法の下に生きる人間〈第66日〉

今年は、いろいろと「食の安全」に関わる事件が起こった年のように思う。

駅弁とマフィンで終わりかと思ったら、高島屋のクリスマスケーキ問題が最後の最後にニュースになった。

クリスマスケーキのほうは、単にケーキが崩れたというだけで、体に害を及ぼすケースではなかった。

しかし、仙台市でも、つい10日前に、居酒屋で職場の忘年会をしていたグループが食中毒になったというニュースがあった。

お店側に明らかに手抜き行為があったのなら、法的問題であり、それなりの処分がくだされて然るべきであるが、ただ、私たち消費者側も、ずいぶんと便利さを享受するようになったものだ。

万が一にもこういった事件に巻き込まれるのは、たしかにやるせないが、便利さの代償を払うことになるのは致し方ない面もあるし、受け入れざるを得ないのかもしれない。

昔は、豆腐屋に豆腐を買いに行くとき、消費者側は自宅から鍋を持って行き、買った豆腐を入れてもらって帰る光景が当たり前だった。

それが、スーパーなどで豆腐がパック詰めで売られるようになってからは、プラスチック包装の余計なゴミが出るようになり、パックの中で崩れた豆腐は買われず処分されるようになった。

正月のおせち料理も同じである。

昔は、大晦日の夕方から(早い家庭は昼から)元旦のおせち料理の準備をするのが当たり前の慣習としてあり、子どもも一緒になって重箱に詰めていきながら、NHKの紅白を見るのが定番だったという人も多いだろう。

それが今は、大晦日の夜に、おせち料理が宅配で届く時代である。

いつだったか、大晦日の夜におせち料理の配達が間に合わなくて、どこかの会社が謝罪した年もあった。

でも、近場のスーパーでおせち料理の食材は揃えられるのだから、それをわざわざブランド物を味わってみたいという欲求のために通販に頼るのであれば、大雪など不測の事態で届かないというリスクも承知の上で購入すべきである。

もちろん、企業側は謝罪しなければならないが、消費者が一方的に過失を責め立てるのもいかがなものかと思う。

さて、その食品のことだが、私たち消費者のニーズに応えるべく、なるべく品質を良い状態で維持するために、酸化防止剤や防腐剤などの食品添加物が使われていることも頭の片隅に置いておく必要がある。

思いがけずにガンになったとき、それはもしかしたら、食品添加物が長年にわたって体内に蓄積していたことも遠因としてあるかもしれない。

食品衛生法第4条第2項では、「添加物とは、食品の製造の過程において又は食品の加工若しくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものをいう。」と定義されている。

続きは明日である。





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