死んだ私の魂は体から離れて、草むらに無残に横たわる自分を見ていました。

この時私は、戦になったのは自分のせいだと思いました。

なぜなら、私が敵国の男性を愛してしまったからでした。

私が愚かだったせいで、国を滅ぼしてしまった。

大事な民の命を、奪ってしまった。

仕えてくれた家臣たちも、死なせてしまった。

両親や家族、国中のみんなを、裏切ってしまった。

全てが自分のせいだと決めつけ、自分を酷く責め、自分を嫌悪し

後悔の深い沼へ、はまっていったのです。

そして、「もう誰も、信じない！」　「誰も、愛さない！」

そう固く、心に誓ったのでした。

それから私の魂は、さらに上へ上へと浮かび上がり

次に生まれ変わるまでに過ごす世界へと、入っていきました。

その世界でも、私の誓いは固いものでした。

そんな私に、セラピストが問いかけました。

しだいに…。　私の心は、ほぐれていきました。

そして私は…。

ぽつりとつぶやいたのです。

「どうせ殺されるのなら…。」

「愛する人から殺されたほうが、ましだったのかもしれない…。」

戦国時代は、親兄弟身内でも、国や命を奪い合う乱世です。

そのような時代にあっては

私の身に起きたことは、致し方ない事だったのだと…。

そう、思えたのでした。

すると、私の頭上には、まばゆいばかりの光がふりそそいできました。

そして、その光の中に咲く蓮の花に、導かれて行きました。

温かな光に包まれながら、美しい蓮の花に誘われていくうちに、

少しずつ、自分を許せるようになっていきました。

そして、蓮の花の向こうに、ぼんやりと人の姿が見えてきました。

その人は、柔和な微笑みをたたえた男性でした。

その男性は、私の過去も、現在も、そして未来も、全て知っていて

『私を待っている。』と言っているような

そんなメッセージが、伝わってきました。

私は涙が溢れてきて、死の痛みや恐怖、懺悔や贖罪、後悔…。

あらゆる苦しみ、悲しみから解放されていきました。

私の心に平穏が訪れ、未来へ希望がもてるようになっていきました。

やがて催眠から覚醒し、この現世に意識が戻ってきました。

人によっては、本当に生まれ変わったように劇的に

変化する場合もあるそうですが、私はゆっくりと変わっていきました。

それまでの私は、まるで自分が鎧を身に着けて戦っているかのように、

たえず緊張し、身構えていました。

人との関わりも好きではなく、どこか冷めていました。

この体験によって、自分を許し、自分を愛することができるようになりました。

そして、人の親切や気遣いを素直に喜び、感謝し、

人を愛することができるようになりました。

私は過去の呪縛から解放され、今の私の人生を

楽に、自由に、生きることができるようになりました。

輪廻転生は、前世で成し得なかったことを今世で成し遂げるため。

課題をクリアするため。魂の成長のため。といわれますが、

この体験を通じて、私が思ったのは…。

何よりもまず、今世の自分を愛し、今世の自分がやりたいこと、

求めることを、心の声に向き合って正直に行い

自分だけにしか生きられない、オリジナルの人生を

笑顔で生ききることだと思いました。

そうすることで、周りにいる人の助けや、影響を与える存在となり、

また逆に自分も、助けてもらったり、支えてもらいながら

人間的に成長し、それこそが結果的に

自分の魂を磨き、輝かせていくことになるのだと思いました。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。

皆さまの人生も、美しい大輪の花となりますように。

　　　　　　　　　　　　　　　　　そしてますます、光輝きますように。

　　　　　　　　　　　　　　　💗心より感謝をこめて💗　天海瑠璃