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カキフライには白ワイン?赤ワイン? どちらも合うんです

スーパーでカキフライを買い、自宅でワインに合わせる。広島産の春獲れかきフライ5つ入り(430円)、宮島かきフライ3つ入り(324円)。広島県の中でも宮島エリアと限定された産地になると値段があがるのはワインも同じ。

宮島産
広島産

カキにはシャブリと言われるが様々な食べ方があり、生牡蠣、蒸し牡蠣、焼き牡蠣、カキフライ、牡蠣グラタン。。。調理法によってワインの相性も異なってくる。過去、カキフライにはNoteで10種ほどのワインを合わせてきたが、特に相性が良かったのは南アの白ワイン(シュナン・ブラン品種)、イタリア サルディーニャ島の白ワイン(ヴェルメンティーノ品種)、スペインの白ワイン(といってもシェリーを作るためのブドウを遅摘みしたまったりとしたワイン)の3つ。これらは四つ星レベルの相性でレアな五つ星はまだ出てきていない。フライのクリスピー、牡蠣のミルキーな部分、ほろ苦い部分の全てを高度な次元で調和して高め合うワインはなかなかない。

ヴィスタマール, シンプリシティ, チリ, シャルドネ, 638円(グラス)
相性: ★★★☆☆

上述Note (刺身に魚介の揚げ物づくし@さかなさま)

トゥア・リータ ペルラート・デル・ボスコ ヴェルメンティーノ 2,475円
相性: ★★★☆☆
サン・ジョヴァンニ マルタ パッセリーナ 1,733円
相性: ★★★☆☆
コンスタンシア・グレン ツー 3,564円 (南アフリカ ソーヴィニョン・ブラン68%とセミヨン32%)
相性: ★★★☆☆
チウ・チウ レ・メルレッタイエ 1,980円
Ciu Ciu, Merlettaie, Offida, Pecorino, D.O.C.G., Italy, 2020, 14%
相性: ★★★☆☆
ブラハム シュナン・ブラン, 2,178円
Brahm’s, Chenin Blanc, Paarl, South Africa, 2019, 14%
相性: ★★★★☆

上述Note (カキフライにディルマヨネーズ)

上述Note サーラガト, ヴェルメンティーノ, イゾラ・デイ・ヌラーギ, アッツェイ, 1,672円
相性: ★★★☆☆サンターディ ヴィッラ ソライス 2020, ヴェルメンティーノ イタリア, 2,244円
相性: ★★★★☆ボボデガス・ヒメネス・スピノラ, エクセプショナル ハーヴェスト, スペイン, 2,618円
相性: ★★★★☆

上述Note(ディルまぶし牡蠣フライにソース)

ポイロン・ダヴィン ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ シュール・リー, 3,960円(レストラン価格)
相性: ★★★☆☆

上述Note (特大サイズのカキフライ)

今回合わせたのはイタリアの白ワイン ソアーヴェ(ガルガーネガ品種)、ボルドーの白ワイン(ソーヴィニョン・ブラン品種主体)、さらに赤ワインはイタリアの サルディーニャ島の赤ワイン(カンノナウ品種)、ボルドーの15年熟成赤ワイン(カベルネ・ソーヴィニョン品種主体)の計4種。白ワインとはソースを付けずに食べ、続いてタルタルソースを付けて。赤ワインとは甘辛のブルドッグソースを多めにかけて。ソースを選ぶことでワインとの距離が一気に縮まる。

ボルドーは白、赤ワイン両方とも素晴らしい相性を見せてくれた。ボルドー白はカキフライに絞った柑橘のように作用し、またリッチなコクが牡蠣のクリーミーさとほろ苦さを包み込む。15年熟成のボルドー赤はカドが取れて果実味がまろやか、おおらか。牡蠣のほろ苦さをもみごとに包み込み一体となった。カベルネ・ソーヴィニョン品種主体だったので、もう少しメルローなどの他品種の比率が高いとワインの主張がもう少し穏やかになり調和レベルがさらに高まるか。それにしてもこのきれいに熟成したボルドーが3,000円少々でネットで買えるとはありがたし。

ボルドー白
熟成ボルドー赤

シーフードの万能なソアーヴェは安定感抜群。ただこのワインのフレッシュさやミネラル感はフライにした牡蠣よりも、生牡蠣、蒸し牡蠣、焼き牡蠣などの方が相性良さそう。

極上の相性はサルディーニャ島の赤ワイン。活き活きとしながらもやや緩さのあるフォーカスの果実味が甘辛ソースにも牡蠣のほろ苦さにもふわりと繋がり牡蠣、ソース、ワインが渾然一体に。五つ星!さすが島の赤ワイン。ボトル一本2,000円少々なのでグラス一杯では400円ほど。300円のカキフライと合わせて700円ほどで幸せに。

サルディーニャ島の赤

さて、カキフライとそれぞれのワインの相性について詳しく(多少細かいので読み飛ばして頂いて構いません)。


シャトー・ラリヴェ・オー・ブリオン, ブラン, フランス, ボルドー, 2018, 14%, 5,170円
Château Larrivet Haut-Brion, Pessac-Leognan, 2018, 14%

