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ささいなことでも驚く心理『びびり』とは?~HSPの特徴と向き合い方~

「HSPとは何か?」この質問に対する答えを求める人は多いのではないでしょうか。ささいなことでもびっくりしてしまう、音や光に対して高感受性な人々に関する理解が深まることで、生きづらさを少しでも軽くして、生活の質を向上させるヒントが見つかるかもしれません。本記事では、HSP(Highly Sensitive Person)の定義から特性、生きづらさ、そして対処法まで、詳しく掘り下げていきます。

HSPとは何か?

HSP(Highly Sensitive Person)は、特に刺激に敏感な人のことを指します。
HSPは、普通の人よりも音や光、他人の感情など、ささいなことにも敏感に反応します。これは、神経系の働きが特に活発なためです。ただ、これは病気というわけではないので、気に病む必要はありません。当てはまるから、急いで病院に行って診察してもらわないといけない、ということではないので安心してくださいね。日本人の5人に1人程度はHSPという気質ですので、生まれ持った性格のようなものだと認識してもらえれば良いかなと思います。そして、人によって5つの感覚のうち、どれが優れているかは、人によります。

視覚なら、目で見たものから得る情報に敏感になります。
聴覚が敏感なら、耳から聞こえる情報に敏感になります。
嗅覚が敏感なら、鼻から入ってくる情報であるニオイに敏感になります。
触覚が敏感なら、肌から入ってくる情報である、温度や気温、痛みなど触った感覚に敏感になります。
味覚が敏感な人は、舌から入ってくる情報の味に敏感になります。

こんなふうに、HSPの中でもいろんな分類ができます。
さらにタイプごとで4種類に分類することもできるのですが、そちらはまた今度記事にしようと思います。

たとえば、あなたが友達とカフェで話していると、1つの音や他のお客さんの話し声、カフェの明るさなど、普通は気にしないことでも、HSPの人はそれらに過敏に反応することがあります。

すごくささいなことでもびっくりしてしまう、普段から何かに怯えているような人は、音や目で見た情報に対して敏感だと考えられるのです。

HSPの繊細さと生きづらさ


HSPは、その繊細さから生きづらさを感じることがありますが、適切な対処法を身につけることで、より充実感のある生活を送ることができます。
HSPは、刺激に敏感なため、過度なストレスや疲労を感じやすく、生きづらさを感じることがあります。

外部刺激への過敏さや感情の深化は、HSP(Highly Sensitive Person)の各感覚に関連した悩みを引き起こす要因となります。先ほど紹介した5つの各感覚ごとに具体的な悩みとその影響について詳しく解説します。

1. 視覚感覚

  • 悩み…HSPの人は視覚的に過刺激を受けやすく、明るい場所や視覚的に複雑な環境でストレスを感じることがあります。たとえば広い教室や会議室、電気屋さんなどでは、眩しすぎると感じてしまうことがあります。また、美的な要素に対する感受性が高いため、見たものの美しさや醜さに強く反応します。

  • 影響…過度の視覚的刺激はHSPに疲労感をもたらし、注意力が散漫になることがあります。一方、美的な要素に過敏に反応することで、環境の美しさや乱雑さによって感情が揺さぶられることがあります。

2. 聴覚感覚

  • 悩み…HSPは音に対して非常に敏感で、騒音や大きな音、高音に過敏に反応します。たとえば花火、パチンコ屋さん、カラオケなどが苦手だと感じる場合があります。このため、人混みや騒がしい場所で過ごすと、すぐに疲れたりイライラしたりします。

  • 影響…聴覚過敏はHSPに不安やストレスをもたらし、集中力の低下や精神的な疲労を引き起こすことがあります。一方、音楽や自然の音にも強く反応し、リラックスに活用することができます。

3. 嗅覚感覚

  • 悩み…HSPは嗅覚にも敏感で、異なる匂いに対して過敏に反応します。不快な匂いや化学的な香りに敏感であるため、たとえば特定の環境や香水、清掃用品、腐りかけの食材などが不快に感じられます。

  • 影響…嗅覚の過敏さはHSPに頭痛や不快感を引き起こすことがあります。また、特定の匂いに対する過敏な反応は、環境の選択や人間関係に影響を与えることがあります。生理的に受け付けないといった他人のニオイで関係は変わってしまいますよね。

4. 味覚感覚

  • 悩み…HSPは味覚にも敏感で、食べ物の味や食材の質に過敏に反応します。特に苦い味や強い風味に敏感であるため、食事の選択が制限されることがあります。たとえば甘味が好きで苦いものや辛いものが苦手だったり偏ることもあれば、逆に添加物を嫌ってしょうゆやソースを必要とせず、食材そのままの純粋な味を楽しんだりすることができます。

  • 影響…味覚の過敏さは食事の選択に影響を与え、特定の食材や料理を避けることがあります。これは栄養面での課題を引き起こす可能性があります。

5. 触覚感覚

  • 悩み…HSPは皮膚感覚に敏感で、衣服の質感や温度の変化に過敏に反応します。服のラベルや縫い目が触れている体の部分が気になったり、寒さや暑さに敏感に反応することがあります。

  • 影響…皮膚感覚の過敏さはHSPに不快感や疲労感をもたらし、快適な環境を求めることがあります。特に衣服の選択に慎重であり、寒暖の調整に注意を払うことがあります。

これらの感覚の過敏さはHSPに生活の中で様々な課題をもたらすことがあり、自覚していなくても自己調整や適切な環境の選択を通じて、これらの課題に対処しようと努力します。

