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【映画】ブーリン家の姉妹武器は女性であること以外何がある。『性』としての女性を描いた作品

『ブーリン家の姉妹』の本を読んだのはだいぶ前。
そもそも英国に行くと意外にも?
ヘンリー8世の人気があるのね!と思うのです。奥さんになった人たちの悲劇といったらないんですけどね。

日本で言うと織田信長みたいな人気?

で映画『ブーリン家の姉妹』を見返してみました。
一応この中では姉のメアリーが先に愛人となり、アンは愛人じゃなくて妻にならないなら関係は持ちません!って突っぱねて正妻になるわけですが。離婚するために英国国教会を設立するとか、スケールがすごい。

AmazonHPより


ベネディクトカンバーバッチが出てる!とか
エディレッドメインが出てる!
とか新たな発見(今更だったらすみません)
もありましたが、1番感じたのは、これお約束知ってる人から見たら、定番話なんだろうなぁ。
でした。忠臣蔵みたいな?

それを抜いての、感想としては
結局女性の存在意義って
子供産めること。膣があること。

なんなんだ。
この時代であっても、私生児じゃ認知もされないわけでしょ。
それなのに王様に目をかけてもらって、あわよくば愛人にしてもらいたい、権力欲の足掛かりとしての娘を利用することしか考えていない
ハワードブーリン(父)。
娘がその結果破滅の道を歩むことになるからと反対する母。(視聴者と同じ目線)

妻が、王様に夜伽で何回されたかを報告するのを同席して聞く夫ベネちゃん。あり得ないでしょ。何が公的記録だ。
あ、江戸時代の大奥も同じか。あっちは報告じゃないけどね。

でめでたくメアリーご懐妊。
しかしその間に、目移りする王ヘンリー。
それぞれにバックに家がついていて、お手つきを喜ぶわけです。

でそのうち、メアリーの姉妹のアンが王から言い寄られる。高価な贈り物も返したりして、正妻にならないならやだ!という。

映画だとアンブーリンが、あそこまで拒絶するのが恋の駆け引き?あとは?あ、王妃になりたいわけ?とちょっと弱いかな。時間が限られてるからそれ難しいけど。立場の補完なのか。
確約を取る瞬間に、メアリーに男の子が生まれる。皮肉なタイミング。

結果としてエリザベス女王の母となるわけですけれど。
彼女が結婚しないで、国を収めた発想の根源は意外にも結婚によって不幸になった女性たち(女の幸せ〜って意味じゃなく、政治的な利用とか)を目の当たりにしているから、エリザベスはヴァージンクィーンだったのかもね。

ヘンリー8世がお前のせいで国が別れた!と怒るシーンがあるけど、いやお前さんが自分の意見と国王としての自覚との線引きを、してないからだろう⁉︎とつっこみ。

アンは、女の子を産んでから、お前子供産めるじゃんとなって、それが価値となり、しかし流産してしまう。すると流産したこと王に言えないから、子種が欲しいから弟頼むよ!となり(結局関係は持たないらしいけど)そこを弟の奥さんが見て告げ口、魔女だ!となり有罪が最初から確定している裁判に。

最後にアンが処刑されるところで、神に全てを委ねますと話すところ、処刑の沙汰がひっくり返ることを待ちながらの演説なわけだけど、なんかそこも都合よく神を使うよね。
離婚のためにはローマから離脱、これは教皇への反発もあり、と言う人事権への介入だったり。とはいえ、最後に神に話しかけないとダメなんだろうな。
この辺り、王権神授説の価値観のもとで生きている世界から見たら、普通の感覚なのかもしれないなぁ。

女性も自分を利用して生きていく姿と、それを利用しようとする男性の姿の双方が欲として描かれていて、ラストシーンだけが爽やかでホッとしました。

サムネの写真は、ロンドン塔のなかから中庭をのぞむ写真です。

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