みんなの居場所で在り続ける挑戦。映画「ニューヨーク公立図書館・エクス・リブリス」
本が好きだ。
本を読むのも好きだし、本が並んでいるのを見るのも好きだ。
本が好きになったのは、小さなころ親が図書館に連れて行ってくれたおかげかもしれない。
紙芝居絵本図鑑童話、伝記小説…と、成長とともに本があった。
今も資料を調べたり、気になる本を借りたり、PC専用席で仕事をするのによく利用する。
何が言いたいのかというと、
図書館にそれなりに通っている私ですら驚く図書館の活動、
それらを詳細に記録した映画が
「ニューヨーク公立図書館・エクス・リブリス」だった。
”3時間26分"
まず、上映時間に驚く。 途中休憩あり。
冒頭、問い合わせ電話に応答する職員の映像から始まるのだが、話題がいきなりユニコーン。
ユニコーン!?
シーンは、ゆっくりと切り替わる。
・作家のトークショー
・運営の予算組みについての話し合い
(これは何度も出てくるので、いかに重要かがわかる)
・シニアのダンス教室
・幼児の学習支援
・ネット接続機器の貸し出し
・黒人差別の歴史について
・演奏会
・手話つきの企画
・学校教育との連携
・就業支援
・先祖のルーツ探し
・資料の電子データへの変換、撮影 ……
「えっ、こんなにいっぱいの業務があるんだ」
と
「そこまで図書館の役割なの!?」
という二種類の驚きがある。
特に印象深かったシーン
●インターネットの普及についての会議で、普及の必要性を確認するのと共に「そもそも、普及率のデータって合ってるの? 古くない?」
というような確認から入ること。(抜かりない!)
●予算を得るにあたって「僕たちが自分たちの企画の重要性を伝えるのはもちろん、彼ら(議会)の主張もよく理解しなければいけない」と、積極的に市議会と対話を持とうとしていること。
●ホームレスに関する苦情について「誰でも利用できる権利はもちろんあるし、それと同様に誰もが心地よく使える施設でなければならない」というような、現実的な路線で話をすること。(パブリックであるからこその葛藤)
●ベストセラーを多く入荷するのか、人気はないが資料的価値のある文献を入荷するのか。図書館のニーズと役割を考えたときに、図書館としての在り方をきちんと選択すること。(ニーズに応えるのがすべてではない)
●貸出データから、現状の教育システムの変化を見て、変化に戸惑っている子供だけではなくて親のことも考えること。(必要な参考書などを早急にそろえたり、勉強会を整備する)
(記憶がうろ覚えで多少細かな齟齬があるかもしれませんが)
ものすごく丁寧に、熱意と誇りと愛情をもって、現実と未来の両方を踏まえながら協力して進んでいく姿に感動しました。
こんなチームがあったら働きたい…(垂涎)
チームで働くことの素晴らしさと楽しさがひしひしと伝わってくる。
図書館の良さ
・近くにある
・拒まれない
・基本的に一人で気ままに過ごせる
・コミュニティでもある
ちょうど良い距離感でありながら、求めればつながりがあるというのが図書館の良さなんだなと改めて感じた。
それって、濃すぎる関係性を嫌う現代において、さらに重要なポジションなんじゃなかろうか。
「本が好き! お洒落な図書館見たい!」
と気軽に観に行ったけど、コミュニティの重要性についてひしひしと考えさせられた映画だった。
<Spark Joy!>
・図書館員たちの知性にしびれる
「こんな会議なら参加してみたい!」と思う内容。
・多角的にライフスタイルを向上させる
知識だけではなくて、仕事やスキルや健康など、あらゆる側面からサポートしているのが印象深い。本とともに、先にある「実践」を行っていた。
・ハイテクとローテクの融合
本の分類の機械化が素晴らしい。
それを使いこなす人の流れが非常に美しかった。
<Please!>
・ドリンク持ち込みOK!?
図書館内の映像を見ると、ドリンクがデスクに置いてある。超羨ましい…。
日本もブックカフェが増えて居ることだし、図書館内もドリンクOKになるといいな。
🎬ニューヨーク公立図書館・エクス・リブリス
監督:フレデリック・ワイズマン
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