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人は何のために学ぶのか

学校で数学を教えていると、生徒たちから
「数学を勉強して、将来何の役に立つの?」
と聞かれることがしばしばありました。

若い頃は何とかしてそれなりにカタチになる(見栄えのする)答えを返さなければ、と一生懸命考えていました。

歳を取って、特に自分が大学院に入ってからは
「役に立つとか立たないとかそんなに重要ではなくて、学ぶことそのものが楽しければそれでいいんじゃないの?」
と思うようになって、「答え」を一生懸命考えることをやめました。

一方で、大学院で不登校の研究をするようになって、
不登校の子どもたちは、勉強する意味を見いだせなくなって学校に行か(け)ないケースも多いんだろうということも、少しずつ分かってきました。

人は何のために学ぶのか?

学校に行こうが行くまいが、一度は疑問に思ったことのある人は少なくないでしょう。

かくいう私も、その問いに対して明確に「これ」と答えられるものを持っているわけではありません。

昨年、とある学会に参加したら、ラウンドテーブルに登壇した方(確か大学の先生)が
「なまじ教育学を専門にしている我々なんかより、こういう本を読む方がよっぽど分かりやすいし説得力があるんじゃないか」
と言いながら、1冊の本を紹介してくださいました。

紹介されたときにすぐ購入したのですが、読んだのはずいぶん後でした。
確かに非常に分かりやすい。
とはいえ、教育学や哲学など、歴史上有名な人物が多数出てくるので、それらの分野に対して元々知識を持っている人の方がなお読みやすいと思います。
あと、全体として冗長な印象は否めないので、子どもには勧められないかな。

同じテーマだったら、↓の方が分かりやすいし長さもちょうど良くてオススメです。
中学生を対象に書かれていますが、大人でも十分に読む価値があると思います。
(余談ですが、著者の瀧本哲史さんは2019年に47歳の若さで亡くなられています。本当にもったいない)

教育に関して研究していく以上、折に触れて考え続けなければならない問いなんだろうと思っています。

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