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前頭葉:運動前野(PMC)とは

本日は運動前野(PMC)についてまとめていきます!

前頭葉は結構内容が濃く、知れば知るほど面白い領域だなあと思います🙂

それでは本日もよろしくお願いいたします!



運動前野はどこにある?役割はなに?

運動前野(以下:PMC)は、前回まとめたSMAと同じくブロードマンのマップで6野にあります。

SMAと共同しながら、外部誘導性の運動計画に関与しています。

主な役割として、運動プログラムを生成するところになります!

SMAも運動プログラムを生成するところでしたが、SMAと違うのは👀視覚や👂聴覚、🖐️体性感覚によって動作を誘導しています。



感覚情報をもとに動作を誘導するって?

感覚情報をもとに動作を誘導するとは・・?あまりイメージが湧きにくいですよね。

以下の画像で解説していきます

PMCを損傷していない猫の手になります

引用元:いらすとや

穴から手を入れてお金を掴み取る』というプログラムが生成できていますね

PMCを損傷していないため、入ってきた視覚情報をもとに運動プログラムが立てられています。



こちらは、PMC損傷後の猫の手になります

引用元:いらすとや

PMC損傷後の猫は、穴から手を入れてお金を取るという運動プログラムが立てられていません。

つまり、PMCを損傷してしまうと
入ってきた視覚情報をもとに運動プログラムが生成できない
            ||
視覚をもとにした(順序立て)運動計画が立てられない
           ⇩
『穴がある』『お金がある』と思っても、これらを分けて考えてしまうため穴から手を入れてお金を取るという運動プログラムが立てられません。


運動を起こす経路について

運動を起こす経路はインターナルループとエクスターナルループの2つあります。
この2つについて解説していきます!

①インターナルループ(Internal Loop:記憶誘導性の運動)

インターナルループは、前頭葉の前方から内的欲求に基づいてSMAで運動計画を行いM1で運動を起こしていきます

②エクスターナルループ(External Loop:外部誘導性の運動)

エクスターナルループは外部から入ってきた情報に対し、運動を起こしていきます


①と②はそれぞれ協働していると言われています。
ちなみに、、、
パーキンソン病のすくみ足は1歩目が出ないという症状がありますよね。
PD病は大脳基底核の黒質と言う部位が損傷するため、大脳基底核によって制御されているインターナルループが使えないため、運動を起こすことができず1歩目が出ずにすくんでしまうといった症状が出ると言われています。
そのため、エクスターナルループ(外部刺激)を代償としてメトロノーム(👂聴覚刺激)や床に線を引く(👀視覚誘導)、背中をトントン叩く(🖐️体性感覚)を使いながら、運動の代償を行なっています。
ただ単にPD病にはメトロノームとだけ覚えるのではなく、こういった脳内メカニズムを知っておくと根拠を持った介入が可能になってくると言うわけですね。

また、臨床ではリーチ訓練を行うこともあるかと思いますが
・何もないところで(空間に向かって)リーチをする:インターナルループ
・目印(輪投げなど)に対しリーチをする:エクスターナルループ
と言ったように、同じリーチ訓練に思えても脳内のメカニズムは全く違うループを使用していると言うことがわかりますね。


SMAやPMCは姿勢制御にも関与する?


Leisman G et al:Thinking, Walking, Talking: Integratory Motor and Cognitive Brain Function.Front Public Health. 2016 May 25;4:94

この画像を使用し解説してきます。

例:前ならえのように手をあげる
という運動は、簡単に言うと三角筋の随意運動(🟦青色の矢印)ですよね。

しかし、この🟦青色の矢印を起こす前に、6野(SMA、PMC)で『手をあげる』という運動計画を作っています。
6野(計画)→4野(実行)へ設計図を渡す(🟢緑の矢印:上に向かう)ことで4野で運動実行を行います。

しかしこのほかに、6野から下方に向かう🟢緑の矢印があることにお気づきでしょうか・・。
この脳幹網様体や脊髄に向かって走行する『姿勢制御のプログラム』が超重要になってきます。
6野で計画して4野へ設計図を渡して手を挙げるという運動を行う0.1秒前に下降性に脳幹網様体を通って姿勢保持筋(脊柱起立筋群やヒラメ筋など)の方へ『✉️姿勢を安定せよ』と言う命令が出されているんです。!


Q、なぜ4野が活動する前に姿勢保持筋が働く必要があるの?

姿勢保持筋が働く前に手を挙上すると、体側にあった手の重さが前方へ移動します。
手の重さが前方へ移動する=質量中心(COM)が前に行きバランスが取れず倒れてしまいますよね
そのため、手を挙げると言う運動をする前に姿勢保持筋が先行して体を安定して(無意識)、円滑に運動が行えるというわけです!

これは全ての運動時に生じており、姿勢制御が働いた後に運動が生じるメカニズムになっています。


以上がPMCの役割について解説してきました!

いかがだったでしょう🧐

次回は前頭葉編ラストの前頭前野(PFC)について解説していきます!

次回の投稿まで少しお待ちください☺️

最後までご覧いただきありがきありがとうございました!

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