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教師の名言・格言 その20    「水泳は、泳いでいる時間が多ければ多いほど泳げるようになる」

教職についていると出会ったり、浮かんだりする言葉があります。それらを自分なりに名言・格言としてみました。

No.026 「水泳は、泳いでいる時間が多ければ多いほど泳げるようになる」

何を言ってるんだと言う言葉である。
あたりまえじゃないか。と言える。
しかし、この言葉は名言としてずっと頭に残っている。
この言葉は、先輩の先生から聞いた言葉である。
どういった内容か。
結論から述べよう。
水泳指導は、指導云々よりどれだけ泳いだかで泳力の差が出ると言うもの。
まさに「習うより慣れろ」である。
「人間は泳ぎ疲れたときが、一番楽で効率的な泳ぎに体が動く」
とも言われた。
勤務当時、その学校は1学年5クラスor6クラスの非常に大きな学校であった。
当然1学年の人数は200人越えである。
夏の水泳指導も大変。
プールの規模は、他の学校と規模は同じ。25mプールで6コースである。
当然、泳力別に振り分けるが、2コース平均60人よりも多くなる。
一人あたりの泳ぐ時間を考えてみてほしい。
2コース30人に比べると半分以下の時間しか泳げない。
「泳ぐ」という体験をするにしても時間は少ない。
当然、ちょっと泳げるようになったかな?という頃に授業が終了する。
そんなことで泳力は上がるものではない。
そこで、人数が多くても効率的にどんどんと泳がせる方法を考える。
どうするか。
子どもをプールにいったん入れると、上(プールサイド)にはなかなか上げないのである。
具体的に言うと、
①最初は泳ぐのが速い順にプールサイドからプールに入れる。
②教師の合図でビート板を使い、バタ足をさせ、3コース往路、4コース復路で泳がせる。
③2~3mほど前の児童が泳ぐと次の児童に合図を出し泳がせる。
間髪いれずに合図を出していた。
なぜかというと、前の児童の方が速く泳ぐので、追いついてぶつかる危険はほとんどないから。
④それをどんどん繰り返す。
⑤先頭の往復した児童は、プールサイドには上げず、3コースに移り次の合図でまた往復する。
⑦最後の児童と先頭の児童では、泳ぐ速さに大きな差があるため、最後の児童が出発してから15mぐらい開けて先頭の児童を出発させる必要がある。そうしないと追いつきぶつかる危険もあるから。
これの繰り返しである。
バタ足、腕だけ(ビート板を股に挟む)、手と足のコンビネーション。と順に練習をしていく。
教師は、合図をプールの10m辺りで出し、泳いできた児童のフォームをチェックし、声かけをするなど指導していく。
これを繰り返すと相当な量を泳ぐことになる。
子どもは、へとへとになる。
この「へとへと」がよい。
どんどんできるだけ疲れない泳ぎ方を体が模索し、きれいなフォームになっていく。
最初、「こんなので泳げるようになるんだろうか?」と疑問に思ったが、泳げるようになっていった。その時、なるほどなあと思ったものである。
思い返せば、小さい時、海に行った時である。最初簡単に「かえる泳ぎ」を教えてもらい、あとは遊びながらどんどん泳いでいった。すると、いつの間にかスイスイ泳げていた。
そんな経験があるからか、この指導法はすぐに納得できた。
人数の多い学校の指導法というより、どんな規模の学校でも指導可能であると言える。
現在は、人数も少なくなりきめ細かい指導もできるようになっている。
しかし、基本はどんどん泳がせ、体を水に慣れさせ、体で覚えさせることであると考える。

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