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幼児教育無償化の不安


   全国私立保育園連盟が主催する公定価格に関する研修会に出席しました。改めて、国・市からの委託費の根拠について考える機会になりました。

 保育所の委託費は、積み上げ方式で、年齢毎の基本単価に、必要な加算がされ、一人あたりの保育単価が決まっています。年齢だけでなく、定員や地域によっても単価は違います。積み上げ方式だからこそ、金額の根拠があり、その金額が適正かどうかを判断したり、もっと増額するべきだという訴えもできるという話しを聞いて、納得しました。

 今日の研修会でも、10月から実施される幼児教育無償化に伴って給食費が実費徴収になるという話がありました。国は、3歳以上児の給食費は4,500円を基準にするようです。りんごの花保育園では、主食費1,000円を頂いているので、合わせると、給食費は5,500円になります。
 幼児教育無償化の財源は10月から始まる消費税です。8%が10%になると、5兆円ほどのお金が入り、そのうち8,000億円が幼児教育無償化の財源になるそうです。

 幼児教育無償化の対象になるのは、幼稚園、保育園、幼保連携型認定こども園だけでなく、認可外保育施設もです。認可保育園に入れない、仕事の時間が認可施設では対応できないなど、様々な理由で認可外保育施設を利用されている人がたくさんいます。同じ3歳以上児であるなら、無償化の恩恵を受けるのは当然です。
   でも、行政の立入検査や指導を受けていない認可外保育施設も対象になるのです。保育施設の設備や保育内容を誰もチェックしないのは怖いです。
 このチェックを免れる期間は5年。5年後、無償化の対象施設でいるためには立ち入り調査などを受けなくてはならなくなります。

 逆に言うと、5年間はどんなにひどい施設でも、保育内容でも、給付金が支給されるのです。5年は長すぎます。以前、インターネットで保育を請け負った男性が、預かっている間にこどもを死なせてしまったこと(それもとてもひどい仕打ちで)を、もう国は忘れたのでしょうか。

 幼児教育が重要で、一生涯を通して大事な時期だからこそ無償化にする、というのであれば、こどもの命や心が軽んじられることがないような施策が講じられることを心から祈ります。

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