書籍企画書の見出しは、結論や答えを具体的に書く!
前回からずいぶんと時間が経ってしまいましたが、今回は編集者の興味を惹く書籍企画書のポイントのふたつめを書いてみたいと思います。というのは、すぐに効果が出るからです。
■企画書っぽいけど、何も伝わってこない悪い例
前回、すでに売られている書籍の目次を参考に、企画書の構成案を作っても、あまり参考になりませんよ、と書きました。これは、構成案における目次の章や項目の見出しも同じです。
例えば、こんな目次案を持ってこられる方がいらっしゃいます。商品をたくさん売るためのキャッチコピーの書き方の本としましょう。
「どこがダメなの? まとまっているような気がするけど……」と思われたかもしれません。確かに数字や問いかけも入っているし、目次っぽい。けれど「この人は何が書けるのだろう」と思って、この目次案を見る側からすると、著者が持っているであろう独自の方法論や大切にしている考え方は何も伝わってきません。
■ポイント 目次案の見出しは、徹底して「具体的に詳しく」!
ビジネスや学問で実績がある、すでに著書がある、もしくは編集者と個人的な付き合いがあるなら、「これ、具体的にどういうことですか?」と質問してくれるかもしれません。けれど、初対面での売り込みだったり、企画書をメールや郵送で送ったりした場合だと、よほど著者の経歴に魅力を感じなければ、興味は持たれないか、後回しにされてしまう可能性が大きいです。
では、どうすればいいのか?
答えは、見出しは徹底して具体的に詳しく書くことです。その項目で説明する内容を踏まえて、要点や結論、教訓などを含んだキャッチーな言い回しを考え抜く。例えば、先の例ですと、こんな感じになります。(変更したところは太字にしています。)
買い手の心を動かすキャッチコピーのために、著者が何を必要と考えているか分かる見出しになったと思います。
■書籍企画の売り込みの現場では、目次案の修正はよくあること
書籍企画の売り込みの現場では、このような目次の見出しの修正を行うことがよくあります。これはビジネス書や実用書だけでなく、政治経済や歴史、新書などノンフィクション全般に当てはまると思います。
「著者の実績もテーマやタイトルも悪くない、でも企画容や目次案を見ると、なんだかふわっとした言葉ばかり並んでいて、何が書きたいのかも分からず、面白そうに思えない……」
編集者からそんなキツいダメ出しを受けたときは、私たちエージェントは著者と相談しながら目次を書き直したりもします。ちょっとしたことなのですが、これで結果は大きく変わります。
■具体性のある見出しが書けない理由が、あるかもしれない
書籍企画の売り込みが成功しないと悩んでいる方がいたら、目次案の書き方に問題があるのかもしれません。
具体性のある見出しが必要だと分かっても、うまく書けないとしたら、その理由は別のところにありそうです。このテーマに関して自分の方法論や思考が固まっていない、独自性が低いから自信がない、類書と似たような内容になってしまう、など。そのときは自分が何を伝えられるのか、なぜ本を出したいのか、根本に立ち戻ってよく考えていただけたらなあと思います。
■見出し修業の旅へ出よう
今回のポイントをまとめると「具体的で詳しい見出しを書こう」ということ。苦手な人は、出版社が運営しているコンテンツサイトの見出しなどは、とても参考になると思います。
見出しがうまく書けるようになれば、どんな企画書にも応用できますから、どんなに鍛えても損はありません。本を出したいと考えたことがある方には、ぜひ「見出し修行の旅」へ出かけていただくことをおススメしたいです。
【2024/1/25 修正】
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