１５年くらい前、
砂や泥に耐えられるTシャツとパンツ姿で毎日過ごしてた。

それが一番動きやすかったし、
１歳の動き回るし、急に走り出すし、
すべり台と砂場が大好きな娘と一緒にいるのには
ベストなコーディネートだった。
 

化粧はどうだったかな、あまりしてなかったかも。
コンタクトを入れないで、メガネだった時もあったな。
 

「どうしていつもそんな格好しか出来ないの」
 

そんな風に言われたときがあった。
 

出来るなら、私もシャラシャラしたスカートに
８センチのピンヒールを履きたい。
子育てがはじまるまでは
そんなスタイルが好きだった。
 

でも、その時の私にフィットしていたのは
Tシャツ、デニム、スニーカーだった。
これ以上のベストはなかった。
 
 

今思えば、
 

そんなの出来るならやってるわ

なんで出来ないのかわざわざ言わないとわかんないの？

オフィスワーカーと常に泥だらけで子育てしてるママは違うのよ

 
そんなところが本音だったと思う。
 

でも、どんなことでも感じたことをそのまま受け止める
という風にする「自分の大切にする」がわかってなかった私は
 

 
諦めた。
 
 

怒りも虚しさも悲しさも全部スルーして
ただただ諦めた。
 

「しょうがない」の一言を使って。
 
 

今話題の「silent」
久しぶりに見たいと思ったドラマ。

なんでだろうと思っていると、
このドラマのしっとり感が好きだなぁ
と思うだけじゃなくて
静寂さが心地良いからだと思った。
 

先週のクライマックス。 

携帯を手にして耳に当てて
待ち合わせで大好きな人と合流できて
持っているハンドバックを持ち替えて
その手で、大好きな人と手を繋ぐ。
 

言葉だけで会話をする。
 

常に手話で会話をする彼女が
そんな自分を思い描いていたシーンに
私は 諦めた を投影した。
 
 

最後のシーンでは、
彼女が、携帯を耳にしながら
泣いていた。

何も聞こえないのに
携帯を耳にした。

世間でありふれてるように。
 
 

そう言えば、私も無理をして、
小さい娘の手を引いて
スカートとヒールでお出かけしたときがあった。
 

一日でやめた。


自分でいることよりも
羨ましいと感じていた誰かになろうとしていた。
 

こうやって、
誰よりも自分が自分を
深く傷つけていたんだと、感じた。
 

ありのままの自分を受け止める、は難しい。
そう出来ない時もある。
 

そして、いつかは諦めるしかなかったとしても
ずっと諦め続けている必要はない。
 

こうなりたいと思いつつなれないことを
責める必要はなくて
 

こうなりたいと願い、
そこで得たいもの、感じたいと思う気持ち
なりたい自分、在りたい自分を
諦めずに思い続けることが
自分のありのままを受け止める、自分を大切にする、
の一つでもあると思う。
 

そして、その気持ちを大切にすることができたなら
 

そこには応援が入る。
 


 
目の前のことに、自分が何を投影しているのか。
 

ときには、思い出したくないことが出てくることもある。

けれど、そこに気づくことは、
新たな応援を得るきっかけを掴むことだと思う。
 

人生とは、そんなことの繰り返しかなと思う。

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