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甘辛タレのアナゴ寿司 深淵な35年熟成ボルドーの世界

熟成ボルドーに何を合わせようか。1988年、35年熟成。ここまで熟成させるとビーフステーキやビーフシチューでは料理のパワーがワインを圧倒してしまう。以前は同じく1988ヴィンテージのブルゴーニュをブリ大根に合わせ、素晴らしい相性だった。

最近は、2008年、15年熟成のボルドーワインに、ベーコンで巻いた牡蠣を合わせ、素晴らしい相性だった。今回はプラス20年の熟成なのでもう少し穏やかな風味の料理に合わせたい。

熟成ボルドーの深淵で繊細な世界観に合うものをと、デパ地下を散策。アナゴ寿司(980円)と目が合う。アナゴの穏やかな風味、土っぽいニュアンスが合うのではなかろうか。ウナギでは脂が強くワインを圧倒してしまうのではと、敢えてアナゴに。自宅で熟成ボルドーワインに加え、シャンパン、山梨勝沼の赤ワイン(マスカット・ベーリーA)と合わせた。

まずはシャンパンに。

ローラン・ペリエ, ラ・キュヴェ, フランス, シャンパーニュ, 12%, 8,195円
Laurent Perrier, La Cuvée, Champagne, France, 12%

ワインについては先日のNoteに。香りにはフレッシュな柑橘、コンポートしたリンゴ。上品でシャープな酸味を伴うフレッシュな果実味。エノテカ(実店舗)で購入。

アナゴ寿司にワインを合わせる。開栓から早や2ヶ月。泡は飛んでしまい、酸化により酸味が強まってしまったが、それでもワインの魅力は堅持。優れたシャンパンは優れたワイン。アナゴの穏やかな風味にシャンパンの繊細な果実味がよく調和。ただ、甘辛のタレにはシャンパンがやや押されてしまう。相性: ★★★☆☆

続いて35年熟成のボルドーワイン、シャトー・ラ・ラギューヌに。

シャトー・ラ・ラギューヌ, ボルドー, オー・メドック, 1988, 12.5%, 18,700円
Chateau La Lagune, Haut Medoc, Bordeaux, France

シャンパーニュ・メゾンのアヤラ所有。メドック格付け3級。
全体的に朱色がかり、エッジは茜色。
香りにはドライフルーツ、紹興酒、なめし革、湿った樹皮。果実よりも熟成によるスパイスや樹皮などの複雑な香り。ふわっとココナッツ系の香りもまだらに立ち上がる。
味わいには熟成しほぐれた果実味。滑らかなタンニン。やや目立つ酸味とビターネス。鼻腔をピーマンのような香りや、穏やかなスパイス香が抜ける。

アナゴ寿司に。アナゴの甘辛のタレが甘みがやや強いか。醤油主体にした方が合いそう。アナゴのほどける身から広がる上品な旨みと土っぽいニュアンスには調和するも、期待したレベルは超えてこない。奥深い熟成ワインとのシーフードペアリングはなかなか難題。相性: ★★★☆☆

最後に、山梨勝沼の赤ワイン(マスカット・ベーリーA)に。

丸藤, マスカットベーリーA樽貯蔵, 2020, 12%, 2,420円

ワインについては先日のNoteに。明治23年(1890年)5月、創業者が自宅の庭に造った小さな葡萄酒醸造所が始まりの老舗ワイナリー。香りにはストロベリーキャンディ、チャーミングなフランボワーズ、ほのかにバニラの香り。チャーミングな果実味、滑らかでシルキーな口当たり。丸藤葡萄酒HPから購入可能。

アナゴ寿司に。甘辛のタレ、アナゴの土っぽいニュアンスを含む軽快な旨みに、ワインの甘い香り、マスカットベーリーAらしいちょっと垢抜けない感じがちょうど良い。相性: ★★★★☆

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