 自由を叫ぶのさ
僕らを嘲笑う三日月に

ライトが照らすのは 運のある人たちだけ
背伸びした自分に疲れて 舞台袖で佇む

時々 未来を憂えたり 打ちひしがれたり
不安や苦さを噛み潰して 大人になってく

愛し愛されて 永遠を覚えては
飽きて捨てたり 自分偽ったり
それでも懲りずに 似たような恋にまた落ちてる
そうやって運命を探してる

朝焼けに見とれ ちょっぴり泣いたんだ
青いステージで 今度また会おう

君も 君も 君も 一緒に歌おうよ
きっとステキな明日が待ってるさ
笑顔と涙が彩りを与えてくれるのさ
僕らの窮屈な青春に


――――――――――


あんなに自由だった高校時代を、
今は懐かしくも恨めしくも思う。
時間は無限にあったのに、
やりたいことをやりきるには全然足りなかった。
きっと寄り道ばかりしていたんだと思う。
でも、あの頃は寄り道にも全力だった。

高校一年生のとき、
文化祭のクラスの出し物が演劇に決まった。
中学時代、演劇部だった僕は、
脚本校正と演出と主役を務めた。
多分、
ただの出たがりの高校生だったんだと思う。

演劇だけでなく、
動画をつくったり、
テーマソングをつくったりした。
そのテーマソングの歌詞を担当したのは
僕だった。

当時は「youthful stage」という題の
歌詞だった。
この中に、全部詰め込んだ。
恋も、夢も、友情も、
学校という空間も、放課後という時間も、
世の中の不条理も全部。

どれだけ制限された世界でも、
僕らは自由になれる。
窮屈な教室に、青春の全てがあった。
時間は巻き戻ることはないけれど、
あの頃の誰かと一緒に同じ記憶を辿れば、
いつだって、何度だって行ける。
それが、青春の舞台。


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