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小説【 真・ハーメルンの笛吹き男 】

「ハーメルンの笛吹き男」伝説は、1284年6月26日にドイツ・ハーメルンに笛吹き男が現れて、130人の子供たちを引き連れて消え失せたというもの

【童話】ハーメルンの笛吹き男【あらすじ・ネタバレ】

ハーメルンは笛を吹きはじめた

とても軽快なリズムで瞬く間に民衆を虜にした

「 もっと!もっと!」


と民衆はさらに激しいリズムを欲した

ハーメルンはさらに踊れる愉しいリズムを奏ではじめた

娯楽に飢えていた民衆はさらに興奮し
ますますギャラリーが増えていく

小さい町だったので すぐに伝播し
ほぼ町の全員が集まった

聴いたこともない音色だった

不思議なことに 笛の音は
盛大な歓声にかき消されることなく
大音量で 町じゅう響きわたった

「 もっと!もっと!」


さらに民衆は 過激なリズムを欲した

熱狂のあまり卒倒する者
理性を失い 衣類を脱ぎ捨て 乱交する者までいた

ハーメルンは戸惑っていた

まさかここまで受け入れらるとは思ってもみなかった

おれはただ 復讐がしたかったのだ

音楽により オレを見下したコイツらを
圧倒してやりたかった

目論見は 成功したかに見える

がしかしこれは予想以上だ

ハーメルンは全身の毛がよだつのを感じた

けれどもそんなハーメルンの心中を察する者は
誰一人としていなかった

「 もっと!もっと!」


民衆の熱いコールに呼応するかのように
ハーメルンはさらに全力で吹き返した

今さらもう 後に引けやしない
やれるところまでやってやろうじゃないか

知らぬ間にハーメルンさえ理性を失いつつあった

「 あゝ気が狂いそう!」
「 あなたのファンです!」
「 もうどうにでもして!」

はたしてオレは踊らせているのか
オレが踊らされているだけなのか

一瞬そんな迷いが脳裏をよぎるが
荒れ狂う聴衆の渦中へ 一瞬で かき消えた


そうして
ハーメルンの笛吹く一行は闇の奥深くへと消えていった


この町には誰もいなくなったとさ

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