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【書評】『ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?』森博嗣著

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Wシリーズ第7作目。第6作目(青白く輝く月を見たか?)までミステリ作家らしからぬ異様さで人の死なない物語を展開してきたが、ようやく本領発揮といわんばかりに終盤はどんでん返しのカタルシスを感じさせてくれる。ただ、やや登場人物が増えてきたために読みにくくなったのはやむを得ないところだ。最強人工知能の凄さと脆さが見られ、人間に近づくことは果たして進化なのか。

情報局員でありハギリ博士のボディガードを務めてきたウグイ女史が出世により現場を離れたのはショッキングであろう。本シリーズの魅力の大部分はハギリ博士とボディガードたちの軽妙なやり取りといっていい。その点で不安はあったが杞憂に終わった。最後まで読めば「やはりウグイ」となるだろう。アネバネ成分は少なめで残念。

待て次巻。

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