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やさしい世界は、ちゃんとある|育児日記

2023年9月に長女くんちゃんを出産。穏やかでちょっとおかしな夫ゴジくんとともに育児に奮闘する日々を綴ります。

2024/1/25 4m10d

時間にすると1時間未満のできごと。家を出て、バスに乗って、クリニックでくんちゃんに予防接種を受けさせる。たったそれだけなのに、ワンオペだと常に全神経を尖らせなければならない。

特にバスは難関だ。前回バスに乗ったときの嫌な思い出が魚の小骨のように胸の奥に突き刺さっていて、どうしても億劫になってしまう。今回は初めての二人きりでのバス乗車。またギャン泣きしてしまったらどうしよう。せめてベビーカーではなく抱っこ紐で行こうか。それとももうタクシーで行ってしまおうか。家を出る直前まで迷ったけれど、ここで逃げるのは「子育てしづらい社会(を作っている人たち)」に屈することになる。それどころか、一市民であるわたしとくんちゃんが正当な移動手段を諦めることで、その社会をさらに加速させてしまうのではないか。昨日たまたま目に止まったベビーカーでのバス乗車について扱った記事に書かれていた「(要約)どんどんベビーカーで外出して、周囲の人もどんどん手伝いを名乗りあげてほしい。助け合っている光景が子連れに否定的な意見を持つ人の意識を変えるのでは」という大学教授のことばに、背中を押された。よっしゃ、乗るぞ。堂々とベビーカーでバスに乗ってやるぞ!と。縮こまる心臓を奮い立たせ、気合いを入れてバスに乗車した。

願いが通じたのか、くんちゃんは大人しくしてくれていた。それでも時折幌の下から怪しげな声が聞こえてくるのでそっと小さな手を握る。やわらかであたたかくて、むしろこちらが力をもらったような気がした。無事終着点に着き、ほかの乗客が全員降りるまで待って、乗り口から降ろさせてもらう(降り口より広いため)。すると、見知らぬおばさまが待ち構えていた。「あなたたちが降りてくるのを待ってたのよ〜」と言いながら、なんとベビーカーを降ろすのを手伝ってくれたのだ。これはバスの神様がくれたサプライズ?感動して思わず泣きそうになってしまった。いや、ちょっぴり泣いた。トラウマになったあのときと同じ路線、同じ時間帯、同じくらいの年齢と思われる女性。なのにこんなにも違う想いでバスを降りることができるとは。寒空の下、わたしの心は熱く震えた。おばさまありがとう、ありがとう。がんばってバスに乗ってよかった。やさしい世界はちゃんとあったんだ。

その後、くんちゃんはクリニックに着くなり何かを察してギャン泣き。予防接種後も延々とギャン泣き。仕方なく30分の道のりを歩いて帰るが、家でもギャン泣き。夜寝かしつけた1時間後にもギャン泣き。今日はお互いがんばったよ。お疲れさまでした。明日は絶対に何もしないぞ。授乳とオムツ替えとお風呂と洗濯と食器洗い以外、断固として何もしないぞ。

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