見出し画像

実習で学生がメモを取ること

こんにちは、理学療法士のおかむーです。

今回は、「実習で学生がメモを取ること」について、お話したいと思います。

ただ、これは私見ですので、参考までに。

実習地で学生が指導者の方と患者さんの後ろを歩きながら、メモを取っている姿を見かけることがあります。

メモを取るのは悪いことではありません。

メモを取らないと忘れてしまうので、当たり前の行動かと思います。

また、学校ではメモを取るように再三言われているので、その癖もあります。

しかし、教員時代に、実習地訪問で学生のメモを見せてもらうと、
学生によっては、
所狭しとランダムに何ページに渡って記してあります。

「これ、あとで見返せるの?」、「整理できるの?」と聞くと、
「いやー?」と答えます。

‘まー、当然でしょうね’ とこちらは思います。

では、何のためにメモを取るのか!?

それは、緊張からの防衛です。

学生が目指すセラピストの先輩方(雲の上の存在)、学校とは全然違う環境、緊張しないわけがありません。

その緊張を紛らすための手法です。(すべての学生とは言いませんが。)

そして、学校でメモを取れと言われているので、‘メモを取っていれば指摘されないだろう’ という思惑や記す事自体による安心感もあります。

では、どうすれば?

医療を目指す学生は、基本、真面目です。

指導者から言われたことを一字一句、逃さないようにしようとします。

そして、上記の理由も含め、メモを取ります。

それを変えるのは、学生が‘雲の上の人’としている指導者です。

指導者の説明するスピードが早く、情報量が多く、患者さんが次から次へと来るので、学生は対応出来ません。

指導者としては、学生であることを考慮して、ゆっくり、わかりやすく説明するよう気を使っているのですが、それでも学生のキャパを超えてしまいます。

キャパを超えると、学生の目が泳いだり、一点を見つめてくるので、何となくわかります。また、時に、わからないようにしながら、あくびもします。

教員時代、授業中にあくびをする学生がいました。

あとで、何であくびをしたのか聞くと、

「途中までは先生の言われたことを考えて、頭で理解整理していたけど、
スピードについて行けなくなりました。
それまでは考えていたので、あきらめた途端に、その疲れが出て、
ぼーっとしてしまい、つい、あくびが出ました。すみません。」

と言われました。

その話を聞いてから、真剣なまなざしで授業を聞いていて、途中から寝だしたり、あくびをするのは、悪いことではなく、
「よく頑張った」
「そこまで真剣に取り組んでくれて、うれしいよ」
とプラスに思うようになりました。

学校は、その後にテストがあるので、学生は理解するまで何度も復習します。

しかし、実習はその時だけ、一期一会です。

ですので、指導者は、その点を汲み取って、

  • ポイントのみを簡潔に述べる

  • 学生に質問を一つして考えさせる

  • 見学する患者さんの数を減らして復習して整理する時間を設ける

  • 時間があれば学生のキャパが超えない範囲でフィードバックする

などが手かと考えます。

ただ、学生が緊張しながら頭を使い、指導者の話に集中できるのは、長くて20分程です。

病院などにセラピストの指導に行き、
そのような学生(一生懸命、ひたすらメモを取る)を見かけると、
指導者にあとで、
「学生はわかっていないかもしれないよ?」
「あとで、フィードバックで確かめた方がいいかも」、
もしわかってなかったら、
「何がいけないか、聞いた方がいいよ」
と伝えることがあります。

ここで大事なのは学生への聞き方です。
それは、学生は「大丈夫です」と、
大丈夫ではないのに、そう答えがちになるからです。

理由は、実習に落ちたくないからです。
学生は、実習期間中、常に‘実習に落ちないように’が頭の隅にあります。

‘そんなことで、落とすわけないじゃないか!’ と思うかも知れませんが、学生とは、そういうものです。

教員であった性か、どうしても学生擁護の内容になってしまう自分がいます。


最後までお読み頂きましてありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?