読書|勉強の哲学
掴みが面白い。深い勉強をすることは「ノリが悪くなる」こと、ってどういうこと?冒頭の疑問から、ページをめくる手が止まりませんでした。
何か新しいことを勉強するということは、今までの自分の世界から、一度外の世界に出ることになります。深く知らなければ、笑って過ごせていたことも、知識を得たことによって笑えなくなることってありますよね。
例えば、中学時代の同級生のおバカなノリに、ついていけなくなるのは、自分の見る世界の視座が高くなったり、”おバカ”にツッこめる冷静さを獲得してしまったりしているからです。
そういった意味で、勉強すると「ノリが悪くなる」と著者は言っておりました。
勉強を始めると、決まって分からないことに直面します。教科書や論文を読んでいて、自分の辞書にはなかった言葉や想定できない文脈にたじろいでしまうこと、何度も体験してきました。
自分にないものを取り込もうとするとき、我々は「自己破壊」を起こします。時に、破壊しなければいけないことに気付けず、分からないだらけの勉強が嫌になってしまうこともありました。
ここではわかりやすく、不倫をテーマにしてみます。勉強を進めていくと、段々と本質の追求(本当に不倫は悪いことなのか?)や興味の目移り(日本の結婚制度について歴史が知りたい!)など生じることもあるでしょう。
勉強の幅が縦にも横にもどんどん広がっていくと、まるで底なし沼のようにキリがなくなっていきます。
では、我々の学びはいつまで経っても終わらないのか?というと、著者は「一応勉強したことになる」状態を成り立たせ、中断をすることを勧めておりました。中断し、また再開。その繰り返しで、生きている間は勉強は続けていくことができるのです。
勉強の壮大さを有限化してくれる存在が、教師であり、学問に精通している人です。まず、どのくらいまで理解すれば良いのか、ステップとポイントを示してくれる師は、勉強の上で欠かせない存在ですね。
私も今、いろんなことを勉強中です。目移りしまくる特性のため、同時並行でいくつもの入門編を学んでいます。「終わりがないのが勉強」その考えを知れると、自分は限りない知に飛び込む勇敢な人間な気がして、また頑張ろうと思えました。
本書は、勉強に対する考え方や人の思考の仕方が、大変面白く記されています。勉強スキキライ関わらず、常日頃、情報や知識を得ている方にぜひオススメしたいです。
前回の読書記録です。
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