政令指定都市めぐり【第8回】

仙台市から次の政令指定都市に行くには、もちろん関東方面が近いのだが、あえて、新潟市へ移動しよう。

仙台駅から新幹線で新潟駅まで行くとなると、必ず埼玉県の大宮駅で乗り換えなければならない。

しかもV字型に移動する形になるので、効率的に物事を考える人にとっては、移動経路がムダだと思うことだろう。私もその一人である。

だから、私が仙台市から新潟市に行くには、マイカーか高速バスで移動する。実際に、震災の直後は、高速道路が無料だったこともあり、マイカーでの移動が多かった。

マイカーの場合、仙台から東北自動車道を走るわけだが、途中の福島県にある郡山ジャンクションから磐越道に入り、そこから福島県を西へ横断するのがスタンダードコースである。

高速バスで4時間かかるので、マイカーなら速い人で3時間20分ほどで着くだろう。

ちなみに、V字コースとはいえ、新幹線だと3時間もかからない。渋滞のリスクを考えれば、仙台の人にとっては、やはり新幹線が無難である。

新潟市は、東区・西区・南区・北区・中央区・秋葉区・江南区・西蒲(にしかん)区の8つの行政区で構成されている。

これだけの行政区がある割には、人口は80万人に満たない。77万人ほどであり、皮肉にも政令指定都市に指定された平成19年からずっと減少の一途をたどっている。

政令指定都市に指定される2年前(=平成17年)がピークで、その年は約81万4000人だった。

ただ、岡山市が70万人ちょっとでも政令指定都市に指定されているように、一応、70万人が今のところは基準になっているようである。(だからといって、70万人の人口要件だけ満たせばよいわけではない。)

新潟市に限らず、一部の地域を除いて、全国的に年々人口減少が続くことは避けられない状況になっている。

だから、新潟市は、江南区に本社がある亀田製菓株式会社の銘菓「ハッピーターン」にちなんで、「新潟市HAPPYターン」なる移住支援政策を打ち出している。

あの手この手で魅力PRを行っているようだが、なかなか定住しようという気持ちにはならないのが多くの人の実情といったところだろうか。

コシヒカリというブランド米があり、日本一の米どころとして誇れるものはあるが、いかんせん、農業の担い手の高齢化、田畑を手放す人の増加は避けられない。

中央区にある日本海タワー、江戸時代からずっと残っている古町(ふるまち)の街並みは、観光スポットの一つではある。

隣接自治体と連携しながら、魅力向上の工夫を重ねつつ、なんとか持ちこたえてほしいものである。



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