「プーのおばかさん」

この一言から
胸が締め付けられるほどの愛を感じる。

9月14日（金）に公開されたディズニーの新作

【プーと大人になった僕】（2018）

ディズニーで長年愛されている愛らしいキャラクター

「くまのプーさん」が初の実写化。

主演に「トレイン・スポッティング」や「ビッグ・フィッシュ」の

ユアン・マクレガーを主演に迎え、忘れていた大事なものを探すハートフルドラマ。

お話としては

大人になり、家庭を持ったクリストファー・ロビン（ユアン・マクレガー）は家族に呆れられるほど、仕事漬けの毎日を送る。
大事な仕事を任され頭を抱えているときに、子供時代の親友・プーが目の前に現れてクリストファーは大事な気持ちを思い出していく…

という、あらすじからして
ちょっと泣いちゃうぐらいのお話をディズニーさん、作ってくださいました。

まず、ヴィジュアルが公開された時にプーの毛並みのケバケバさに心惹かれました。

ほら。すっごいケバケバ。かわいい。

撮影には実際の人形が使われたそうで（プーやピグレットなど100エーカーの森の仲間たち）、変にCGを使うよりも全然、見ていて映画の中に人間とキャラクターたちの違和感を感じなかった。ので、よかった。

しかも実際の人形を使うことによって、なんだか作品全体に温かみが生まれていてストーリーだけではなく、映像もほっこりと観れました。

劇中でプーと再開した時にクリストファーロビンが

『僕は変わった！』

とプーに言うところがあって、それに対しプーは

『何も変わっていないよ』

と落ち着いた表情で言うんですね。

少年から大人になって、見た目も中身も変わってしまったクリスファーロビンを一目で見つけたプーは

クリストファーロビンの「芯」の部分を見ていたのでしょう。

大人になるにつれて

芯の周りを囲むものは変わってしまうかもしれないけれど

結局、子供から大人になってもみんな芯の部分って変わらない。

いくら嫌な経験をしても、汚いものを見たとしても

その人の生まれ持った心の芯の部分って変わらないんだ、と。

プーは最初から相手の「本質」を無意識に見れていたんですね。

なかなか相手の本質って見れるようで見れなくて

いいところもわるいところも

ひっくるめて、広い心で見て接するのって難しい。

やっぱり、人と一緒にいるとわるいところが目についてしまうし

無意識のうちに相手を自分の思い通りに動かそうとしてしまう。

だからこそ、プーが
相手の「本質」をみて、無垢な気持ちで接していることが、本当に凄いことだと感じた。
し、プーのようなあたたかい気持ちで相手の「本質」と向き合えたら、と思った。

そしてこの映画、
本当に素敵なセリフがたくさん出てくるのですが

のんびり屋で、すこしおとぼけなプーはクリストファーの言った言葉の意味が一回で理解できなくて

それに苛ついてしまったクリストファーが

『君はほんとうにおつむが小さいな！』

と声を荒げるのですが

映画の後半。

プーの優しさに気付いたクリストファーが

おとぼけなプーに対して言ったひとこと。

『プーのおばかさん。』

このセリフは

アニメーションの「くまのプーさん」で

クリストファーロビンがプーに対してよく使う言葉なのですが

プーがドジだったり、天然な行動を取ったとき

クリストファーが、少し呆れながらも
「かわいいなあ」とプーを愛おしむときに必ず使われるお約束の言葉なんです。

大人になって
嫌でもしっかりしなくちゃいけなくて

知らずのうちにせっかちになったり
自分より弱いと感じる立場のプーに対して当たったり、傷つけてしまっていたクリストファーが

プーと子供の頃のように過ごすことによって

大好きで愛おしかったプーへの気持ちを思い出し

''プーのおばかさん''

この言葉が自然と出てきたのだと思いました。

そんな、クリストファーのプーへの愛情を
この一言から感じられる。

このセリフが出てきたとき
涙ちょちょぎれでした。もう、愛おしさで胸いっぱい。

ディズニーチャンネルで育った子どもだったので、「くまのプーさん」の映画やアニメシリーズをよく見ていたので、
映画を観たとき、小学生のころの記憶をふと思い出したり、どこか懐かしい気持ちになりました。（小学校から帰ってきて大体14時ぐらいに毎日プーさん観ていたのです。）

ロンドンのどこか寂しげな風景と
やわらかく温かいプーや仲間たちの姿がなんだかとっても良いバランスでした。

この映画を観れば、
何か忘れていた大事なものを思い出せるかも。

是非、映画館で楽しんでみてください。

ではでは

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