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変わらず同じ夢を描いている。

あのとき自分で行動しなければ、きっとくすんだ色のままだったはず。そんなことを考えると、いてもたってもいられません。これからも、自分で動いていこうと思うのです。


人生は物語。
どうも横山黎です。

毎月最終日は、誰の目を気にすることなく、自分の過去をつらつらと綴っています。今月もその日が来たので、ゆっくりと記憶のページをめくっていきますね。お時間ある方だけ、お付き合いくださればと思います。

今回は「変わらず同じ夢を描いている」というテーマで話していこうと思います。



📚Message展のセッティング

今日、「Message展」のセッティングを行っていました。

僕が去年出版した小説『Message』にまつわるイラストや画像を展示するイベントです。

amazonのサービスを使って出版したんですが、だからといってまだ無名の作家の本が見つかるはずありません。手売りしたり、ビブリオバトルで僕が自ら紹介したり(ちゃっかり全国大会に出場したり)、本屋に置かせてもらったりしました。

今回の「Message展」も、自分の作品を届けるための手段です。大学図書館1階の展示室という場所をお借りして、パネルや写真を展示して、普段は届けられない人にも届けようという算段です。

展示室は立地がすごくよくて、図書館の扉が開かれれば正面にあるので、図書館に用事がある人は必ずといっていいほど目につきます。これは使うしかないと思いました。

展示期間は来月の下旬からなんですが、宣伝用の素材を取るためにも、当日円滑に準備するためにも、前もってセッティングする日を設けるべきだと考えました。そのセッティングの日が今日だったんです。

僕のイメージをスタッフに語って、みんなであれこれ議論しながら設営していました。美術館の中をつくっているような、そんな感覚がして少なからず興奮したんです。

そして同時に、僕の創作のきっかけになった「絵」に思いを馳せました。



📚僕の「絵」の歴史

僕は普段小説を書く人ですが、そもそも創作に興味を持つきっかけになったのは、「絵」でした。幼稚園児の頃から絵を描くことが好きで、おえかき帳が何よりの宝物でした。もちろん自由に、心の赴くままにクレヨンを走らせていました。

今書いていて思い出しましたが、そういえば僕はある時期からクレヨンを使わなくなりました。クーピーを使うようになったんです。理由は分かりませんが、誕生日には60色入りのクーピーを頼むほど、はまっていたんです。

とっておきのクーピーで、何もないところに「自分」を表現していたんです。

小学生になってからも絵を描くことは好きで、年に一度の写生会が楽しみで仕方ありませんでした。最寄りの公園に行ったり、神社に行ったり、学校の屋上へ行ったり。そこにある建物を、そこにある景色を、画用紙に落とし込む。それだけのことでしたが、少年時代の僕は心躍らせていたんです。

やっぱり好きに勝てるものはなくて、人よりも絵を描くことが得意になっていた僕は、小学校6年間で5回特選を獲ることができました。クラスで優秀な絵ふたつに贈られる称号で、それを獲得したい、クラスで1番になりたいという欲も、創作への意欲を掻き立てる要素のひとつだったのでしょう。


中学生になってからも美術の時間が好きでした。その頃は、小説、演劇、詞など、いろんな創作に興味を持ち始めた頃で小学生の頃と比べればモチベーションも下火になっていたんですが、それでも絵を描くことは好きだったんです。

中学二年生のとき、僕の描いた秋の風景画が優秀作品として選ばれて、東京美術館に展示されることがありました。家族と一緒に観にいって、とても喜んでくれたときに、「ああ、やっぱり僕が求める瞬間はこれなんだな」と心の中で呟いたことを思い出します。

自分の表現したもので誰かの心を動かす。誰かの活力になる。それをこの五感で感じたときこそ、僕の至福の瞬間なのです。

大学生になった今でも、それは変わりません。自分の作品で誰かの人生を色づけたい、そんな夢を変わらず描いているんです。




📚変わらず同じ夢を描いている

これまでに美術館に行くことは何度もありました。「何だこれ」という作品を鑑賞する度に、自分も同じような、いや、それ以上の感動を生む作品を創りたいという衝動に駆られました。そして、僕にとってその方法は、「絵」ではなく、「小説」だと悟りました。

自分の紡ぐ言葉で、自分の綴る物語で、いろんな人の心を動かしたい。夢を叶えるために僕が持つべきなのは、クーピーでも絵筆でもなく、筆だと気付いたんです。


だからこそ、自分の手で本を出版しました。

もちろん従来通り、文学賞で結果出して商業デビューすることの意味は十分に分かっているし、その道を追いかけなくなったわけではありません。しかし、文学賞に受賞するのを首を長くして待っていたら、どれだけの時間が過ぎ去ってしまうのだろうと怖くなったんです。とりあえず出版して、自分の書いた作品を自分の手で多くの人に届けて、その先でどんな結果が待っているんだろうと知りたくなったんです。

結果は想像以上で、僕が思い描いていた未来を大きく塗り変えてくれました。あのとき自分で行動しなければ、きっとくすんだ色のままだったはず。そんなことを考えると、いてもたってもいられません。これからも、自分で動いていこうと思うのです。


その行動のひとつが、「Message展」。

興味を持たれた方は是非、来月お越しください。自由に出入りできます。僕の通う茨城大学でやるので、遠方の方には酷な話ですが、温かく見守ってくれると嬉しいです。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20230331 横山黎

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