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【韓国文学】話題の2つの著書を読んで感じたこと

今まで気まぐれで投稿していたnoteですが、今年から毎月ゾロ目の日(11日と22日)にnoteで自分の思いや気づいたことを綴っていこうかと思います。
(※家のことが忙しく投稿が1月12日なってしまった!少しは自分時間が欲しいのが本音)

今年最初のテーマは、コロナ禍でブームの「韓流」!特に娘がファンクラブに入っているBTSの『Dynamite』、ドラマの『愛の不時着』『梨泰院クラス』が大ヒットしましたよね。

また韓国発の現代文学も注目され、本屋さんのメインの売り場でも目にするようになりました。2020年はいくつかの韓国文学(※もちろん日本語訳です……)を読みました。今回の投稿では、女性がテーマの2つの著書について取り上げていきます。

『82年生まれ、キム・ジヨン』

こちらの著書は本国韓国で130万部突破し、実写化された話題作です。2020年10月には日本でも公開されました。

ある日突然、ヒロインのキム・ジヨンの言動が自身の母親や友人が乗り移ったかのように振る舞うようになってしまいました。夫がそんなジヨンの「いつもと違う」変化に対し、驚くとともに原因を探るようになります。その原因を彼女の子ども時代から遡り、どうして今に至ったのか原因を追究するというストーリー仕立て。ジヨンは、学校や会社、家庭で「女だから〇〇べき」「女だから〇〇しなくてはならない」といった周りからの声(呪縛)に苦しめられていたことが明らかになります。ストーリーのなかにも、「女だから〇〇」というエピソードが所々にも盛り込まれているのがポイントです。

また、ジヨンの会社時代のワーママ上司も女性を理由に出世街道から外され、最終的には自分で会社を興すといったエピソードにも触れています。

今の20代30代の方にはピンと来ないかもしれませんが、私が若い頃に働いていた会社も女性社員は「女子は大人しくすべき」という暗黙の了解がありました。この著書を読み、実写版を観たことによって、ジヨンと自分の生活環境や立場が似ていると思いました。おそらく私と同世代(※90年代に二十歳で就職氷河期世代)の女性は、この著書を手にすれば共感する部分も少なからずあると思います。

『彼女の名前は』

こちらは『82年生まれ、キム・ジヨン』を手掛けたチョ・ナムジュ氏の著書です。子どもから70歳手前の女性たちが「声を上げた」エピソードを実際に新聞のコラムとして連載したものを28人分をピックアップ。短編集としてまとめています。

エピソードの内容としては、理不尽な労働条件で会社と勇敢に戦った女性、セクハラと戦う女性、仕事や学校のことで奮闘するワーママ……など、韓国で起きている社会問題と連動して綴られているのがポイント。28人の女性は生活環境はそれぞれ違うものの「凜」した振る舞いや態度は共通しているかもしれません。そして、この著書を読んで私が感じたことは、日本も韓国も女性が置かれている立場が似ており、男性優位の文化がまだ残っていることです。

また、この著書の解説などの後書き部分は、韓国で起きている社会問題に関しても細かく解説されているので読んでいただきたい箇所。後書きを読んでおくと、28人のエピソードを読む上で頭の中で整理がしやすかったです。

最後に

2つの韓国発の著書を読んでみて、周りから「〇〇すべき」で心が苦しいという方が穏やかな気持ちで生活できれば……と改めて思うようになりました。そしてこれからも「何か」を考えさせられる韓国の素敵な著書に巡り合えることを楽しみにしています。

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