ボルドー地方のグラーヴ地域のなか、ぺサック・レオニャン地区の中心部に位置するシャトー。シャトーの歴史は14世紀まで遡る。1996年からは著名な醸造家ミシェル・ロラン氏をコンサルタントに起用。ソーヴィニヨン・ブラン75%、セミヨン25%。

香りにはピンクグレープフルーツ、オレンジの快活且つ熟度高い果実香。グリーンペッパー、レモングラスのハーブ香。よく溶け込んだ樽香、若さも残り熟成ポテンシャル高そう。
風味には力強い果実味、引き締まる酸味。鼻腔を抜けるリッチな樽香とヴェジェタルな芳香がバランス良い。噛めるような緻密で重量感ある質感。余韻はクリーミーでまったり。

カキフライにワインを合わせる。ワインの完熟果実味に樽香が統合し、まったりとした質感がカキフライのミルキーな部分に特に調和。力強い果実味をもちながらも酸味が効いていて、ほろ苦い部位にも反発せず包み込む。相性: ★★★★☆


ジーニ, ソアーヴェ・クラシコDOC, イタリア, ヴェネト, 2021, 2,920円
Gini, Soave Classico DOC, Italy, 12%,

イタリア白ワインの代名詞、ソアーヴェの代表的造り手「ピエロパン」、「イナマ」と共に「三大ソアーヴェ」と称えられえる「ジーニ」は、1700年代からブドウ栽培農家としてガルガーネガ種を栽培してきた歴史ある造り手。
丘陵地帯で栽培された平均樹齢60年以上のガルガーネガ品種100%使用。最低6ヶ月のシュールリー、ノンフィルターで瓶詰め。火山岩土壌主体、数ヶ所の畑は石灰質土壌。

香りには軽快で爽やかなグレープフルーツの柑橘香に花梨、ほのかに白い花、微かに潮の香りやワラ(樹脂)系のニュアンスも入りバランスよくきれいに纏まり上品なフレーバー。
味わいには瑞々しい果実味にキュッと舌を引き締める酸味、軽快でフレッシュ。果実味と他の要素の統合が素晴らしく上品。塩味のニュアンスや硬質なミネラルのほろ苦さもあり。ソアーヴェ・クラシコの魅力をギュッと上品に凝縮。

カキフライに。やや甲高い果実味が牡蠣の風味、苦味を心地よく包み、余韻をリフレッシュ。カキフライに柑橘を絞ったように爽やかに。相性: ★★★☆☆


パーラ, チェントセーレ, カンノナウ, イタリア, サルディーニャ, 2021, 14%, 2,189円
Pala, Centosere Cannonau, Sardegna, Italy

パーラは創業1950年。海抜150~180mに位置する粘土石灰質土壌の畑から樹齢平均35年のブドウを使用。名前のチェントセーレは「何百もの夜」という意味。なんだかロマンチック。

香りには完熟アメリカンチェリーに野イチゴ、ドライローズ。全房発酵かヴェジェタルなニュアンス。黒コショウのスパイス、ミント、ダークチョコレートのビターなニュアンス。
味わいには瑞々しくもパワフルで甲高い調子の果実味。強めのアルコールに喉が少し熱くなる。甲高い酸味、中盤から余韻にかけてビターネス。しっとり当たり持続的なタンニン。

カキフライに。甘辛ブルドッグソースを多めに浴びせて合わせる。牡蠣のほろ苦さとソースの甘辛に絶妙に寄り添う甲高く、緩めのフォーカスの果実味。甘辛ソース、ほろ苦カキ、ワインが渾然一体となる極上のペアリング。相性: ★★★★★


シャトー・ペイラボン, オー・メドック, クリュ・ブルジョワ3,069円
Chateau Peyrabon, Haut-Medoc, Cru Bourgeois, 2008, 13.5%,

1766年にギュイエンヌ地方を描いた地図にはすでにその名が記されるシャトー。19世紀の終わりにこのシャトーで開かれたコンサートには、当時のオーナーの友人でもあるヴィクトリア女王も訪問。1998年からはボルドーの大手ネゴシアン、ミレジマが所有。カべルネ ソーヴィニヨン 72% メルロー 24% プティ ヴェルド 4%。

香りにはカシスリキュール、プルーン。カカオ、チョコレート、鉛筆の芯にトースト香。野太いクラシックなボルドーお手本の香り。メントール、森の下草などニュアンスに富む。
味わいにはパワフルさを強く感じるが口当たりは滑らか。じっとりと舌に残るタンニン。塩味のニュアンスも。カベルネ優位で骨格が野太いワインがキレイな熟成の入り口に。

カキフライに。ワインの熟成してこなれた果実味が甘辛いソースと一体化。牡蠣のほろ苦さにもつながるが、カベルネ・ソーヴィニョン品種優位のためか、余韻はややワインが支配的に。相性: ★★★★☆

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