あやこ

大学院博士課程で教育に関する研究をしながら、合間に時々数学を教えています。数学教育/不…

あやこ

大学院博士課程で教育に関する研究をしながら、合間に時々数学を教えています。数学教育/不登校/教師文化/児童福祉/介護/書道/万年筆

最近の記事

【読書メモ】「いじめ自殺」の社会学

不登校と並ぶ大きな学校現場の課題に「いじめ」があります。 後で書くような事情から、いじめに関してはできるだけ避けてきたのですが、今年度はなかなかそうもいかなくなって、少しずつ読み始めることにしました。 いじめに関する文献も不登校と同じかそれ以上に膨大で、言い方は悪いのですがピンからキリまであるので、どれを読むべきか迷っていたせいもあります。 たまたま地元の図書館で目に留まり、借りて読み始めました。 amazonのレビューにもあるように、社会構築主義にもとづいて「いじめ」

    • 音声入力の何がいいかというと

      最近は、文献を読んでいて「これは」と思う箇所(ポジティブ、ネガティブ、両方ありえますが)に出会うと、音声入力を利用する機会が増えました。 以前はGoogleドキュメントを使っていましたが、最近ではMicrosoftアプリもディクテーションの精度が上がってほとんど間違えなくなったので、WordやOneNoteを使うことが多いです。 音声入力は文字通り「音声」を使って入力するわけで、手でキーボードをタッチする必要がないから負担が楽、とよく言いますよね。 確かにそういうメリッ

      • 【読書メモ】『多元化する「能力」と日本社会―ハイパー・メリトクラシー化のなかで』

        いろいろなところで紹介されていて一度読んでみたいと思っていた本を、図書館で借りることができました。 本田由紀さんは、教育社会学者の中でも新しい言葉を創るのがうまいと言われています。この「ハイパー・メリトクラシー」はまさにその代表例でしょう。 大学入試制度がどんどん変わり、学習指導要領が新しくなって、この本で指摘されていることはおおむね現実のものになっています。 いわゆる「ランクの高い」大学に入るのに、従来のように一生懸命勉強して「近代型能力」を身につけて競争型の学力試験で

        • 小山静子『子どもたちの近代:学校教育と家庭教育』

          直接的な研究テーマからはちょっとそれるのですが、家庭での教育がどのように位置づけられているのかに関心があって、家族社会学の文献を読み始めています。 学校教育と家庭教育の関係性ってどうなっているんだろうと思って調べてみたらこの本に出会いました。 (今は古本でしか購入できないようです) 国家や学校、また家庭で、子どもへのまなざしはいかに変化したのか、江戸時代末期から明治、大正時代を経て、「新中間層」の成立までを分かりやすく紹介しています。 女子の教育は、子ども産み育てる「

        【読書メモ】「いじめ自殺」の社会学

          中高年層にも親切な説明にしてほしい

          自宅の浴室乾燥機を頻繁に使用していたら換気扇フィルターの汚れもハンパなくつくことが分かったので、100均でフイルターを購入してつけてみました。 そうしたら、その後洗浴室に干した洗濯物が一向に乾かないのを不審に思った息子が追跡調査したところ、私のフィルターのつけ方がそもそも間違っていたことが判明。 100均フィルターの袋に書いてあったマニュアルが私には理解できていなかったのです。 製品をフィルムから剥がすことで精一杯で、浴室乾燥機本体への貼り方まで気づかなかったわけですが、息子

          中高年層にも親切な説明にしてほしい

          【論文紹介】片岡栄美「子育て実践と子育て意識の階級差に関する研究」

          親の「子育て観」「教育観」といったものがどのように研究されてきたのかを調べていて出会った論文の1つです。 私自身の研究テーマとしては階級差はあんまり興味がないのだけれども、教育社会学ではとにかく流行っていて、避けては通れないらしい。

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          【論文紹介】片岡栄美「子育て実践と子育て意識の階級差に…

          新しい季節に向かって、皿回しのように

          今の私には、辛いことがいくつもある。 そのどれもが、すぐにどうにかなるものではない。 昨年末あたりから、「これからの自分はどうしたらいいんだろう?」とずっと悩んでいた。 辛いことが多すぎて、研究をあきらめた方が良いのではないかと何度も考えた。 けれども、たとえ研究をやめたとしても、他の辛いことがなくなるわけじゃない。 研究をやめたら、他の辛いことに余計に目が向いてしまいそうな気がした。 だとしたら、とりあえずは研究を続けていこうという気持ちになった。 子どもが小さかっ

          新しい季節に向かって、皿回しのように

          【読書メモ】『不登校のポリティクス:社会統制と国家・学校・家族』

          自分の研究に関連して以前から読みたいと思っていました。 図書館で順番が回ってきて、ようやく読み終わりました。

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          【読書メモ】『不登校のポリティクス:社会統制と国家・学…