繊細なせいで、他人と違っているところも多く、普段から苦労している場合もあるのですが、その繊細さが長所にもつながります。
仕事をしている社会人の中にも、HSPの人はたくさんいます。注意深く仕事をすることで、ミスを減らし、クリエイティブなアイデアを出すことができます。

HSPの長所


HSPの長所は、繊細さから生まれる深い思考や共感力、創造性です。
HSPは、刺激に対する敏感さから、他の人に比べて情報をより深く処理し、独自の視点から物事を見ることができます。また、共感力が高いため、人間関係を築くのが得意です。
たとえば、HSPの人はアーティストや作家、カウンセラーなど、創造的な職業に向いています。また、チームの一員として、他の人々の感情を理解し、協力して問題を解決するのにも優れています。

長所をもっと詳しく見ていきます。

Depth of Processing(処理の深さ)
HSPは情報を深く考えることが得意です。

HSPは、情報をより深く処理し、物事を熟考することが得意です。これは、脳の働きによるものです。

たとえば、HSPの人は問題解決やクリエイティブなアイデアの提案において、独自の視点を持っています。彼らは情報を集めて検討することで、効果的な仕事をすることができます。

Overstimulated(刺激を受けやすい)
HSPは外部の刺激に過敏に反応しやすいです。
HSPは、音や光、匂いなどの刺激に対して、普通の人よりも過敏に反応します。これは、神経系の働きが活発なためです。
たとえば、オフィスでの仕事中、HSPの人は騒音や明るい照明に敏感に反応し、集中力を失うことがあります。彼らは静かな環境で仕事をすることで、より効果的に作業を進めることができます。

Emotional Reactivity and High Empathy(感情的反応性・高度な共感性)
HSPは他人の感情に敏感で、共感力が高いです。
HSPは他人の感情に鋭敏に反応し、共感力が高いため、他人との関係を築くのが得意です。
たとえば、HSPの人は同僚やクライアントの感情を理解し、協力して問題を解決するのに優れています。彼らはチームの一員として、協力的で信頼性の高い仕事をします。

Sensitivity to Subtleties(些細な刺激に対する感受性)
HSPは些細な変化や刺激に対する感受性が高いです。
HSPは小さな変化や微細な刺激にも注意を払い、それに反応します。これは、彼らの感受性の特徴です。
たとえば、HSPの人はプロジェクトの進行において、細かなディテールに気づき、ミスを減らすのに役立ちます。彼らの感受性が高いため、品質管理においても優れた仕事をします。

HSPの困りごとと対策
HSPの困りごとは、自己評価の低さ、発達障害との類似点、外向的な誤解、ネガティブな思考、対人関係の悩みがありますが、適切な対策を取ることで克服できます。
HSPは、繊細さからくる悩みを抱えることがありますが、自己理解やコミュニケーションスキルの向上など、対策を取ることで困りごとを解決できます。
自己評価の低さに悩むHSPの人は、自分の強みを認識し、ポジティブな思考を養うことが大切です。また、発達障害との類似点に困る人は、専門家のサポートを受けることで区別がつきやすくなります。外向的な誤解や対人関係の悩みには、コミュニケーションスキルのトレーニングが助けになります。

気分が落ち込まないようにする対処法


HSPの人は、気分が落ち込まないようにするために、自分の感情を大切にし、ストレスを軽減させる方法を取ることが大切です。
HSPは、外部の刺激に過敏に反応し、気分が落ち込みやすいことがあります。しかし、自分の気持ちを理解し、ケアすることで、ポジティブな気分を保つことができます。
たとえば、HSPの人は仕事の合間にリラックスする時間を取り、自分の感情を表現する場を持つことが大切です。感じたことや思ったことを日記に書くことで、気分のコントロールがしやすくなります。

1人の時間をつくる
HSPの人は、適度に1人の時間を取ることで、リラックスし、自分をリセットすることができます。
HSPは社交的な環境で共感力を発揮しすぎて疲れやすいため、一人の時間を持つことで刺激から離れ、リフレッシュできます。
たとえば、HSPの人は仕事の合間に静かな場所で一人の時間を楽しむことができます。読書や散歩など、自分自身を癒す時間を持つことで、ストレスを軽減させます。

周囲の音や光を遮る
HSPの人は、周囲の音や光を遮ることで、集中力を高めることができます。
HSPは外部刺激に過敏に反応し、仕事中に集中力を保ちにくいことがあります。しかし、周囲の音や光を遮ることで、仕事に集中しやすくなります。
たとえば、HSPの人はイヤープラグやノイズキャンセリングヘッドフォンを使って、周囲の騒音を軽減させることができます。また、仕事スペースにカーテンを閉めて、外部の光を遮ることも効果的です。

自分自信の気持ちを書いてみる
HSPの人は、自分自身の気持ちを書き出すことで、感情の整理やストレスの解消に役立ちます。
HSPは感情的になりやすいため、感情を整理し、ストレスを解消する必要があります。また、他人に共感しすぎて、自分自身の感情なのか、他人の感情なのかがわかりにくくなってしまうこともあります。だから、自分自身の気持ちを書き出すことは自分の感情と他人の感情を分けて考えることができて、ごちゃごちゃしている頭の中を整理する手助けになります。
たとえば、HSPの人は日常の感情やストレスを日記に書き留めることができます。これにより、感情の整理がしやすくなり、より落ち着いた状態で仕事に取り組むことができます。

まとめ


HSPとは、繊細で刺激に敏感に反応する人々の特性です。この高感受性がもたらす深い思考や共感力は長所ともいえますが、生きづらさも伴います。しかし、適切な対処法を身につけることで、HSPの方々は自分自身をより理解し、充実感ある生活を築くことができます。HSPに関する理解を深め、自分や周囲の人々との関係をより良くする手助けとなるでしょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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