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席選びで決まった入学式の思い出


入学式とはいえ、まだ雪の残る北海道の4月初旬。

普段の通勤なら春コートだけれど足元はショートブーツだったり、アスファルトは見えてるけれど寒すぎてその逆もあったりと、ちぐはぐなことになりがちな雪国の4月。

でも、さすがに入学式だもの。
キチンとしたほうがいいかな、と。
スーツだしね、と。

服装も悩みつつ、スーツ用の春コートにパンプスを履いて出掛けた親として初めての入学式。
学校に着くまでに雪解け水がストッキングに跳ね、若干足も濡れて失敗だったかなと周りを見ると、冬靴と春靴が半々くらい。学校に着いてしまえばスリッパなのだし、来年の次女の時は冬靴にしようと心に決めた。
学校の玄関で、ふくらはぎに跳ね上げた汚れを拭きつつ、たぶん第1子の親は春靴なのかも、などと余計な想像をふくらませながら教室へ向かった。

1年生の新鮮な教室。通っていた保育園は1学年20人位の園で、そこから同じ小学校に通う子は半分位。小学校は3クラスあり、知った顔もあるけれど少数で、その他大勢は知らない顔で、そんな中にちょこんと座っている娘。
みんなちょっとだけ緊張の面持ちで、みんなちょっとだけ浮き足立っていて、ちょっとだけよそいきの空気が漂っていた。
あの空気感、なにか始まっていく感じ、いいよね。

親は先に体育館へ案内され、我が子を撮るのに絶好の位置に目星をつけて席に着く。小学校始まって最初のお仕事は席選び。

ウチは1組だから向こうかな、とか。子どもが歩くために開けられている通路横、とか。
体育館の前面中央に新1年生が座り、コの字になるように親の席が配置されていた。私は背が小さいので、前に人がいるとまるっきり見えなくなってしまうので、まだ前が空いていたサイドの席に座った。3組だから右側に。

しばらくして新入生登場。
私と同じく背の小さい娘は1番前で担任の先生と手を繋いで登場。体育館の入り口で一礼して歩き出すというおまけつき。そんな出だしのところから、席に着くまで目立つ。どこにいても見える、動画も写真もばっちり、な位置。
小さい小さいと思ってきたけれど、この日ばかりは小さくて良かったと
心から思った。

翌年次女の入学式。
同じように雪解け道のなかを、私は冬ブーツで出掛けた。どうせスリッパになるのだし、と前年の学習を活かして。
会場でも、同じく小さい子なので1番前だろうとふんで同じようなサイドの席を陣取った。
がしかし。
次女は前から2番目だった。
男子が右、女子が左で並んでいて(正直長女の時はどっちに女子とか全く気にならなかった。1番前だったからどちらでもよく見えた)私は男子側に座っていて、歩いてくるときは前の子に隠れて見えず、横を通るときは隣を歩く男の子に隠れて見えず、そんなに足並みそろえずに少しくらいずれて歩いてくれないかしらと思うくらいきっちり隠れていた。
結果、ほんの一瞬写ってるだけ……。


ここで学ぶ。
男女どちらを歩くのか知っていると座る場所も考慮できるということを。え?常識ですか?まあ、3人目はいないので、時すでに遅し。

入学式には新2年生からの歓迎の言葉があって、2年生になった長女がその発表に参加していた。次女の入学式の映像は次女が数秒しか写っていないにもかかわらず、長女が「秋には学習発表会、歌声が響く」等のセリフを言い、合唱と木琴での演奏をしている姿がずっと写っている。

長女にはいいのだけども。どちらが主役かわからない映像……。
よって次女の小学校の入学式は、長女の映像を集めた動画に収納されている。ごめんよ次女よ。
写真なども1番目の子が多くなりがち、と世間ではいわれるから、それなり気をつけていたのにとんだ失態。母は大変反省している、つもり。
一方で、映像なんて思い出。心に残っているから大丈夫。そんな言い訳もしている私。

これからの皆様は、そうならないように、念入りな席選びをおすすめする。
せっかくの晴れ舞台。すべてのお子さんに、いい映像が撮れますように。

<余談>
娘とは別に入学式で印象的だったこと。娘が通う小学校はスクールバンドがあった。その子どもたちが入場から校歌、退場までの音楽を演奏していたことだ。いわゆる子ども生バンド。私の学生時代にはなかったことなので感動したのを覚えている。そしてそれは長女の心にも残ったようだ。このあと小中高大と音楽生活を送ることになる。


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