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NVC「鍵となる重要な差異(KD)」③

KDについての過去のnote


NVCの重要な差異(KD)
 ここには、現在のCNVC認定トレーナーを目指す人やNVCを学び、
 実践し、伝える人のためのリソースが書かれている通称CPPと呼ばれる
 「認定プロセス小冊子(Certification Process Packet)」に載っている
 25つのKD+14つのKDを載せています。

② NVC「重要な差異(KD)」の新"追加"リスト
 ここでは主に探求例とミキ・カシュタンさんとインバル・カシュタン
 さんが見つけた・定義したKDのリストを載せています。

NVC「鍵となる重要な差異(KD)」③(この記事)
 2005年のIITの小冊子に載っていたKDのリストをご紹介します。

*過去のnoteの中には書き換えたい部分もありますが、書き換えていると
 一つのnote内で書き換える場所がどんどん出てきそうなので、とりあえず
 は新しい発見や考察が出てきたら、④、⑤、と出していこうと思います。

今回は、2005年にカナダのビクトリアで開催されたIITの資料からの抜粋、というKDのリストを入手したので、そもそもマーシャルがどんな意図からKDを定義し始めた(集め始めた)のか、というお話も(改めて)含めてご紹介します。

(私が知っている限りの)KDの始まり


・ KDの始まりは1970年代または1980年代と言われています
  マリオン・リトル(Marion Little)さん、  ミキ・カシュタン
   (Miki Kashtan)さんなど
・ 上にリンクを貼ったNVCの NVCの重要な差異(KD)にも書きましたが、
  マーシャルがジャン・ピアジェの発生的認識論に影響を受けた、と
  ハワイ在住認定トレーナー&アセッサーのジム・マンスキー
  (Jim Manske)さんが言っているほか、スエーデン在住のリヴ・ラー
  ソン(Liv Larsson)さんもジャン・ピアジェとレフ・ヴィゴツキー
  (発達心理学)についてマーシャルと話した記憶がある、と言っていま
  す。
  それを踏まえると、KDは発達段階の指針として提示されたようです。

つまり、KDはどっちがNVC的でどっちがNVC的でないか、を指し示しているようでありながら、NVCを実践することによってA(誰が間違っているかゲーム)からB(人生を素晴らしくするゲーム)に移行する発達段階を示そうとした試みのようです。
そのため、私も、たとえば、キリンであるのかキリンをやっているのか、という2択ではなく、グラデーションだと捉えています。

NVCのKD(鍵となる重要な差異)

最近の私は、KDを「重要な差異」だけでなく「鍵となる重要な差異」と言いたい感じがあります。英語のKeyを「鍵」と「重要」のどちらの意味でも入れたい感じです。

それは、私にとってKDは鍵でもあり、重要でもあるからです。

2005年IITの小冊子に載っていたとされるKD

さて、本題のKDのリストです。

以下の概念は、非暴力コミュニケーションによって互いに異なるものとして規定されている。左側の概念は、実践が意図する意識のあり方を体現するものである。

1. 「あること」vs.「すること」
 "Being" vs. "Doing"
2. 修復的誠実さ vs. 報復的誠実さ 
 Restorative Honesty vs. Retributive Honesty
3. 共感 vs. 同情や他の形の反応(修正する、安心させる、物語る、など)
 Empathy vs. Sympathy and Other Forms of Response (fixing, reassuring,
 storytelling, etc.)
4. 防御的な力の行使 vs. 懲罰的な力の行使
 Protective vs. Punitive Use of Force
5. パワーウィズ vs. パワーオーバー
 Power With vs. Power Over
6. 感謝 vs. 承認、賛辞、賞賛(ほめる)
 Appreciation vs. Approval, Compliments or Praise
7. 選択 vs. 服従または反抗
 Choice vs. Submission or Rebellion
8. 観察 vs. 評価混じりの観察
 Observation vs. Observation Mixed with Evaluation
9. 感情 vs. 思考が混ざった感情
 Feeling vs. Feeling Mixed with Thoughts
10. ニーズ vs. リクエスト
   Need vs. Request
11. リクエスト vs. 強要
   Request vs. Demand
12. 刺激 vs. 原因
      Stimulus vs. Cause
13. 価値判断 vs. 道徳的判断
      Value Judgment vs. Moralistic Judgment
14. 相互依存(相互共存) vs. 依存または自立(独立)
      Interdependence vs. Dependence or Independence
15. いのちにつながっている vs. いのちから切り離されている
      Life-connected vs. Life-alienated
16. シフト vs. 妥協
       Shift vs. Compromise
17. 粘り強く(貫く) vs. 強要
     Persisting vs. Demanding
18. 自律 vs 服従
    Self-discipline vs. Obedience
19. 権威を尊重する vs. 権威を恐れる
      Respect for Authority vs. Fear of Authority
20. 無防備さ vs. 弱さ
       Vulnerability vs. Weakness
21. ニーズとしての愛 vs. 感情としての愛
       Love as a need vs. Love as a Feeling
22. 自己共感 vs. 感情をむき出す、抑圧する、感情に浸かる
       Self-empathy vs. Acting out, Repressing, or Wallowing in Feelings
23. 口語的なNVC vs. 古典的(格式張った)NVC
        Idiomatic vs. Classical (Formal) Nonviolent Communication
24. 推測 vs. 知ること
  Guessing vs. Knowing
25. 共感的に感じること vs. 知的に推測すること
  Empathic sensing vs. Intellectual Guessing
(Center for Nonviolent Communication, 2005)

Marion Little, Total honesty/total heart: Fostering empathy development and conflict resolution skills. A violence prevention strategy (222ページ) 

KDを探求するガイド動画

「KDを探求する1つの方法」としてジム・マンスキさんから教わった探求方法を動画にしました。試してみたかったらぜひご活用ください♪

おまけ(愛について)

2005年のリストだと21番、2016年版のCPPだと22番に載っている
「愛」については、こちらをご覧ください。

余談ですが…

先日ミキ・カシュタン(Miki Kashtan)さんの音源を聴いていて(多分2017年のものです=うろおぼえ)、
私にとってpower withとはそこにwillingnessがある、ということ
(willingness=やる気、意欲、yesと言っている)
と言っていました。

それを聴いて、確かにpower overって何かを強要している感じとか、やらないと罰を与える(または罰を与える可能性を醸し出している)なぁ、と思って、「power withとはそこにwillingnessがある」を何度も思い出しては味わっています

あなたにとってのKD、そしてpower withまたは修復的な世界というのは、どんなもの・どんな感じ(イメージ)ですか?

よかったら教えてください💕


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