          受験シーズンを迎えて思うこと

          今年も受験シーズンがやってきた。 SNS全盛の時代、受験勉強のやり方から合否の報告まで、その気になればすべてさらけ出せてしまう。 私の場合は特に、親が子どもの合格報告をする投稿が目につく。 自分の2人の息子たちの大学受験は順調にはいかず、 受験 → 不合格 → 次の大学を受験 の繰り返しで、長男は現役のときも浪人のときもこのパターンが続き、永遠にループから抜け出せずにあわや2浪かと焦るくらいだった。 3月になっても合格をもらえず、一足早く高校受験が終わった次男から 「俺

          受験シーズンを迎えて思うこと

          余裕のある暮らしって、こんな感じなのかな

          昨年5月に常勤の仕事を辞めてから本当にいろいろなことがありましたが、年明け以降、リズムが少しずつ整ってきた感じがします。 一応仕事はしているのですが、拘束時間が圧倒的に短くなり、自分のために使える時間が明らかに増えました。 昨日昼間帰宅したら、マンションのエントランスに 「裏庭で取れました。ご自由にお持ちください」 と書かれたダンボール箱が置いてあり、中には夏みかんがぎっしり入っていました。 せっかくなので3個もらい、今日マーマレードを作りました。 下ごしらえと煮詰める

          余裕のある暮らしって、こんな感じなのかな

          人と会うのも精神的余裕が必要らしい

          最近、知り合いから久しぶりに連絡が来て、「近況報告をしたいから会いませんか?」と言われた。 以前の私だったらスケジュールの都合がつけば(あるいは、都合をつけて)積極的に出かけていた。 しかし、今の私は少し違う。 昨年から生活が激変して、精神的につらいことが続いて、とてもその余裕がなくなってしまったのだ。 もう少し正確に言うと、 最近になって、相手が誰であろうと、今の私には人に会うだけの精神的余裕がないことに気がついた。 今までは割と人とあって話すのが好きな方だと自分で思

          人と会うのも精神的余裕が必要らしい

          漫画や小説のストーリー構想は論文とよく似ているらしい

          今朝お互い休みで時間に余裕があったので息子と話していたら、彼が好きなアニメのストーリー展開の話になりました。 アニメ、あるいはその原作になった漫画の作者のもともとの着想がそのまま作品のストーリーとなって現れることは稀で、大抵はもともとの着想からかなり膨らみ、かつ全然違う方向に行くのだそうです。 その結果、漫画の場合だと当初想定していたよりも連載期間が延びる、あるいはアニメだと放送される期間が長くなる、ということが起こるのだそうです。 これって、修士論文や博士論文と似てる

          漫画や小説のストーリー構想は論文とよく似ているらしい

          人は何のために学ぶのか

          学校で数学を教えていると、生徒たちから 「数学を勉強して、将来何の役に立つの?」 と聞かれることがしばしばありました。 若い頃は何とかしてそれなりにカタチになる(見栄えのする)答えを返さなければ、と一生懸命考えていました。 歳を取って、特に自分が大学院に入ってからは 「役に立つとか立たないとかそんなに重要ではなくて、学ぶことそのものが楽しければそれでいいんじゃないの?」 と思うようになって、「答え」を一生懸命考えることをやめました。 一方で、大学院で不登校の研究をするよ

          人は何のために学ぶのか

          起業するとしたら何ができるだろう?

          先日来「起業したら何しよう?」と考え始めました。 ひとつはっきり決めているのは、 オンラインでできること、オンラインのメリットを活かせること をやりたいということ。 歳を取って体力が徐々に落ちたとしても、オンラインならその部分のハンデをカバーできるし、思考力を必要とする作業すべてが「対面」の方に分があるとは限らないから。 その上で、今の私にできそうなことを挙げてみました。 1 中高生に数学を教える これは今まさにやっていることで、対面をオンラインに切り替えるイメージ。

          起業するとしたら何ができるだろう?

          起業しようかな?

          昨年常勤の仕事をやめてから、失業認定で給付金をもらいつつアルバイトや非常勤の仕事でつないでいます。 学生時代以来ものすごく久しぶりにアルバイトというものをやってみて、それなりに面白いけど、自分が思っていることができないもどかしさを感じ始めています。 そんなに長く続けられなさそうだなって。 お金の問題ではなく、 子どもの教育を仕事としてやっていく上で大事にしたいことがそのまま実行に移せず、どうにも窮屈になってきました。 個人で起業している友人がちらほらいるので、そのような

          起業しようかな?

          新たな断捨離

          SNS上でのつながりをやめる「断捨離」は今まで何度もやってきたけど、今年とうとう年賀状の「受取拒絶」というものを初めて実行した。 前職の先輩にあたる人。 色々なことが積み重なって、口を利くのも嫌になっていた。 向こうはそんな私の気持ちを全く知らないのか、私が返事を出さない(そもそも、年賀状自体出すのをやめてもう7,8年になる)にもかかわらず、毎年のように年賀状を送ってきていた。 その人が一昨年、私が昨年退職した。 私が退職したことを知っているはずだからさすがに送って

          新たな断捨離