見出し画像

但馬、冬のエンタメ

ここ2週間、但馬では数年ぶり?数十年ぶり?の大雪が降った。里帰りして久々に雪が見たいと言っている自分を歓迎してくれているのだろうか。

1月14日だったか。大雪が降り、車で外出もできなくなった。大雪が降って外出ができないときにするべきことはたった一つ。

雪遊び。


家裏の畑、くつろぎスペースに雪が大量に降り積もっていた。これは思う存分遊びなさいという教えではないか。5年間まともに雪に触れずに過ごしてきたのだ、遊ぶ他ない。

雪遊びといえば、雪山に行けばスキー、スノーボード。庭先でできることといえば、雪合戦、雪だるま・かまくら作り。雪合戦は人が大勢いるので今すぐにはできない。雪だるまは1時間もあれば終わる。となると、かまくら作りか。


家の裏、くつろぎスペースの鉄棒の横に、かまくらを作ることにした。期間限定の秘密基地である。

かまくらの作り方はわからない。だが、雪を積み上げて山になったところで穴を掘ればなんとかできるだろうという算段で作っていくことにした。

雪を積み上げる作業が始まる。

ある程度雪を集めたところで踏み固める。山のような雪がぺちゃんこになる。初期はなかなか気が滅入る。

雪を積み上げる作業が続く。スコップで畑の雪を山に積んでいくと、だんだんと採雪するところから山との距離が離れていく。スコップですくった雪を放り飛ばすが、だんだん届かなくなる。

屋根に登って、上から雪を落とすこともした。これも量に限りがある。

ここまできたら今日はおしまい。写真で見るとわかりづらいが、180cmくらい積んだ。もちろん踏み固めて。

翌日、雨も降らず、日照りもなく、かまくら作り日和である。この日も最初の作業は雪を積む作業。

ある程度やったところで、穴を掘った。いよいよかまくらの完成である。

「スーパードンキーコング」の4面にあるトーチライトトンネルのように入り口を狭くする。

おおー。

ドンキーコング風にしたので、この穴口はちょっと狭い。カッパかスキーウェア等を着ていないと濡れる。

日が陰ってきたので今回はここで終了。雪の掻き出し作業が大変だった。特に、最初の穴掘りだ。雪山を削り、穴を掘っていかなければならない。そのまま穴を掘り進め、ある程度までいくと、かまくら内に入って掘り進める必要がある。しかし、崩落の可能性があるところに頭を突っ込んで作業をするのは恐怖でしかない。ここまで掘ればなんとか自力で脱出できるだろう、というところまで広く掘れていれば良いが、山の掘り始めで崩れられたらひとたまりもない。

まあ、普通のかまくらができた。秘密基地にしてはなんかエンタメ性がないなあ。


翌日から、しばらく雪が降らず、いよいよかまくらが崩れるかと思ったところで23日から再びドカ雪が降った。

沈みかけたかまくらの上に再び新雪が積もった。入り口が壊れていたり、天井部分が沈むなど、変化が著しいので、今回はその修復作業から取り掛かることになった。木造建築も20、30年に一度メンテナンスが必要だが、かまくらの場合は翌日晴れたり雨が降ったりしたら2日に一回、もしくは毎日メンテナンスしなければならない。雪が降り続ける限り壊れることはないが、和田山でかまくらを維持するのは不可能なようだ。

周囲の雪をかき集め被せていく。最初は崩れかけた入り口を整えながら雪を積んでいたが、だんだん面倒臭くなってきて、一旦全部埋めて、90度方角をずらして入り口を作り直すことにした。溶けかけているので、上から踏み固めようとすると、どんどん小さくなっていく。せっかく頑張って作ったんだけど。

この上に再び新鮮な雪を乗せて元のサイズに戻す。たくさん降ったし、かまくら自体は既にある程度形が出来上がっているので、前回よりも大きなかまくらができるだろう。

屋根に登って上から雪を落とす。この時、上から力強く叩きつけるようにすると、圧力でしっかりと固まってくれるので、後で叩いたり踏んだりする手間が省ける。

さて、ここからは掘削の作業。再びこの山に穴を開ける。外見はドンキーコングらしく間口を狭く、中は広く。

穴を掘り進めていると、前回作っていた空間と繋がった。なんだかすごく広くなりそうな予感。そしていよいよ...

新かまくら完成!見えにくいけど、手前を階段状にしてみた。期間限定の秘密基地。結構広く作れたので、いろいろと物が置けそうだ。なるほど、かまくら秘密基地に足りなかったものはインテリアかもしれない。

中の雪をもう少し掻き出して、次はインテリアをどうするかだ。秘密基地っぽく、調和の取れない趣味の空間を作ろう。

何を置こうかな。とりあえず部屋にあるものを持って行こう。時計や鏡があったら家感出るかな。本棚になりそうな箱はないかな。本をたくさん持っていったら戻す時に面倒だから、カメラとか飾っとこうか。

冷蔵設備は不要である。キンキンに冷えてやがるよ()

まだまだスペースに余裕があるので、部屋にあるものを持ち出す。

コカコーラのポスターを貼りたかったけど濡れるのが嫌なので、台所のカレンダーを持ってきた。

後は、ハンガーを掛けて、椅子を置いて、ラジオつけて、そこらへんのブロックと木板で机をこしらえて、座布団がわりに芝生マット...


秘密基地完成!

カセットコンロとか持ってきたら鍋もできるじゃないか。天井低いけど、大人4人くらいなら入れる。

これが人生で初めての建築施工・内装デザインを単独で手がけた作品になる。といっても、建築基準法的には、このかまくらには電気・水道・ガスなどの建築設備が含まれていないので建築物とは認められないが。

こどもの頃の遊び心を思い出すのは簡単ではない。だけど、この秘密基地はこどもの頃の自分には作れないだろう。黙々と取り組めたとしても、短期間でこんなサイズのかまくらは出来ない。多分、途中で音を上げるか、雪解けが始まって時間切れになるか。これは今の自分にしか作れないものだ。まあ、一人で作ったからこれは最小規模だけど。


これで民泊できないかな。AIRbnbに載せたりとかして。一泊500円でどうかな。そんなことしたら近所の宿から嫌がらせ受けてしまうかもなあ。期間限定、明日まで。和田山で唯一のかまくら宿、1組4名様まで受け付けております。尚、秘密基地という体で営業する為、住所、連絡先は一切公開致しませんのでご了承ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?