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顎の上がり過ぎ?引き過ぎ?最適な位置の見つけ方

証明写真のような写真を撮ってもらう時に「顎を少し引いて」と言われたり、

「顎が上がってて姿勢が悪いから顎を引きなさい」と言われたり、

ふと撮られた写真の自分を見て、顎が上がってたり、頭が前に出てて、見栄えが良くなかったり、

良い姿勢といえば、顎を引いて背筋を伸ばす、というイメージがあったり

顎のポジショニングは困っていたり悩んでいたりする人が多い場所。

今回はそこについて、何がいけないのか、ということや、シンプルで簡単な最適な場所の見つけ方をシェアします。

顎が上がり過ぎは、なぜダメなのか

顎が上がり過ぎるのを避けたいのは、顎が上がり過ぎると、首の後ろも縮み過ぎ、頭が前に出たり、猫背の姿勢になりやすくなるから。

その逆で、猫背だから顎が上がってしまうことももちろんあります。背中がどれだけ丸くなろうと、人は正面を向いて歩くので、顔は持ち上げなきゃいけない。そうなると顎が上がってしまいがちなんです。

なので、顎が上がり過ぎるのと、猫背、首の後ろが縮んでしまうのはセットであることが多しです。

気道も狭くなるから、呼吸もしづらくなったり、首の後ろがつまるため、頭痛肩こりに繋がったり、猫背過ぎると横隔膜も動きづらい

だから見た目的にも機能的にも、顎の上げ過ぎは避けたいところなんですね。

そしたら顎は引けばいいのか

そうなると、よく言われるのが、顎の位置を改善するために顎を引きなさい、ということ。

顎を引くと、縮んでいた首の後ろ側も伸びてくれるので、確かに顎が上がり過ぎるよりは引いた方が見た目的にも機能的にも利点が多いかも

なんですが!

問題は顎の引き方です。一般的に「顎を引いて」と言われた時にやるやり方だと、なんと顎を引き過ぎてしまうこともすごく多いんです!

顎の引き過ぎっていけないの?と言われそうですが、はい、顎の引き過ぎは良くありません

まず、二重顎になりやすくなるし、首がまっすぐに引っ張られ過ぎたり(首は少しだけ反るカーブがある(前弯)のが本来の状態です)、力が入り過ぎて、見た目は背筋が伸びたように見られがちではありますが、緊張度合いが強くなるので、これまた頭痛肩こりにつながることも、ものすごく多いです。
(ロルフィング®︎にいらっしゃる人の中には、姿勢への意識がとても高い方もたくさんいらっしゃいますが、良い姿勢を意識し過ぎて、ここがガチガチになってしまっている人も多いです。バレエしてる人にも多い傾向。)

また、顎が上がる原因が猫背からきている場合、顎や首だけ意識することで猫背も緩和してくれればまだいいですが、猫背は改善しない時、首に負担が多くきがちです。

大切なのは顎の引き方

まず、顎が上がりがちな人は、顎を引く前に、手の平を後頭部に置いて、優しく押し合いっこをします。押し合いが喧嘩にならないように、本当に手の平と手の平のシワをピトッと優しく合わせるような感じなくらいです。

優しく押し合いっこをしたまま、少しずつ顎を引いて、メガネをしているとしたら、メガネのツルが床に対して平行になるくらいのところで止めてみましょう。

おそらく、そこら辺なら引き過ぎになりません。

二重顎になるくらい顎を引き過ぎてみると、メガネのツルが前に傾いてしまうのがわかると思います。

最適な位置の見つけ方③選

顎が上がりがちな人は、上の方法で手と頭の優しい押し合いっこをしたまま顎を引きながら。顎を意識して引くようにしている人は、自分が引き過ぎていないかのチェックに使ってみてください。

①メガネのツルのイメージ

すでに上記で話しましたが、眼鏡をかけたとしたら、ツルが地面に対して平行なのかどうかイメージしてみます。引き過ぎてると、メガネは前にずり落ちがち。

②顎の下に親指一本

写真のように手をセットして、顎の下に親指一本入るくらいを目安に。親指の長さは人それぞれなので、適さないこともあるかもしれませんが、顎を引き過ぎていると全然親指がおさまらないことがわかるかと思いますし、上がり過ぎてると親指の先にスペースが空き過ぎがちです。試してみてくださいね。

③声がずっと普通に出る

これは私がかなりいろんなことで使うチェックポイントなんですが、

顎が上がり過ぎても、引き過ぎても、声がつぶれることに気付いてみてください。特に上記した手を後頭部に置いて優しく押し合いっこした感じで顎を引きていく時に、声を出しながらやると、声が変わってくることに気付けると思います。

顎を引き過ぎているかもしれない人も、もう少し顎を緩めてもいいのかも、と顎の位置を変えながら声を出していくと、声が出しやすくなるところが見つかるかもしれません。

ピラティスのロールダウンやロールアップ、ヨガの立位でのバランス

絶賛ブーム中のピラティスでも、「顎を引く」とか「頷くように」とかの指示を耳にすることがあるかもしれません。この時も同様です!

ただ引いたり、ただ頷くと、顎を引き過ぎてしまうことがとても多い!!

動いている時にはメガネのツルや親指の感じではわかりにくいので、声が有効です!

声が潰れずにロールアップやロールダウンが出来ているのか、チェックしてみるのおすすめです。

ここだけの話、顎を引き過ぎていると、背骨は動きにくくなります。顎が背骨の動きの邪魔をしていること、よくあるんです。

ヨガでの立位のポーズでも、良い姿勢でバランス!…となると、顎を引き過ぎてしまうこと多し。場合によっては、あえて気道を閉じる意図がある時もあるかと思いますが、そうではない時は、ちゃんと声が自然に出せるところで。

大きな声で気持ちよく歌えるような通り道が確保できる場所は、比較的、その時の自分の顎や頭のポジションに適していることが多いです。

バレエもヨガ同様、顎を引き過ぎてしまいやすいものの一つ。私も昔はそうでした。顎を引き過ぎなくらい引いておくと、確かに首の後ろは伸び、スッと見えたりはするんですが、それは本当の引き上げではありません。

顎の引き過ぎによる首の緊張は、背骨の緊張に。そして肩周りも動きにくくなるので、気になる方は一度こっそり家で声を出しながらチェックしてみてください。

最後に

私がロルフムーブメントを学んだ先生は、大学院で顎の研究をしていた先生でしたが、顎と背骨の密接な関係について話していました。

ここでは一般的に言う「顎を引く」を取り上げましたが、

一般的に顎というと、正確には下顎骨という下顎を指していることが多いと思います。下顎骨自体は顎関節で頭蓋骨につながっていて、ぶら下がっています。「顎を引く」といっても、その下顎骨だけを引いたりしているわけではなく、どちらかと言うと、顎を参考(指標)に頭を動かしている、という感じかと思います。

そして下顎骨のポジショニングは、骨の大きさ、呼吸、歯並び、遺伝など、さまざまなものが関わっています。

今回の、ただ「顎を引く」というような動作以上に顎自体が気になる方は、歯科など専門施設でチェックしてもらってくださいね!今回ここでは、一般的な「顎を引く」という動作についての改善策だけシェアさせてもらいました。

顎の引き方一つで、背骨の柔軟性も、頭痛や肩こりも改善する可能性があります。顎が上がりがちな人はそこを気にしながら、顎を普段引く意識をしている人は、一度今のやり方でいいのかどうか確認するのも良いかと思いますよ♪



*そんなこともホリスティック・システムでは、いろいろなエクササイズも交えながら、動きの指導者に伝えています*
東京での対面コースも来月からスタート♪

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